「周りを燃やす氷の心」サムシング・ハプンズ・トゥ・ミー HKさんの映画レビュー(感想・評価)
周りを燃やす氷の心
物語、シーンの構成がすばらしい。
前半の父親の介護、会話の様子や組合の弁護士との会話のシーン
を通じて主人公の置かれた境遇、家族に対する想い、性格などが
よく伝わってスムーズに物語に入っていける。
タクシー運転手になってからは
伏線になりそうな客が何人か提示されるが、
一回限りの出会いで薄氷に留まるケースもあるし、
客同士が裏で枝葉として繋がって、ラストの破滅に向かうケースもあって
サスペンスの展開が少し入り組んでいて面白い。
オペラを題材にしたストーリーも面白い。
トゥーランドットでは復讐の感情に満たされた姫の氷の心が
カラフによって溶かされていくが、
本作では皮肉にも黒い鳥が暗示するかのように逆の展開を辿っていく。
弦楽主体の音楽もよかった。
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