ぼくらの居場所

劇場公開日:2025年11月7日

解説・あらすじ

それぞれ過酷な環境下で生きる3人の子どもたちが地域の教育センターで絆を育んでいく姿を通し、社会の片隅に生きる人々を実直なまなざしでとらえたカナダ製ドラマ。

多様な文化を持つ人々が暮らす、トロント東部の街スカーバロー。精神疾患を抱える父親の暴力から逃げるようにこの街にやって来たフィリピン人のビンと、家族4人でシェルターに暮らす先住民の血を引くシルヴィー、ネグレクトされ両親に翻弄され続けるローラの3人は、ソーシャルワーカーのヒナが責任者を務める教育センターでは安心して過ごすことができた。厳しい環境に置かれながらも、ささやかな絆を育んでいく3人だったが……。

主演には本作が映画初出演となる3人の子どもたちを抜てきし、共演にもスカーバロー出身の演技未経験者たちを起用。カナダの作家キャサリン・エルナンデスが実体験をもとに執筆したデビュー小説「Scarborough」を自ら脚本化し、ドキュメンタリーの分野で高く評価されてきたシャシャ・ナカイ監督とリッチ・ウィリアムソン監督が長編劇映画初メガホンをとった。2022年・第10回カナダ・スクリーン・アワードで作品賞・監督賞など8部門に輝いた。

2021年製作/138分/G/カナダ
原題または英題:Scarborough
配給:カルチュアルライフ
劇場公開日:2025年11月7日

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(C)2021 2647287 Ontario Inc. for Compy Films Inc.

映画レビュー

4.5 結局…

2025年11月23日
iPhoneアプリから投稿

愛されてる子と、愛されてない子の現実の落差がすごかった。
結局人生ってどんな親のもとに生まれたかで決まる。
属性や天与のもの等も、短期的には他人にどう扱われるかを左右するが、長く付き合っていく上では、どんな人間なのかー愛されて育った故の安定性、芯のある朗らかな優しさーが大切だ。

よく、「毒親」という言葉にアレルギーを示し「親だって人間だもの」「完璧じゃないのは当然」と言い訳ばかりの親がいるが、そういう人の子は、間違いなく幼少期に満たされるべき愛が足りなくて生きづらさに苦しんでいるだろう。
だって、その子の親は、子のことより自分のことで頭がいっぱいなのだ。
親として1番大切な子を満たしてあげること、ができない、親としての適性に欠ける者。

ローラは親に恵まれなかった。
父親は母親ほど酷くはなく、どうすればいいかわからなかったり経済的ゆとりがないゆえに、彼自身は好きな場所ではなくてもセンターに通っていた。
とはいえ、感情のコントロールができず、ローラを傷付けていた。彼がそんな風なのは、彼自身が同じように育ったのだろうと推察された。

ビリーは3人の中では恵まれている。
母親に愛され、互いに細やかに声をかけ、あたため合っている。
体型など、いじめられやすい要因はあっても、どんな目に遭ったか伝えることができる。ローラはそれができなかった。
一人遊びで歌うときだけ。
そんな彼女がHからHAPPYを真っ先に紡ぎ、
HUGを言葉として認識できたときの様子!
彼女がもっとヒナ先生と時を重ねて言葉を獲得し、身体的にも自分を守れる年まで成長できていたら…

シルヴィーは、利発で優しい子だ。言うべきことをきちんと言い、ビリーをいじめる男の子や意地悪なクララに立ち向かえる。
言うべきことをきちんと伝える母親の性質を受け継いでいるのだろう。

彼女の母は強くて賢い。弟の異常に不安を感じ、きちんと早くから診療所に行ったのに、経済的な理由から助けを得られず、保健所の白人母に見下され否定され苦しむ。
シルヴィーに弟のことを特別な言葉を持つ子なのだと伝えるところ、そんな風に表現する発想が自分になくて、愛ある親は子の特性をあるがまま愛するのだなと思った。

