劇場公開日 2025年12月5日

「ペンギンは名演技だが、物足りなさが残る」ペンギン・レッスン minavoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 ペンギンは名演技だが、物足りなさが残る

2025年12月12日
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鑑賞方法:映画館

アルゼンチンを舞台にした英国人のことなかれ主義のサラリーマン英語教師ものかなと思って観てたら、軍事政権下の思想弾圧ものだった。

かわいいペンギンが名演技するので楽しくは観れたけど、このお話で、トムがアルゼンチンにやってくる1976年は、ちょうど今年観た映画「ボサノヴァ 撃たれたピアニスト」のブラジル人ジャズピアニスト、テノーリオ・ジュニオールがツアーにきたアルゼンチンで行方不明になった年だ。映画ではテノーリオは、収容所で拷問されたあと、収容所の階段を登らされ、階段の先にある岸壁から突き落とされたという。

本作は、そのあたりの描写はほとんどなく、トムからみた状況に終始する。

帰りのエレベーターで小太りのおじさんが2人で、ペンギンのおかげで生徒もトムも成長して良かった、泣けたとうれしそうに話していた。

この手の映画を観て、今だからこそ観るべきという意見がありそうだなと思ったが、日本も戦後マッカーサーが軍政による統治を考えていた。アルゼンチンしかり、南米各国、中東、ウクライナに至るまで、軍事化を支援し、民族主義が行き過ぎると潰しにかかる国がどこかという歴史を知るほうが大切だと思う。

minavo
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