「日常がおとぎ話になりうるという実話ベースの傑作」ペンギン・レッスン ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
日常がおとぎ話になりうるという実話ベースの傑作
軍事政権下のアルゼンチン、イギリス人の英語教師がひょんなことからペンギンに懐かれて……。間違いなく息苦しい世界を描いているけれどほどよくコメディテイストで、でも深刻で、そして心を打つ。人の心も世界も多面的で複雑で、見えるものや聴こえるものだけが真実というわけでもない。心を閉ざし深入りを避けるのは無関心ってわけではないように。
私には教師が授業で用いた詩のいくつかが響いた。想いや感情を詩や物語にすることやそれを味わうことの豊かさを痛感したというか。何気ないシーンでも言葉や映像で残すことや味わうことがおとぎ話になり救いになりうるという、日常に潜む奇跡を垣間見たような感覚。
熱くない『今を生きる』みたいな、自然体な世界がしっくりきた。『フル・モンティ』のピーター・カッタネオ監督作品。
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