「フェンシングは心理のメタファー」ピアス 刺心 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
フェンシングは心理のメタファー
フェンシング選手の兄が起こしてしまった殺人事件。それは偶然か、それとも故意によるものなのか…
自身もフェンシングの選手だったという監督は、「フェンシングは戦略と駆け引きのスポーツ」と語る。対戦相手の隙を“突く”事で勝利するフェンシングは、いわば兄の心理のメタファー。弟もまた駆け引きの対象なのか。
弟と友人のやおい関係があんまりストーリーにリンクしていない気もするが、それはさておきラストの顛末は、これまでの弟の“落とし前”と受け取った。監督の実兄が好きだというニール・セダカの「おお!キャロル」が劇中で象徴的に使われるのは何かしらの意図があっての事なのだろうと思っていたが、ラストを経てのオリジナルが流れるエンドクレジットで、ようやくストーリーに絡めた意味が分かった。
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