「【”BEHIND THE MASK・・。”今作は、台湾フェンシング全国大会3度優勝の兄の本性をミステリアス且つスタイリッシュ且つ耽美的に描いた作品であり、ラストの予想外の展開が突き刺さる作品である。】」ピアス 刺心 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”BEHIND THE MASK・・。”今作は、台湾フェンシング全国大会3度優勝の兄の本性をミステリアス且つスタイリッシュ且つ耽美的に描いた作品であり、ラストの予想外の展開が突き刺さる作品である。】
ー 大好きな台湾青春映画で、題材が滅多に見られぬフェンシングと聞けば、観ないわけにはいかないよね!と思い劇場へ。
今作は、フライヤーに記載されている通り、内容は可なりミステリアスで、耽美的で、劇中の意匠に頻繁に使われる緋色がインパクト大なる作品でありました。
可なり好みに近い、日本の小説で言えば、赤江獏の世界を彷彿とさせる世界観が炸裂する作品でありました。ー
■フェンシングの試合中に折れた剣で、相手を刺殺したジーハンが7年振りに少年刑務所から出所してくる。弟のジージェは冒頭に映される川に流された自分を見ている兄ジーハンの姿が朧気ながらあり、又、母は兄の事を口の上手いサイコパスとみており警戒しているのであった・・。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・映像は、スタイリッシュであり、意匠も良い。従来の台湾映画とはテイストがやや違うが、意匠に頻繁に使われる緋色の使い方は、エドワード・ヤンの影響を受けている気がする作品である。
・冒頭の、ジージェが川に流される中、それを傍観しているジーハンの姿。そして現在のフェンシング部に所属するジージェの姿への切り替え方など、今作が初長編作というネリシア・ロウ監督のセンスを感じる。
・ジーハンを演じるツァオ・ヨウニンもそうだが、今作の魅力はジージェを演じたリウ・シウフーの大きな目と白い肌である。どこか、両性具有の様な山岸涼子さんの漫画に出て来そうな美少年である。
■ジージェはジーハンを警戒しつつも、自分にフェンシングを教えてくれる兄に徐々に惹かれていくのである。ジージェはジーハンの教えも有り、実力を付けて行くからである。
一方、歌手である母は恋人からのプロポーズを受けるが、ジーハンの事を”アメリカで医学を勉強している。”と嘘をつくのである。
驚くのは両家の会食に突然現れたジーハンが【母の嘘の自分を自然に演じている】シーンである。ジーハンが息を吐くように嘘をつく人物である事が分かるのである。だが、婚約者側の幼い子はジーハンの姿を見て、怯えて泣き出すのである。
・ラストシーンは恐ろしいが、鮮烈で苛烈である。ジージェの試合会場に現れたジーハンは、フェンシングの剣で選手や審判を次々に刺して行くのである。今作ではフェンシングのマスクが実に効果的に使われるのである。
多くの人が倒れる中、自分に近づいて来たジーハンがマスクを取った時に、ジージェはジーハンの足を切りつけて、そのマスクを被るのである。そして、彼は警官達に抑え込まれるのである。
その後、再び映像は冒頭に戻るのだが、そこでは川に流されるジージェに対し、ジーハンが手を差し伸べるのである・・。
<今作はフェンシング全国大会3度優勝の兄の本性は何かをミステリアス且つ耽美的に描いた、最後の展開には驚く作品なのである。>
こんばんは!共感とコメントありがとうございます。NOBUさんがご覧になった劇場では特典がなかったのですね。説明すると…組み立てるとフェンシングのミニ剣になるセットが袋に入っていて、持ち手部分は紙製で剣は爪楊枝的なものでした。爪楊枝をセットする時点でビリっといってしまい、がさつな私には無理でした笑😂

