劇場公開日 2025年10月17日

ナイトコールのレビュー・感想・評価

全52件中、21~40件目を表示

3.0お人好しのSerrurier(鍵屋)

2025年10月22日
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なかなかテンポ良く見せてくれるサスペンスで、ベルギー映画の良さを認識しました。ただ、ラスト15分程の、やや無理やり映画を盛り上げようとする展開には、無理を感じてしまいました。

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aki007

3.0観る前の予想通りに…

2025年10月22日
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適度にハラハラさせてくれるので理屈抜きに楽しめる。

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Mr. Planty

4.0こういうのでいいんだよ

2025年10月22日
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鑑賞方法:映画館

ワン・バトル・アフター・アナザーで映画の良さを再認識したばかりなのに、全くノーマークのベルギー映画でまた同じ思いをするなんてね。一切情報入れてなかったからどんな話が分からず、2件目の依頼でサスペンスと気づくとか…。

とにかく隙間から見る主観目線の使い方が上手いので見ていて緊張感が伝わるし、EUの首都ブリュッセルでもブラック・ライブズ・マターのデモが起こってるのかー、とかホワイトトラッシュはヨーロッパにもいるのかー、とか色々勉強になりました。
自分的にはどっちかっていうとイスラムの侵食が深刻なイメージだったけどね。

カーチェイスもチャリチェイスも走りチェイスもブリュッセルフィルムコミッションはなんでもやらせてくれるんだなあ…渋谷でもこんな絵撮れたら面白いのにね。足利の渋谷ダブルではダメなんだよなあ。

まあ終わり方は賛否ありそうだけど…尺が90分きっかりなんで!あと一夜の出来事なんで!それだけで映画として最高に素晴らしいです!

忙しくて今月は全然映画行けない中、ちょっとした空き時間に見れる作品で大当たり引いてご機嫌です。

それではハバナイスムービー!

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きーろ

4.0画面から目が離せない良作

2025年10月22日
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冒頭のある点を突っ込むと事件(物語)が始まらないので仕方ないのですが…
そこだけ目を瞑れば、あとはノンストップ。
ハラハラドキドキ。
引き込まれて、画面から目が離せません。
かなりの良作です。

ただ、ラストで「主人公が、ここまで頭キレて賢いのに、なんで最初は迂闊な選択肢を選んでいたのだろう」と、我に返っていろいろ考えてしまい。
そう、バイト先のマニュアル通り、ちゃんと依頼人の身分証明書の確認を行わないから、事件に巻き込まれちゃうんだよ……
日本よりはるかに治安が悪い国でのバイトで、決められた手順には理由があるんだよ、と冒頭における主人公のうっかりじゃすまない杜撰な選択に苦笑いしちゃったのでした。

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コージィ日本犬

3.5なかなか面白い巻き込まれ型スリラー

2025年10月22日
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鑑賞方法:映画館

フツーの鍵屋の青年が、マフィアの金の紛失に巻き込まれるスリラー。
追う側、追われる側の描き方がうまく、ストーリーも二転三転して、なかなか面白かった。
ベルギーの首都ブリュッセルの夜が舞台で、ブラック・ライヴズ・マターのデモのかませ方もうまい。
ただ、ロマン・デュリス以下の悪役側の迫力がイマイチなため、ハラハラ感も手に汗握るほどではなかったのは、勿体なかった。

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ファランドル

3.0ごく普通の展開と感じてしまいました。

2025年10月22日
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期待し過ぎてしまったかしら。
最初の導入部、鍵屋が騙されるあたりは良かったが、その後の展開は期待し過ぎたせいか失礼ながら既視感のあるようなごく普通の展開。
映画を見終わってしばらくしてこのレヴューを書いてるが、なんかあまりそれぞれのシーン含め記憶に残ってないなぁ。という感じ。

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ケビタン

3.5這い上がれなかった者

2025年10月21日
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興奮

驚く

鍵開け屋の青年がある女性から鍵開けを依頼されるものの、その部屋は実はヤベェやつの部屋であり…といった物語。

ちょっと趣味が合ったからと気を許したが最期、冤罪も良い所の絶望展開がマディを襲い…。

全体を通しテンポも良く、程よくスリルな展開であれど、ご都合主義とツッコミ所は枚挙にいとまがない(笑)

まぁそんなことは考えず、マディの機転を利かせた逃走&追跡劇は見応えがあるし、悪になりきれない人間模様も。

警察に電話…そっと受話器を置くその手。これはやるせないですね…。

そんな事を考えさせながら、ピンチ!!しかしそんな奥のテを残してたか!?んで、漸く一段落、からの…やっぱりそう来なくちゃね!!

