「夜と朝のあいだに鍵屋は走る!」ナイトコール Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
夜と朝のあいだに鍵屋は走る!
11月13日(木)
「秒速5センチメートル」や「プレデター」に時間取られ過ぎて、公開後4週間たってやっと観られました。「ナイトコール」を新宿武蔵野館で。
鍵屋のマディは開かなくなった鍵を開ける。料金は250ユーロ(45,000円)。
車ではママのセレクトした昔の曲が入ったCD(ペトゥラ・クラーク!)を聞いている。
次の客待ちをしていると電話が鳴る。解錠依頼をして来たクレールと言う女は、財布も身分証明書も部屋の中だと言う。マディは鍵を開けてやると女はゴミを捨ててATMで金をおろして来ると部屋を出る。
待っているとクレールから電話があり「あなたもその部屋を出て」遅いよ、部屋の主の男が帰って来た。
女は大金を奪って行ったようでマディはマフィアの男に殺されそうになり、必死に反撃して男を殺してしまう。
さあ、ここから巻き込まれ劇のクライム・アクション・スリラーの「長い夜」が始まる。
カメラは小気味良く動き、5秒以上静止する事はないような短いカットで繋がれた映像はテンポが良く、逃げる、追うのスピード感を増幅している。
マフィアのボスはマディに明日の朝までに女を捜して金を取り戻すように要求する。
マフィアの手下と女を捜すうちに、マディは手下の中に裏切り者がいて女は彼の妹だと知る。ブラック・ライブズ・マターのデモで混乱する夜のブリュッセルの街中で、逃げるマディ、追うマフィア。マディは金を取り戻せるのか?
マフィアと警察の追撃をかわしてマディは走る。脚で、自転車で、車で。
中々のスピード感で多少御都合主義な展開に目をつぶれば結構面白く観られる。
最後にマディが駅に向かうのは、テオに殺されそうになった時に隠して助けてくれた恩返し?それとも目の前で兄のテオを殺された負い目か?
マディは銃も持っていないのに衆人環視の中で警官に撃たれたからBLMの流れから助かるのだろう。あの金はどうなるのかな。その辺りをラストでビシっと決めてくれたらもう星半分だった。
エンドロールに流れるペトゥラ・クラークの歌の歌詞を最後まで字幕を出してくれたのが良かった。マディの心情を歌ったような歌詞だったから(星加久実さんありがとう)。
エンドロールに流れる歌の歌詞にちゃんと字幕は出して欲しいな。出ない(出さない)時もあるから。
なお、映画.comのデータでは上映時間が90分となっているが、97分の間違いである。
わぉ、そうだったんですね、曲のタイトル、知りませんでした! なんかの暗号かと思いました。カタブツで生徒思いでジェントルマンのアーサーと、歌姫が大恋愛して結婚したのに(;_;)
かばこさんへ
「アポロ」は、「チップス先生さようなら」の中でペトゥラ・クラークが唄った歌です。
アポロ、貴方は歌の神。ミスターチップスが教えてくれた。彼は間違わない。アポロ、これは愛かしら?
この後、キャサリンはミスターチップスと結婚します。