報われなくて疲れても、見捨てない。
一瞬を見逃さず、成長を喜び、育む。

この映画の幸せな部分は、多分にヒナ先生から派生する。
彼女のスタンスが子どもたちと親に好影響を及ぼす面は大きい。
上司に毅然と立ち向かった彼女が、時に制度や現実と理想の狭間で苦しみながらも、自分の大義を大切に、できることを手放さずに取り組んでいく姿は、希望を感じた。

けれど、福祉は、一部の志ある人の負担で成り立つものであってはいけないはずだ。

ヒナ先生が経験を積んだあとに、ローラと父のような親子にどう接して、どんな方向に進むのか見たかった。

スカボローの貧しい人たちは、あたたかいコミュニティを築いていた。
最初の方、シルヴィーが母と弟と帰宅するところ、冷蔵庫壊れたからと食料をわけてくれる女性、犬を連れたホームレス、絵を描く男性、近所のよくシルヴィーを預かってくれる高齢者、みんな気安く声を掛け合い、冷たさがない。

日本ではどうだろう、みんな疲れ切って、自分のことしか考える余裕がなくなっているのでは…
真面目に働いてこうなのだから、政治の責任と思う。

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くー

3.0 感動もんのお話ではありますが🤔

2025年11月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怒涛の弾丸ハシゴコースの5/11っす(^_^;)

話がとっ散らかりすぎて、イマイチ、感情移入できなかったんですよね😓
なので、序盤で少し寝落ちしました(^^ゞ

ローラがああなったのもイマイチ、よく分かりませんでしたし😒

ローラの父親は酷すぎて、100%…いや100万%お前が悪いのに、周りのせいにする輩は、世の中にも腐るほどいて、絶対、死んではいけない人が早く死んで、死ぬべき人間、死なねばならない人間、生きていてはいけない人間が長生きする理不尽さは、どうにかならんもんかねと、常々、思っているこの昨今でございます😌

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おたか

4.5 寂しくても確かめながら僕は生きてゆく

2025年11月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

渋谷に用事があり折角なのでミニシアターに寄ろうかなと思い立ち、予告編で気になり上映時間もちょうどよかったこの映画をたまたま視聴。
結果、この映画をたまたま観れたのはとても幸運だと思った。

トロントの教育センターを舞台に、訪れる様々の親子模様が描かれる。
親子が抱えるのは、三者三様な人生の悩み。
群像劇と言える構成でストーリーが展開され、子供同士、親同士がセンターで交流しそれぞれが親子として目指す先へ成長しようとしていく。

そして当たり前だが、親と子で考えていることが違うんだなと思い知らされる。
子供は子供として、そして親にも親としての葛藤がうまく描かれていると感じた。

その葛藤の先には、上手くいく兆しが見えることも、喪失感に打ちひしがれる様な出来事もあるのかもしれない。
それでも彼らは生きていくのだろうなと思う作品だった。

(余談だが、自分が敬愛するkurayamisakaというバンドのjitenshaという曲のテーマが合いそうな映画だと思った。自転車というモチーフは全く合わないけど‥)

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オクト茄子

4.5 多様性という混沌。

2025年11月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

最近カナダ映画よくみるなぁ。
多様性を売り物にしてる国だけど問題も多いわけで、映画のネタに尽きないと。
3人の訳あり子供が施設で出会うはなしです。

実体験を元にして書いた本の作者本人が脚本執筆し、ドキュメント監督に映画化させた経緯が上がりのリアルさを担保してます。役者もほぼ素人ばかり、時間かけてリードしたんだろうな。自然光の絵も話の繋ぎかたもドキュメントぽい。だから見ててかなりリアルでヒリヒリします。この映画の破壊力はそこを押さえた初期設計と、、、あとほぼ素人の出演者をまとめた監督の手腕かな。

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masayasama

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