90分という丁度よい尺の中でとにかく止まることはないし、それでいて単調にならず飽きのこない作りはお見事!!

しかし、あまりにもマディが不憫すぎる…(笑)
それと、敵側の立場から見れば、嘘とは思えねぇなんて言わずにあの時点でマディを始末しちゃえば良かったんじゃないの!?!?あそこではまだまさかクレールが実は…とは思わなかったのか?

とまぁ、気になるポイントは残しつつも、難しく考えずさっくりと楽しむにはもってこいの作品だった。

しかしいくら何でもこの仕打ち、納得がいかない…

マディが何したっつうんだよ!!!!!!!!

…あ、強盗か。

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MAR

4.5最後いらないなぁ

2025年10月21日
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2025年劇場鑑賞289本目。
エンドロール後映像無し。

鍵屋が犯罪に巻き込まれる話。不法侵入する為に鍵屋に依頼するかもしれないので、前払いや身分証明などを求めるのは良かったのですが、なんか言いくるめられて開けちゃったのが分岐点だったんでしょう。マニュアル遵守大事。

命がかかっているのに説明するのに間があったり、最初に説明していればこんなことにはなっていなかった(まぁ外国語しゃべってたけど)りとは思うのですが、最後の最後に主人公がした行動がちょっと納得いかなかったです。そんな義理なくない?完全に自業自得だし。

ただ、この大ピンチをどう切り抜けるんだろう、というハラハラ感は楽しめました。

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ガゾーサ

4.0ベルギー発、新進気鋭の監督の描くアクション・スリラーの佳作

2025年10月21日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

驚く

【イントロダクション】
謎の女性から依頼を受け、とあるアパートの一室の鍵を開けた鍵屋の青年が、マフィアの裏金を巡る問題に巻き込まれていく一夜を描いたベルギー、フランスのアクション・スリラー。
監督・脚本は、本作が長編映画監督デビューとなるベルギーの新鋭ミヒール・ブランシャール。
ベルギーのアカデミー賞と呼ばれる“マグリット賞”にて最優秀作品賞ほか10部門を受賞。

【ストーリー】
ベルギーの首都ブリュッセル。鍵屋の黒人青年マディ(ジョナサン・フェルトレ)は、昼間は学生、夜は鍵屋の仕事で生計を立てる多忙な日々を送っていた。

ある晩、彼はクレールと名乗る女性(ナターシャ・クリエフ)から依頼を受けて、とあるアパートの一室の鍵を開ける事になる。料金は前払いであり、理由があって先に仕事に取り掛かる場合は身分証の提示が規則であったが、クレールは財布ごと家の中に忘れてしまい、鍵を開けてもらわないと料金も身分証も提示出来ないという。
仕方なく、マディは鍵を開けてクレールを中に入れるが、彼女は黒いゴミ袋を持って「お金が無いからATMでおろしてくる。身分証はテーブルの上にある」と言い残してアパートを去ってしまう。テーブルの上を確認するマディだったが、身分証は何処にも見当たらない。そうこうしている内に、クレールから着信が入り、「今すぐそこから逃げて」と指示される。
訳もわからず室内に残っていると、本来の部屋の持ち主であるサムという男(マルコ・マース)が帰宅する。マディの正体を知らないサムは、彼を強盗と勘違いして激しい取っ組み合いになり、命の危険を感じたマディは持って来たドライバーでサムの首を刺して殺害してしまう。

気が動転したマディだったが、警察を呼ばなければと自身のスマホを取り出す。しかし、取っ組み合いで壊れてしまっていた。マディは平静を装ってアパート近くの店の店主から電話を借り、警察に連絡しようとする。しかし、テレビでは市内で行われている人種差別抗議運動“ブラック・ライブス・マター(BLM)”の様子が映し出されており、警官隊が講義に参加している黒人を容赦なく殴打していた。自身も黒人であるマディは、警察に自らの主張を信じてもらえないのではないかと電話を切り、部屋の証拠隠滅を図る。

再び部屋に戻り、証拠隠滅を図るマディだったが、サムを迎えに来た男達を前に逃亡を余儀なくされてしまう。鍵屋の車で逃亡しようとするが、エンストを起こしてしまい、男達に捕まってしまう。

