「忘却という魔法を使った終活」殺し屋のプロット bionさんの映画レビュー(感想・評価)
忘却という魔法を使った終活
こんなハードボイルドに人生を締めくくれたら最高。
家族という厄介でもあり心の拠り所でもあるものに対してどう向き合うのか。そんな面倒なことから逃避していた老殺し屋が、クロイツヤコブ病の発覚と、息子がしでかした殺人の後始末で待ったなしの終活をしなくていけないハメに。
どんなことがあっても冷静さを失わずに、やるべきことを的確にこなしていくマイケル・キートンの所作が、小説で登場する殺し屋そのもの。ハードボイルドにつきものの皮肉を込めた軽口も冴える。
長年の付き合いのある仕事仲間とのやりとりもハードボイルド感がにじみ出る。裏切られたらそれまでという割り切りも含んだ信頼関係で結ばれている。アル・パチーノ演じるゼイヴィアもどこまでノックスの味方なのかつかみどころがない。
ラスト近くで、これはどういうこと? 病気の影響なの? 困惑する事態も発生する。
忘却という魔法を使った終活に唖然とさせられます。
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