ナイトコールのレビュー・感想・評価
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暴力、過激シーンあり。突っ込み所もあり。
映画の宣伝で「一本の電話が彼の人生を変えてしまう」と書いてありそうか、電話が、、と思って観たが英語のNight call,日本語がそこからナイトコール。原題のLa nuit se traîneのほうが内容に合っている(それはそうだ)。
主人公が鍵を開けて暴力沙汰、事件に巻き込まれてしまう。マフィアの男と逃亡劇、アクションを繰り広げるのは見応えがあった。ただ暴力、殺人シーンが激しい部分が見るに堪えない。
ブラック・ライヴズ・マターのデモと絡んでいくのが深みのあるストーリーになっていた。突っ込み所(登場人物の隙)は、そもそも鍵を開ける前にその部屋の居住者か身元を確認しようと試みるが女にうやむやにされ逃げられた事。部屋の中に身分証があると言われて開けたが最低限、開けたと同時に取り押さえないと。結局そこからとんでもない事になるというストーリーだから仕方ないのか。主人公の隙のある部分。条件に沿わない仕事は断るべきであった。また、料金を前払いというのも逃げられている。女(クレール)はあんな大金を盗もうという時には嘘の身分証と料金くらい用意しておけば良かったのではないか?そうしたら部屋を見せることもなくマディを巻き込むことなく(マディとマフィアが女を探すに至るところからテオが共犯とバレたのだから)、結果時間稼ぎができて兄と高跳びに成功していただろう。これがクレールの隙。テオの隙は女とさっさと逃げるべき所をわざわざ戻ってマディを〇そうとし追いかけまくる。これがテオの仕返しをしようという感情とアクションシーンの為なんだろうが、翌朝とか言ってないで即逃亡すべきところを結果〇されてしまって、、、。マフィアのボスは女と金を取り戻すまでマディを監禁しておけば良かっただろう。そのほうがマディが暴走することもなくお互い安全であった。でもそれではストーリーが成り立たないのか。
めちゃ面白かった! これぞ手に汗握るってやつ。 やっぱ日常と直ぐ側...
スマートな良作、少しシンプル過ぎる90分。
小粋でスマートなイカした導入部から、鍵屋の青年とキーマンとなる依頼者の女とのこれまた小粋なイカした会話、そして一転、物語が走り出す。
ムード満載、傑作の予感。
とても良く作り込まれ、無駄なく緊張感を持続させたまま90分を走り抜ける。
私の大好きなジョン・ランディス「眠れぬ夜のために」の空気感も感じさせる好きな作品だ。
ただ本当にシンプルで作品自体が小さく感じてしまうのが惜しく感じる。
銃撃やカーチェイスもあるが派手さは抑えられており、目を引くのが自転車による逃走シーンぐらいの徹底した抑制ぶりだ。
せめてデモに紛れての追跡シーンぐらいは派手な演出をしても良かったのではと思う。
最後の行動は主人公の人間性のみが動機なので、クライマックスをより盛り上げるには、女に対して彼の感情が揺れる何かのワンエピソードがあっても良かったかも知れない。
派手な大作ばかりでなく、この手の小粒だが洒落た映画が増えることを願いたい。
シンプルな逃走劇として楽しんだ
自宅のアパートの鍵を開けるよう頼まれた鍵屋のマディが強盗に加担したと疑われ拉致されるという始まり。
鍵屋としての脇の甘さが気になったり、拉致してきた奴らの正体が不明だったり、マディの優しすぎるところなんかがモヤモヤしたりするが、総じて面白かった。盗まれた金と犯人を探すというシンプルな目的で、あの組織の正体をあまり明らかにしないままだからスリリングに感じたのかもしれない。
走って逃げるだけかと思っていたら、自転車に乗ったり、車を走らせたりと手法を変えてくる。逃走劇としても飽きない作り。鍵屋、「ブラック・ライブズ・マター」のデモといった設定もいいアクセントになっていてよかった。
上映時間が短めだし、登場人物の作り込みは浅いけど、街中を逃げていくマディを観ているだけで十分楽しめる映画だった。流れていたあの曲、いい曲だったな。
心臓に悪いやつ
ブリュッセル住民の75%が外国ルーツらしい
レビューに釣られて観に行きました😏
魅力なきファム・ファタール