男達に捕えられ、マディは廃墟の中へ連れ去られてしまう。そこには、マフィアのボス、ヤニック(ロマン・デュリス)が待ち構えていた。必死に事情を説明するマディ。女が持ち出したゴミ袋の中身は、サンドバッグの中に隠していた上納金100万ユーロだったのだ。マディの訴えに半信半疑のヤニックは、彼を拷問し、部下であるテオ(ジョナ・ブロケ)に意見を仰ぐ。テオは、マディが嘘を吐いているようには見えないと答え、ヤニックはマディに「朝までに女を見つけ、金を取り返してこい」と命じる。

マディはテオと彼の仲間のレミー(トーマス・ムスティン)に連れられ、サムが通っていた娼館を訪れる。しかし、何処にもクレールの姿はなく、レミーはプレイを邪魔されて激昂した客と殴り合いになってしまう。そんな中、外で電話するテオの姿を目撃したマディは、電話の内容から事件の意外な真相を耳にする事になる。

【感想】
新進気鋭の監督によるベルギー産のアクション・スリラーは、切れ味鋭い佳作として意外な拾い物となった。

監督・脚本のミヒール・ブランシャールは、本作が長編映画監督デビューだそうだが、初監督作にしてベルギー内外で数々の賞を受賞する等、初監督とは思えない確かな手腕を発揮してみせた。
テンポ良く展開され、先の読めない方向へと向かっていく脚本が、最後まで観客をスクリーンに釘付けにさせる。常に「次はどうなる?」という興味を持続させるのは容易ではなく、この“好奇心の持続”を維持させただけでも評価出来るほど。
また、作品を象徴する楽曲であるイギリスのポップシンガー、ペトゥラ・クラークの『La Nuit N'en Finit Plus(夜が終わらない)』の歌詞に対応したマディの成長展開、序盤から丁寧に張られていく伏線、それぞれのキャラクターの抱える事情の提示と、観客に対して非常にフェアな脚本の作りにも好感が持てる。だからこそ、ラストにはもう一捻り(詳しくは後述)欲しいと思ってしまった。

音楽を担当したタンギー・“テプル”・デスターブルの楽曲も素晴らしく、冒頭から一気に観客を物語の世界へ引き込んでくれる。優れた音楽は映画の魅力を一段引き上げる力を持つと改めて感じさせられた。

趣向を凝らしたカメラワークも特徴的で、これには撮影監督のシルヴェストル・ヴァンヌーレンベルへの功績も非常に大きいと思われる。
冒頭、大通りを疾走するマディの車を上空から捉え、やがて画面が回転して映像が逆さまになり、タイトルが表示される。このオープニングシーンの掴み一つで抜群の威力を誇っていた。先述した音楽も相まって「面白い映画が始まった!」と予感させてくれる。
マディがテオ達から逃亡する際に、盗んだ自転車で地下鉄の階段と駅構内を疾走する様子をワンカットで捉えたシーンや、クライマックスでパトカーを引き連れて夜明けのブリュッセルの街中を爆走するマディの車のシーン等、映画的盛り上がりを演出するシーンも印象的で、映画鑑賞の悦びに満ちていた。

キャラクター表現も無駄なく端的に描き出されていき、特に主人公マディと、マフィアの手下テオのキャラクター性が非常に魅力的だった。

マディは母親を亡くし、父親とも連絡を取り合っている様子はなく、恋人とも別れた孤独な青年である。学生生活と私生活を両立させる為に、夜遅くまで鍵屋の仕事をこなさなければならず、食事も仕事の合間に車中で摂らなければならない。気分を上げる為、母の残したお気に入りの曲をコピーしたCDを聴く姿も、彼の根底にある優しさの表現として優れている。
ヤニックに事情を説明しようにも、かつて起こした強盗の前科から素直に信じてはもらえない展開は、脚本的な難関の一つとして機能するだけでなく、彼が「どん底に居る者」という説明にも繋がる。
また、機転の利く姿も印象的で、サバイバル能力も高い事から、変化し続ける事態に臨機応変に対応していき、「常に行動を起こす」キャラクターなのも非常に好感が持てる。そのキャラクター性によって、物語が停滞する事を防ぐと同時に、観客に「次はどうなる?」という興味を持続させるのだ。
だからこそ、彼には自らの命を守る為にテオを犠牲にするような行動を取ってほしくはなかった。その後にジュリーを守る為に覚醒するにしても、別の方法で覚醒させる事は出来たはずだからだ。

