「殺し屋の終活はどこまでも哀しい」殺し屋のプロット LukeRacewalkerさんの映画レビュー(感想・評価)
殺し屋の終活はどこまでも哀しい
ほとんどノーマークだったが、フォローしている他のレビュアーさんたちが軒並み絶賛されているので、黙って新宿キノシネマへ。
いや、さすが信頼するレビュアーさんたちの目は確かだった(…と言うか、趣味が合うというだけの話かも知れませんが)。
マイケル・キートンが脚本に惚れ込んで、制作から監督から主演まで演ったというだけのことはある。
「ベテランの殺し屋が認知症になり、最後の仕事に取り組む」というプロットは、2022年のリーアム・ニーソン主演『メモリー』と似てはいるが、作品のおもしろさと深さ、脚本の巧みさでは圧倒的に『殺し屋のプロット』が勝る。
小ネタのように散らばるセリフと小道具が憎い。
役者も素晴らしい。
息子マイルズ役のジェームズ・マースデンが父親のジョン(演: マイケル・キートン)に助けを求めて来て取り乱すシーンはなかなかスゴい。
また、「木曜日の娼婦」ヨアンナ・クーリクも不思議で存在感が大きな役回りだった。
そしてもちろん主演のマイケル・キートン。徐々にキレを失っていきながら、最後のかたをつけようとする姿に、途中からものすごく感情移入してしまった。私も年を取ったものだ。
嗚呼、そしてアル・パチーノ! パチーノ! パチーノ!
(すみません、取り乱しました)
最後の、ジョンとマイルズの面会シーンの
「今日は日曜日か?」
「いや、水曜日だよ。なぜ?」
には、ただただ涙。
久しぶりに洋画で嗚咽してしまった。
恐らくこのシーンのためだけに、これから何度もこの作品を観ることだろう。
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