「ペングイン」ペンギン・レッスン ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
ペングイン
ペンギンと一緒に生活した教師の実話というところで気になり飛び込みで鑑賞。ペンギンだけに。
序盤は軍事政権が蔓延るアルゼンチンの学校に赴任してきた教師のトムがうだつの上がらない日々を送っており、学校が休校になったタイミングで出かけた旅先で美女と巡り会ったかと思ったら重油まみれのペンギンを見つけて保護し、結果的にペンギンだけ残ったというところから物語が本格化します。
かなり重苦しい雰囲気が伝わってくる中で、ペンギンが一気に明るい方向に持っていってくれるのでお見事でした。
ペンギンのピーターをどうにかして野生に返そう返そうとするんですが、砂浜に置いてみても海に放り投げてみても帰巣本能が働いてスッスと戻ってきますし、他人のフリをしようもんなら他の観光客が見つめてきてどうにもならない雰囲気になりますし、誤魔化そうとしたのに早々に諦めて白状してしまうトムが面白いです。
ホテルに置いていこうとしたらそれはそれで詰められて、なんの罪かは分からないけど逮捕してやるぜ〜って言われてアルゼンチンに連れて帰りますし、検査に1度は引っかかっても、また逮捕するぞって言われて渋々持ち帰るトムの哀愁が漂っていました。
そこから徐々にピーターもといフアン・サルバトールの名前を授かったペンギンと心を通わせ、身近な人達にペンギンの存在を打ち明け、授業のためになればとペンギンを授業に連れていったり、街中へとでかけてみたりとファンシーな時間が続いてほっこりしました。
バラバラだったクラスが一つにまとまり、ペンギンへの餌やりでキャッキャウフフする流れがとても良かったです。
プールでスイスイ泳ぐシーンなんかも爽やかでした。
軍事政権下という事もあり、批判的な言葉を少しでも発せば逮捕され拷問されというのが中々に辛く、直接的な描写は無いですが、それでも連れ去られたまま帰ってこない人がザラにいたりするのもゾッとさせるものがありました。
トム自身も街のお偉いさんに目をつけられ連行され、少しボコされたりもしており、なんて意地の悪い連中なんだろうと思いました。
最初はどこか閉塞的だった学校も、どこか諦め気味だったトムも、学校の生徒達も関係者達も笑顔にしていったサルバトールは凄いですし、動物が近くにいるからこその癒し効果って凄まじいんだなと思いました。
ペンギンを大切に育ててくれてありがとうとトムに伝えたいです。
鑑賞日 12/13
鑑賞時間 11:05〜13:10
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