彼と行動を共にし、追跡者としての役割も持つテオは、マディと同じく両親が存在しない様子を伺わせ、彼と同じ「どん底に居る者」である事が示される。粗暴なようでいて、マディの主張を「嘘を吐いているようには見えない」と擁護する姿や、妹のジュリー(クレール)を守るべく奔走する姿も好印象。そこには、演じたジョナ・ブロケ本人の悪人には見えないビジュアルも寄与している。だからこそ、彼には最後まで生き残ってほしかった。

混乱の事態を招くクレールことジュリーも、兄想いの妹として「どん底から抜け出してほしい」という願いから盗みを働いた事が明かされる。彼女が、単なるテオの恋人ではなく、妹という設定も意外性の演出と家族というより強固な繋がりの提示として優れていた。
余談だが、クラブ“ブカン”でマディに捕えられた際、彼に強気な姿勢で説教する姿には苛立ちを覚えたので、容赦なく右手にハンマーを振り下ろしたマディはグッジョブである。

他にも、子育てや優雅な生活を維持する為に上納金を納めなければならないヤニックの単なる冷酷な悪人に留まらない人間性、振り回されっぱなしで常に困惑顔を浮かべるレミーと、脇を固めるキャラクターまでそれぞれに見せ場や魅力があるのも素晴らしい。

そんな魅力的なキャラクター達を演じたキャスト陣の熱演にも拍手。
特に、マディ役のジョナサン・フェルトレは、他のキャスト陣より比較的キャリアが浅い中での大抜擢にながら、抜群の存在感を示して見せていた。今後の活躍が楽しみな俳優である。

テオ役のジョナ・ブロケは、3カ国語を話せるトリリンガルな事から、若手ながらも順調にキャリアを積んでおり、原田 眞人監督、司馬遼太郎原作の日本映画『燃えよ剣』(2021)にも出演していた様子。

クレールことジュリー役のナターシャ・クリエフも、ジョナサンと同じくまだまだキャリアの蓄積中ながらミュージカル女優賞へのノミネート等、確実に実力を発揮している様子。ラストで涙を流してアムステルダム行きの列車に独りで乗車する姿だけで、混乱の元凶であるにも拘らず、思わず許してしまいたくなる。

ヤニック役のロマン・デュリスは、フランスを代表するベテラン俳優として存在感を放ち、決して長くはない出演時間ながらも、その風格漂う姿が鮮烈に印象付けられる。

【完成度が高いからこそ感じさせる、クライマックスの“物足りなさ”】
ジュリーを守る為に自らを犠牲にして、警察に撃たれて搬送されるマディ。唯一の肉親である兄テオを失い、持ち出した金を手に独りアムステルダムに向かうジュリー。
マディはヤニックからサム殺しの凶器であるドライバーを押収されており、ヤニックが上納金を納められなかった事から破滅するとしても、マディもまた殺人犯として逮捕される可能性は否定出来ない。
ジュリーもまた、無実の男を巻き込み、兄を失ってまで得た金で、果たして今後の人生を穏やかな気持ちで過ごせるだろうか。
例え、ラストでそれぞれが登る朝日に照らされていたとしても、その輝きを単なる祝福とは受け止められなかった。

また、ヤニック達マフィアと裏で繋がっていた汚職警官のグレッグ(サム・ルーウィック)はお咎めなしである。

このように、彼らの今後の行く末を思うと、決して安易なハッピーエンドとは言えないビターエンドな幕引きとなる。この辺りの結末は、本作がその評価の高さから今後ハリウッド等でリメイクされた場合は、大幅に変更されそうな要素と言える。この鈍い輝きを放つビターな幕引きこそが魅力と言われればそうではあるが、亡くなったテオをはじめ「本来裁かれるべき悪人が、作中でその行為に対する責任を問われない」というのは、非常にモヤモヤとさせられる。

勿論、ヤニックやグレッグをハリウッド的ハッピーエンド演出な勧善懲悪の落とし前をつけさせる必要はない。だが、やはりメインとなるキャラクター達には、本作のテーマが「どん底に居る者」達を扱った「這い上がれるか、落ち続けるか」を描く作品である以上、もっと希望の持てる終わり方をしてほしかったのは間違いない。
というのも、丁寧な伏線描写やマディの機転の利く性格から、ラストはてっきりドンデン返し的な結末を迎えるのだろうと、鑑賞中密かに期待してしまっていたからだ。

