「雲の海、蜘蛛糸琴まで動かしまくる心意気」私はフランケルダ 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
雲の海、蜘蛛糸琴まで動かしまくる心意気
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東京国際映画祭にて。
これはとんでもない力作だった。ストップモーションアニメの進化系を観たとすら思う。メキシコ初のストップモーションアニメ映画だというがその気概は感じた。
とにかく動かす。しかも動かしにくそうな結構複雑なデザインのキャラを。
かなりサイズが違う怪物を何体も出すその心意気。絶対撮影が面倒なはずなのにあえてやるんだよな。サイズも特に七人の長はかなり小さいフェアリーみたいのから巨大な双頭の鳥までいてあれを一つの画面におさめるのも大変そうだと感じた。
フランケルダとして悪夢の国に来た主人公は船で案内するがその船が怪物でさらに雲の海を行く絵面がまず強い。しかも雲のうねりもよく動く。
わざわざ絵の具の絵でアニメーションを表現する場面もあり。
蜘蛛の宮廷作家がなかなか気持ち悪いところもすごい。沢山ある足をよく動かすそのこだわり。
フランケルダが書く悪夢のストーリーがあの世界を動かすというストーリーもいい。なんでもありになりそうに思えて宮廷作家が書く、王子が奏でる、という過程をふむアイデアも良かった。
王子と王が弾くパープが蜘蛛の巣なのも面白いんだよな。
そもそも主役2人の出会いを子供の頃からはじめてわざわざ大人の人形も作ってるのがやばい。
メキシコ初のストップモーション長編アニメ映画は絶対歴史に残る傑作にしてやる、という心意気を感じた。
多くの人に観てもらいたい、観てもらえるだろう力作。
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