一言で言えば、この女の愚かな行動のせいで、1人の青年の人生が狂い、兄は死に、弱小マフィア(?)がつぶれたという話。よくある巻き込まれ型だが、ミヒール・ブランシャール監督はカーアクションやブラック・ライヴズ・マターやなんやかんや盛り込んでくる。フィルムノアールからアクション満載のサバイバルまで、ジャンルを意欲的に融合させたと、パンフレットには書いてあるが、監督、長編デビュー作なら限定した方がいいよ。アクションにしては水曜ロードショーでやってたハリウッド映画みたいだし、フィルムノアールに関しては、運命の女が全然ダメ。扱いも雑だし。主人公がラスト近くに命をかけてまで救おうとしたことに全然共感できない。オーディションに1年ぐらいかけたらしいが、監督何を見てたん。監督自身「キャスティングが演出の80%を占める」と言っているのに、もう。それから、主人公のふたりに言っとく、過去に何があったか知らないが、兄がマフィアの一員や誤って人を殺めた時は警察に言う。マフィアの金を盗むことでも犯行現場に戻ることでもないよ。これで、何か賞をもらったみたいだが、今のところ、ベルギーはチョコレートだけでいいかなあ。
シネフィル向け(だって上映してる劇場数も上映回数も上映期間もレビュー数だって少な過ぎ)
自称シネフィルと勝手に言っていたので、やはりこの映画は観なくてはいけないと想い鑑賞。 県内で上映している劇場が2店舗しか無く…田舎の映画館の平日(上映最後の週の)の夜の回だった為(僅か2週上映で終わってしまうとは⁈)私だけの貸切かと思われたが蓋を開けて見れば、、、な、なんと私の他に5名も観客がいるではないか‼︎ これは正しく全員シネフィル(ある意味映画気狂い)でもあるかも知れない…。。(だって全員1人でポップコーン等のお菓子は無く…映画鑑賞一筋の強者達であるから。。)
鑑賞した感想は意外にも面白かった‼︎ 流石に映画祭で賞を受賞しただけはある。テンポも速く演出や物語りの繋ぎも上手いがひとつだけ納得行かなかったのは、やはりあの妹が、兄が来た時に主人公を庇う場面である。あれだけ兄妹想いであれば兄を裏切る事は無いのでは⁈と思う⁇ その部分がどうしても納得行かなかった……。。特に主人公が尋問の時に彼女の拳を叩いておいて、、それを許すだろうか⁈(彼女が犯罪に巻き込んだとは言え⁉︎)でも其れがあったから…彼は最後助けたのだが…。。 ちょっとネ⁈
この夜が起点となって、ブリュッセルは更なるBLM運動の熱に焦がれていく
2025.10.28 字幕 アップリンク京都
2024年のベルギー&フランス合作の映画(90分、G)
ある部屋の鍵を開けたことでトラブルに巻き込まれる青年を描いたスリラー映画
監督&脚本はミヒール・ブランシャール
原題は『La nuit se traîne』で「長く感じられる夜」、英題は『Night Call』で「夜の叫び声」という意味
物語の舞台は、2020年頃のベルギー・ブリュッセル
鍵屋でアルバイトをしている大学生のマディ(ジョナサン・フェルトレ)は、高級アパートの依頼を終えて休憩を取っていた
そこにクレール(ナターシャ・クリエフ)という若い女から依頼が入った
マディは彼女の指定する部屋へと向かい、彼女の言う通りに鍵を開けることになった
規定では身分証の提示と前金の予定だったが、クレールは財布は家の中にあると言い、マディは仕方なく先に鍵を開けることになった
中に入ったクレールは前金も身分証も後回しにして、ゴミ袋を取り出してどこかに行ってしまった
マディは身分証を確認するために部屋に入るもののどこにも見つからず、そうこうしているうちに見知らぬ男(マルコ・マース)が入ってきてしまう
男はサンドバッグから金が抜き取られていることを確認すると、有無を言わせずにマディに殴りかかった
マディは応戦せざるを得なくなり、やむを得ず、商売道具のドライバーで相手の首元を刺して殺してしまった
さらにその部屋に複数の男がやってきて、マディは隙をついて逃げるものの、逃走中に事故を起こしてしまい、男たちに捕まってしまうのである
物語は、マディが金の持ち主ヤニック(ロマン・デュリス)と対面し、起こったことを説明する様子が描かれていく
マディの証言を信用したヤニックは、彼の言う特徴を持つ女を探しに娼館のジーナ(クレール・ボドソン)の元を訪れる