贅沢な文句ではあるのだが、やはりエンターテインメントの基本はハッピーエンド(そう見えるだけでも良いので)だと、改めて痛感させられた。

【総評】
ベルギー発の本作は、韓国映画的なジャンルを横断する物語、優れた音楽と撮影と、エンターテインメントとして確かな完成度で、本当に監督は長編初監督なのかと思ってしまうほど。
しかし、だからこそラストの展開にはもう一捻り欲しかったのも確かであり、ビターエンドは玄人向けであると感じた。

とはいえ、出演者や監督の今後の活躍が楽しみである。また、本作はその完成度からハリウッドや韓国で今後リメイクされる可能性もあるので、本作そのものの今後にも注目したい。

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緋里阿 純

4.5上質

2025年10月21日
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非常に上質なベルギー発の巻き込まれ型クライム・サスペンス。
危機の作り方も絶妙だし、BLMデモを背景にしているのも気が利いてる。そしてなにより主人公マディが心優しく小心者なのが良い。ヒビって泣きながら闘ってるのが良い。
ラストの展開にも説得力が生まれる。
あの後どうなったのかな。マディがBLMの象徴として報道されて、クレール(じゃなくて本名なんだっけ?)が訪ねてきたりしたら良いな…

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ぱんちょ

4.5走らなあかん、夜明けまで

2025年10月20日
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鍵屋っていいの見つけたなぁ。
鍵屋主人公にしたら面白いのいっぱい作れそう。

こういう作品って絶体絶命の危機をいかに乗り切るかが肝だと思うけど、何回か、あれそれで逃げられるの?そこで見逃してもらえるの?があった。
面白かっただけに少し残念。
音楽の使い方がよかった。

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大吉

3.0いい話かなぁ?

2025年10月20日
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ラストは売店のおっちゃんに電話借りて、駅か時間か行き先変えてあげれば、無駄に派手なカーチェイスをせずに済んだのにねぇ。
悪ニキ達は行き先分かってるのに諦めたの?
鍵師ニキ、証拠品出されちゃうよ。
助けるにしても〇は持たせなくても良かったんじゃない?等々
エピローグが足りなさ過ぎてモヤモヤ

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みのまる

3.0いい意味で普通

2025年10月20日
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ありきたりを少し面白く撮った映画。普通は警察に通報で終わりだけどね。
BLMがもっと身近なら主人公の行動も理解できたのかも。
時間潰しの価値があるかな。偉そうですけど。

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あああ

4.0フィルム・ノワールとは─

2025年10月19日
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悲しい

ドキドキ

調べるよりもこの作品を見ればしっくりくるようなフィルム・ノワール─長くないし事がコンパクトにまとまっているのでそれを知るのに最適だなぁという印象。
社会情勢ともうまく絡み合わせて、一層せつない感じが際立っていました。
コンパクトなだけにかなり強引に目まぐるしく展開していきますが、細かい設定や視野などを巧みに利用しながら流れるようなストーリーに仕上がっていたので結構堪能しちゃいました。
終わり方もまさに─といった感じでなかなかの良作でありました。

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SH

4.0深夜の呼び出しには気をつけろ

2025年10月19日
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怖い

興奮

■ 作品情報
ベルギーのブリュッセルを舞台にしたクライムスリラー。ミヒール・ブランシャール監督初の長編作品。ベルギーのアカデミー賞であるマグリット賞において、作品賞、監督賞、脚本賞など10部門受賞の快挙。監督・脚本: ミヒール・ブランシャール。主要キャスト: ジョナサン・フェルトレ(マディ役)、ナターシャ・クリエフ(クレール役)、ジョナ・ブロケ(テオ役)、ロマン・デュリス(ヤニック役)。製作国: ベルギー・フランス合作。

■ ストーリー
夜間は鍵屋として働く学生のマディは、ある晩、クレールと名乗る女性から部屋の解錠を依頼される。しかし、その部屋はクレールの所有物ではなく、彼女は部屋にあったマフィアのヤニックのバッグを持ち去ってしまう。直後、部屋の真の持ち主が帰宅して揉み合いとなり、マディは相手を殺害し、ヤニックの部下に捕まってしまう。ヤニックはマディを共犯者とみなし、翌朝までにクレールとバッグを見つけ出さなければ命はないと脅す。無実を証明し生き残るため、マディは混乱する夜のブリュッセルを奔走することになる。

■ 感想
最初から最後までスクリーンに釘付けになる、息をのむようなサスペンスです。予期せぬ犯罪に巻き込まれてしまったマディの身に迫る恐怖と、そこから抜け出そうともがく焦りが、手に取るように伝わってきます。一瞬たりとも目が離せない展開に、ずっとドキドキさせられます。

