「最大の見どころは華麗な映像美だがそれだけじゃない」落下の王国 4Kデジタルリマスター Tenjinさんの映画レビュー(感想・評価)
最大の見どころは華麗な映像美だがそれだけじゃない
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「果てしなきスカーレット」を見て以来、他の映画を見るときに共通点があると気になるのですが、この映画でいえば「映像美」と「唐突な場面転換」、「復讐」あたりでしょうか。まあ、こちらはあちらと違って映像に華があるので雰囲気はだいぶ違う気もします。
石造りの建物を背景に複数の人物を配置して見栄えのいい構図を作る、というのは「教皇選挙」にもありましたが、実に隙のない絵作りで大画面で見ると壮観ですね。
復讐を目指す一団の物語はいわば劇中劇で、役者のロイが子供のアレクサンドラに聞かせるための創作話なので、前後のつながりなどが適当なのは一応説明がつきます。なぜか進化論のダーウィンが出てくるところで、たいていの人はこれが架空の話だと想像はつくのではないでしょうか。
子供のアレクサンドラがそんな話でも感情移入して泣いたりするのはわかるとして、終盤はロイ本人までも涙ながらに語るのはなぜだろうと思ったら、自身の経験も入り混じった話だったからなのかと後で気づきました。
ロイは失恋の痛みを乗り越えて役者として大成し、アレクサンドラも家族を失った悲しみから立ち直る、といういわば成長の物語。お互いが相手の痛みをいやすという役割を担っていて、そこには大人も子供も関係ない人と人とのつながりの尊さがあるように思います。
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uzさんのコメント
2025年12月11日
場面転換が唐突で断片的ながら、そこにロイの心情が反映されてるのが上手いですよね。
ただ映像美を見せる芸術作品に収まらず、ちゃんとエンターテインメントでもありました。
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