劇場公開日 2025年10月17日

「夜は決して終わらない」ナイトコール アントニオ3世さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 夜は決して終わらない

2025年10月26日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

驚く

黒人の青年マディは、学生をしながら鍵屋で生計を立てている。
ある夜、若い女性クレールからアパートの入り口の鍵を開けて欲しいという依頼を受け、マディはドアを解錠する…。

見終えた後、「んー」となった。
なかなか良質なクライムアクション映画だったんだけど、ベルギーのアカデミー賞と言われているマグリット賞で10部門に輝く程なのか…。劇中気になっていた事を少し調べてみた。

序盤、終盤にイギリス人歌手ペトゥラ・クラークの「La nuit n'en finit plus」が流れます。
彼女は9歳から歌手活動を始め、1960年代にイギリスの国民的アイドルになった人物のようです。
アイドルとして言われるがままにマイクやカメラの前に立ち続ける彼女でしたが、国民の求める偶像と自身とのギャップに苦しみ次第に歌う事への興味を失っていきます。
そんな折、仕事で訪れたフランスで運命的な男性と出会い、結婚し活動の拠点もフランスへと移行。
そしてタイトルも歌詞もフランス語の「La nuit n'en finit plus」を発表し、フランスのみならずフランス語が公用語の1つであるベルギーでも彼女は親しまれる存在になっていった様です。

歌詞の内容は闇の中、暗い底にいる人間の心情。
物語の背景の1つである「Black Lives Matter」のデモ。主人公マディ、ヒロインのクレア、クレアの兄のテオ。
3人の人生と、ペトゥラ・クラークの人生、「La nuit n'en finit plus」が完璧に交差している。

調べてえがった。
評価がガラリと変わりました。

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アントニオ3世