たった一夜の出来事であるにもかかわらず、その極限状況の中でマディが少しずつたくましく、そして強かに変化していく様子が、とても丁寧に描かれています。彼が命の危険を感じながらも事件の真相を追い続ける姿、そして悪党になりきれない人の良さから再び行動を起こす姿は、人としての弱さと強さと葛藤を描いているようです。

また、マディと同様にどん底から這い上がりたいと足掻くテオの存在、彼らの背景にBLM運動のデモが重ねられていることで、物語に深い奥行きが加わっています。人生の苦さ、うまくいかない現実の厳しさが、胸に迫ります。

結末は決して後味の良いものではなく、破滅していくヤニックたちの姿を見てスッキリしたかったという思いも正直あります。しかし、マディの必死の行動が一人の女性の命を守ったという事実は、せめてもの救いであったと感じます。ただ、もとはといえば、全てあの女が原因であることを思うと、やっぱり複雑な思いが残ります。

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おじゃる

4.0一夜の事件が描く、ヨーロッパ分断社会の不安と孤独

2025年10月19日
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ベルギーの映画賞マグリット賞で史上最高の10部門でノミネートされたという2025年新作のアクション・スリラーだ。同賞では映画賞、長編映画賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞しているから、監督の手腕が高く評価されたということだろう。
監督ミッシェル・ブランハートはまだ32歳の若いベルギー人。本作が長編デビューだという。
90分という短めの尺で、テンポよく、ドキドキしながら楽しく観れる。エンターテイメントとして観て損はない、誰がみても楽しめる佳作だと思う。公開館数は少ないけれど、近くでやってるなら自信を持って面白いよ、とお勧めできる。

ただ、よくできたおもろい映画というだけでは、このベルギーでの高評価は説明できないと思う。エンターテイメントでありつつ、現在のベルギーやこの映画の共同制作国フランス(本作はフランス語映画)の社会情勢を物語の背景に巧みに入れ込んだことが評価されているのではないだろうか。
日本人の僕がみると「うん、面白かった!」で終わってしまいかねないのだけれど、ベルギーやフランス、あるいは欧州の観客なら、もっと切実で、強烈な切迫感を感じる映画なのだと思う。つまりアクション・スリラーの形式を借りた社会的リアリズム映画でもあるとして観るといいと思うのだ。
なので、ベルギーという国の状況を映画と絡めて整理してみたい。

この映画は、ベルギーの首都ブリュッセルが舞台。主人公は夜、鍵屋として働く黒人青年(おそらくコンゴ系移民3世)のマディだ。彼が夜、電話で自宅に入れないという女性から鍵を開ける仕事を頼まれたことから、犯罪絡みの陰謀に巻き込まれる。その一晩、夜から朝までのワンナイトの物語だ。
ポイントはその夜、舞台のブリュッセルが大混乱の最中であること。ブラックライブズマター(BLM)のデモで警察側との衝突が起こったのだ。BLMは2013年にアメリカで黒人青年が警察に不当な暴力を受けたとから始まった運動だが、それと同様の出来事があって抗議デモが過激化している夜の出来事だ。

ブリュッセルには随分前2度ほど行ったことがある。ベルギーを目指した訳ではなく、格安航空券のトランジットで短時間そこで過ごしたのだ。ブリュッセルというのは多国籍都市なのだという。EUの本部があることでも有名だけれど、アフリカ、中東、アジアからの移民が多い欧州有数の国際都市なのだそうだ。
ただ街中にいると、それはあまり感じなかった。それはおそらく外国移民やその2世3世の多くが安い労働力でもあり、首都の中心部ではあまり目立たないからかもしれない。

5年ほど前、大規模交通ストライキの最中にパリ郊外の安いホテルに数日間、宿泊したことがある。その時、僕と一緒に夕方、苦労してパリから郊外に帰宅する、あるいは朝パリに通勤する人たちの相当数が、移民、もしくは移民の2世3世と思われる人であることに驚いた。つまり、大都会パリの労働は、生活費の安い郊外に住む移民系の人によって支えられている。

ベルギーやフランスは、帝国主義時代が終わった後の1950年代、60年台に旧植民地から安い労働力として大量の移民を受け入れている。ベルギーの場合はコンゴを植民地にしていたからコンゴ系の2世3世が多くいる。彼らは肌の色でそれとわかりやすい。現在はベルギー国民として同様の権利を保障されているのだけれど、社会の分断構造が根強く、低所得労働者が多いということだ。それが、警察はじめ国家権力や社会構造への不審となり、ベルギーでもBLMが広がるにつながっているようだ。

