「やりたい事詰め込みすぎ症候群」風林火山　regencyさんの映画レビュー（感想・評価）

香港の繁華街で発生した大殺戮ビル爆破事件で死亡した富豪が死亡した事をきっかけに、麻薬組織と警察の特殊部隊との間の抗争が勃発し…
ルイス・クーが出ている事もあり、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』的テイストを狙ったハチャメチャアクションかと思いきや、ちょっと違った。なんでも製作開始自体は本作の方が先だったものの、何度も中断の憂き目にあったとか。
クーや金城武、レオン・カーファイ、ラウ・チンワンといった豪華スターが大挙出演しているのは『トワイライト・ウォリアーズ』と同じだが、いかんせんこちらは人物関係が混み入ってて分かり辛い。「あれ、こいつらって仲間同士だったか？」的クエスチョンが何度も反芻してしまい、それらを頭の中で整理するだけで一苦労。TIFFのガイドにあった「美意識が貫かれた映像に満ちており」という狙いも、どうしてもジョン・ウーやジョニー・トーのフォロワーという印象しか残らず。人物関係のタネ明かし的要素のミッドクレジットも、「どうですか？粋でしょ」という監督のドヤ顔がチラついて白けてしまった。こんな勿体ぶった事をせずにちゃんとストーリーをブラッシュアップしてほしかった。
色々とやりたい事を詰め込みすぎて消化不良になった感。そりゃお蔵入り同然にもなるよ。