「超展開に振り回され続ける最高のクソ映画」悪魔祓い株式会社 🐙たこ🐙さんの映画レビュー(感想・評価)
超展開に振り回され続ける最高のクソ映画
最初は『エクソシスト』に強く影響を受けた、わりと正統派の悪霊退散ホラーとして始まる。でも途中から完全に方向転換する。
暴力で解決する映画になる。
たぶん企画と原案って
「悪魔祓いを拳で解決したら面白くない?」
くらいのふわっとしたアイディアをマドンソクが出して、
脚本家がそれをなんとか一本の映画にしようとして、
で、実際撮影が始まったら
・これも入れよう
・あれも入れよう
・せっかくだからここも殴ろう
ってなっていった結果が、
この超展開の嵐なんだと思う。
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展開のクセが強すぎる
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* 除霊は段階が多すぎて長い
* マドンソクが一人でどっか行くから話が進まない
* でもそのシーンが一番おもしろい
* 壁の中に人がいる(意味は分からない)
* 地下がやたら広い
* 被害者を助けるために交通事故を起こす正義
理屈で考えると全部おかしい。
でも、
「次はどんな無茶を入れてくるんだろう?」
という方向での期待はずっと切れない。
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マドンソクありきの映画
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人格者で善の象徴みたいなマドンソクが、
善意のまま、ためらいなく殴る。
全部が「まあ…マドンソクだし」で成立してしまう。
逆に言えば、
マドンソクがいなかったら成立しない。
たぶん普通に「雑なパクリ映画」で終わっていた。
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ラストと総評
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ラストは相変わらず投げっぱなしで、
本編が終わったと思ったら
アメコミ調のアニメーションが始まり、
しかもそれすら途中で終わる。
「え、ここで終わり?」という驚きだけを残して帰っていく。
完成度が高いとか、よくできた脚本ではない。
でも、
思いついたアイディアを全部突っ込んだ結果、
予想外の方向に転がり続けるのを眺める映画
としては、かなり印象に残る。
誰かと一緒に
「いや、今の何?」
「なんでそれ入れた?」
って言い合うための映画。
——そういう意味で、
ちゃんと語りたくなるタイプのクソ映画だった。
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