主人公の青年マディは、ベルギーの一般国民として、昼は学生で、夜は鍵屋として働いている。低所得で二重労働に近い状況であることが暗示されている。ただ、BLMに参加していた訳ではないし、この夜までは強い被差別意識を持っていた訳ではなさそうだ。
マディがこの夜、不運にも事件に巻き込まれて、警察に通報しようとした時に、BLMデモのニュース速報映像を観てしまった。そこでは、警察の鎮圧部隊が自分と同じ移民系住民を激しい暴力で鎮圧していた。
そこで彼は思ってしまったのだ。
「警察が僕を本当に守ってくれるのだろうか?」
「真面目なベルギー国民だけれど、黒人の僕は疑われるのでは?」
映画では描かれないが、マディは成人するまでに、差別されたと感じる経験が何度もあって、ニュースを観て、それが蘇ったのかもしれない。
国家権力を信じられないというのは、どれだけ不安で、自分の存在基盤が揺らぐことかーー。ここに対してどれだけ想像力を働かせられるかどうかで、この映画の切実さは全く変わってしまうのだと思う。

犯罪組織メンバーの背景はあまり明確に描かれないが、ネオナチ的な白人至上主義的な背景のある人物もみて取れる。ここはあんまり深読みすべきではないのかもしれないけれど、中間層の没落によって経済的に苦しむ若者が犯罪組織にいつの間にか巻き込まれた。単なる悪とは言い切れない切実な犯罪であることも見て取れるように感じた。
だからこそ、自分を巻き込んだ相手にも、マディは何か共感か思いやりのようなものを感じているのではないだろうか。「そこは戦わないと」なんてい気持ちでマディの行動にハラハラさせられる場面がいくつかある。その、同じ苦しんで生きているもの同士の共感みたいなものも、日本人の僕にちゃんと想像できているのだろうか、と考えさせられた。
だから、その共感こそが、分断を超える希望でもあるように感じさせるし、ただ同時に、それがワンナイトの幻想でもあることを描いているのかもしれない。

ジャンル映画としてハラハラドキドキ楽しめる映画であると同時に、背景にある欧州の社会情勢への興味も掻き立てられる見事なエンターテイメント作品だ。
欧州の今をちょっと調べてからみてみると、もう一歩深く楽しみ、考えさせられる映画になると思う。

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nonta

4.0ストーリーは甘々だがけっこう楽しめる

2025年10月19日
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入の鍵開け、優しい?ボス、出来過ぎの裏切りキャッチ、ラスト顛末etc、大甘とも思うけどライトに楽しめるサスペンス◎
少し間抜けなヒール陣は愛嬌あるから緊迫シーンも安心して楽しめる😆軽めの警察やデモの伏線も心地よく、深堀りしてないので好印象

ラストでジュリアは1人列車で無事みたいに描かれるのだけは違和感→絶対犯罪者側も乗ったよね~😆それより鍵屋くんの想いでキレイにまとめたかったのかなぁ

でも天下のブリュッセルで鍵開けがわずか250€、安いな😆

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JAG

3.5穴の底好き

2025年10月19日
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ブリュッセルで鍵屋をする黒人青年が、女の依頼を受けて家の鍵を開けたら、騙されてトラブルに巻き込まれる話。

鍵無くしちゃったー、先払い?お金は中に、身分証明書は財布の中だから、で鍵を開けたら、現金無いからおろしてくるねでさようならされて…。

ツッコミ無用の負の連鎖から始まって、出頭しようとしたけれど今日はそれが出来る雰囲気じゃなくて、と思っていたらヤベーヤツらの登場でこれどうしましょ(´;ω;`)

そこからのサスペンスもなかなか上手いストーリーの転がし方ですね。

最後にそんなアホなな運任せのご都合主義もありはしたけれど、最初から最後まで楽しめた。

でも、これって捕まってしまっているんですよね…!?

