「星が足りない」落下の王国 4Kデジタルリマスター 未夕さんの映画レビュー(感想・評価)
星が足りない
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星5つなんて失礼なくらい良かった!!
ポスタービジュアルに惹かれて鑑賞。たまにある、話のよく分からん視覚で楽しめ系映画だと思ったら、予想外に物語が良くて久々に泣いた…
話は、右腕骨折で入院中の少女が、同じく入院中のスタント俳優と出会う。彼が語る仮面の山賊の復讐物語に夢中になって、お話の続きを聞くために彼の望む「眠れる薬」を手に入れようと動く…といった所。フィクションと現実が次第に混じり合う感じ、無垢な子供が冷たい死や絶望、お伽噺のようにはいかない現実と邂逅する点で『ミツバチのささやき』を想起した。
整った顔立ちに輝く瞳のアナ・トレントに対して、歯も間もちょっと抜けたアレクサンドリアは素朴な可愛さがある。ミツバチと言い、本作と言い、些細なことで死んだり、罪を犯したり、心に取り返しのつかない傷を作ってしまいそうな子供の危うげな姿にこうも見入ってしまうのはなぜなのか?我々がかつて子供だったからというより寧ろ、子供じゃなくなったからなのかもしれない。歳を重ねるごと子供が苦しむシーンは見ていられなくなってる気がする。
ロイの発狂、足を滑らせた後、拷問のような痛みの中で父の死のトラウマを蘇らせるシーンは心が痛くて涙が出た。
何もかもがどうしようもなく辛く絶望的でも、ただ好きな人に生きていてほしいというアレクサンドリアの思いに絆され、ロイは自殺をやめたみたいだが、あんなスタントを繰り返してれば遠からず死にそうだ。切ない。本当に罪深い魅力のある映画。感動しすぎて批評とか解釈の余地はない。DVD下さい…
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