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Bacchus

5.0今年映画が1本しか観られないとしたら、これに賭けよう

2025年10月18日
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鑑賞方法:映画館

深夜のブリュッセル、BLMのデモが一晩中続く街中を、黒人青年マディはいつものようにペトゥラ・クラーク『La Nuit N'en Finit Plus』(夜が終わらない)をかけつつ車を回し、鍵師の仕事に勤しむ。
新たな依頼主は、クレールと名乗る若い女。家主であることを確認できないままドアを解錠したマディに、女は「机の上に身分証を置いた」と言い残し、嫌に大きなゴミ袋を持って階下へ去ってしまう。
部屋に入り机を確認するも、身分証などないじゃないかとぼやくマディ。
と、着信。電話口で女が言う、「早く逃げて、男が戻る前に」
逃げようとするも家主らしき男と鉢合わせてしまったマディは、格闘の末、男を殺してしまう。

落ち着いて証拠隠滅を図るマディだが、そこへ仲間らしき男たちが現れる。
懸命の逃走も空しく拉致されたマディ。着いた先は郊外の廃墟ビル。
暴力的な脅しをせず、軽い笑みすら浮かべながら尋問することが、余計に恐ろしさを醸し出すボスらしき男に、マディは事の経緯を説明する。
ボスは言う。「朝までに女と金が戻らなければ、お前は殺すか刑務所行きだ」

ボスの宣言通り、日が街に昇る頃、映画は決着の時を迎えるだろう・・・。

冒頭、まだ何の事件も起きていないマディの仕事ぶりを描写するシーンにおいて、短くも気持ちの良い編集リズムに乗せられ、観客はここからの90分が実に濃密な活劇的スペクタクルに満ちたものになるはずだと確信する。
BLMのシュプレヒコールを掲げるデモ隊とマディの車が交差するとき、ひょっとして、この社会運動すら作劇の中に有機的に組み込まれるかもしれない、という高望みさえ観客は期待してしまうだろう。
マディが「ママの選曲」と書かれたCDをかけてペトゥラ・クラークが流れるとき、この曲がきっと後にマディの重大な決断を促すだろう、という確かな予感を抱くが、しかし観客はその時の予感をいつの間にか忘れてしまうことだろう。
マディと共にクレールを捜索することになったギャングの二人組が車中で交わす生産性のない言い争いを見て、このギャング集団も一枚岩ではなさそうだ、と抱いた予感は、意外に早く、しかし予想外の形で回収されることになるだろう。
所変わって、ギャングのボスが家族とともに暮らす高層マンションの一室で、電話口の何者かが「気をつけろ、アルバニアの勢力からはお前を助けられない」とボスに忠告するのを目撃する瞬間、観客はこのボスすらもこの映画世界では安泰ではないのだと知り愕然とするとともに、今観ているこの映画は、ひょっとしてこちらが抱いた淡い期待を全て叶えてくれるような、期待するたびに裏切られたことでいつしか、現代映画には期待をかけるだけ損だ、と心を閉ざして劇場に向かうのが常になった、そんな忘失された期待をかけてもそれに応えるだけの度量を持った待望の映画なのかもしれないと、凝り固まった心の武装を解除されてしまうだろう。

そうなのだ、これこそ我々が待ち望んだ現代映画だ。
アラン・ギロディが、パトリシア・マズィが、(ひょっとしてポール・トーマス・アンダーソンが、)裏切ってきた我々の期待は、この映画のためのものだったのだ。
観客に提示する情報の順番を操作することでサスペンスを生み出せ。
伏線は簡潔に張り、観客の予想を一歩超える形で回収しろ。
D・W・グリフィスへの忠誠を誓い、ラスト・ミニッツ・レスキューに力の限りを尽くせ。
映画から取り除いてはいけない部分を取り除いて、それが新しさだと勘違いしている現代の多くの映画作家と評論家を名乗る聴衆に、『ナイトコール』で長編デビューを果たしたミヒール・ブランシャールは徹底的な抗戦を仕掛けた。
彼を援護するために我々ができることは、都内で唯一本作をかけている新宿武蔵野館に駆けつけることしかないのである。

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Ka!

4.5身元の分からない人の鍵開けちゃダメ

2025年10月18日
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鑑賞方法:映画館

たった一晩の出来事で、次々とトラブルに巻き込まれていくテンポの良さと、朝になったら殺されるかもしれないハラハラがすごい。
地下鉄を自転車で疾走するシーンは、『ディーバ』を彷彿とさせるカッコよさ。

主人公が黒人青年で追手が白人ってことで、以前あったBLM運動に絡めたり、鍵屋の特性を活かしたりしてて面白い。パトカーのシーンでは、思わずニヤッとしてしまった。
ラストも、今の社会の特徴を表していて良い。
夜の映画だからブリュッセルの美しい街並みは見えず、夜景は見れるものの、ロケ地がクラブと娼館なのが少々残念。

とても面白かったけど、隣の席の爺さんがトータル1時間くらいイビキかいてて、ちょっとイライラしてしまった。席運が悪かった。

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コビトカバ