だが、女を捜索している間に、マディがテオ(ジョナ・ブロケ)と何者かの会話を聞いてしまう
どうやらクレールとテオは繋がっているようで、一連の騒ぎはテオが主導となっていた
話を聞かれたことに気づいたテオは、マディの口をどのようにして封じるかを目論見始めるのである
映画は、早い段階でマディの状況を示し、解決策と深みへのハマり具合と言うものを描いていく
ヤニックのセリフをそのままクレールに引用して恥をかくなどの小ネタもありつつ、スリラーだけに留まらない要素を入れていた
一夜で起こったことを描いているので無駄がなく、間延びすることもなく、マディを取り巻くキャラも特徴的で見分けがつきやすかった
ヤニックに謀反がバレて困るテオの動きが小さくなると、代わりにレミ(トマ・ミュスタン)が暴れる展開になっていくのは面白い
最終的にマディの物的証拠によって解放されるのだが、一度自分を助けてくれたクレールを見殺しにはできなかった
そこで北駅へ向かったクレールを追って、その危険を知らせに行くことになったのである
ヤニックはブリュッセルのBLM運動の起点となった人物殺害に関係していて、テオが奪った金はその解決に使われるものだったことが示唆されている
翌朝にはどこかに届ける必要があり、それが期限となっていたが、クレールがアムステルダム行きの列車に乗ったことで、ヤニックの目論見は破綻してしまう
マディがどうなったのかはわからないが、衆人環視の中で白人警官が黒人青年を撃ったことで、BLM運動がさらに過激になってしまうのだろう
映画ではその背景が描かれていて、それゆえにマディの身柄は安全なところに移されるのではと予見できる
もっとも銃撃されたことで命がどうかと言うのはわからないのだが、この事件は別の思惑とともに取り上げられ、マディが無事だったとしても、さらなる渦中に放り込まれるのは間違いないのだろう
いずれにせよ、BLM運動について知っていないとラストのオチが分かりにくいのだが、映画内でほぼ説明されているので問題ないと思う
サミー・ノバと言う人物がブリュッセルで殺されたことに起因している運動のようで、それにヤニックが関わっていたことがわかればOKなのだろう
マディが黒人であることにも意味があり、BLM運動の最中なのに衆目の前で射撃をすると言う状況になってしまうところにシナリオの骨子があるように感じた
それゆえにBLM運動に関する知識がないとラストの深みがわかりにくいのかな、と思った
夜は決して終わらない
黒人の青年マディは、学生をしながら鍵屋で生計を立てている。
ある夜、若い女性クレールからアパートの入り口の鍵を開けて欲しいという依頼を受け、マディはドアを解錠する…。
見終えた後、「んー」となった。
なかなか良質なクライムアクション映画だったんだけど、ベルギーのアカデミー賞と言われているマグリット賞で10部門に輝く程なのか…。劇中気になっていた事を少し調べてみた。
序盤、終盤にイギリス人歌手ペトゥラ・クラークの「La nuit n'en finit plus」が流れます。
彼女は9歳から歌手活動を始め、1960年代にイギリスの国民的アイドルになった人物のようです。
アイドルとして言われるがままにマイクやカメラの前に立ち続ける彼女でしたが、国民の求める偶像と自身とのギャップに苦しみ次第に歌う事への興味を失っていきます。
そんな折、仕事で訪れたフランスで運命的な男性と出会い、結婚し活動の拠点もフランスへと移行。
そしてタイトルも歌詞もフランス語の「La nuit n'en finit plus」を発表し、フランスのみならずフランス語が公用語の1つであるベルギーでも彼女は親しまれる存在になっていった様です。
歌詞の内容は闇の中、暗い底にいる人間の心情。
物語の背景の1つである「Black Lives Matter」のデモ。主人公マディ、ヒロインのクレア、クレアの兄のテオ。
3人の人生と、ペトゥラ・クラークの人生、「La nuit n'en finit plus」が完璧に交差している。
調べてえがった。
評価がガラリと変わりました。
結末が
派手さはないがキラリと光るクライムサスペンス
カッコいいポスターのクライムサスペンス。このポスターにはワケがある。ベルギーの映画で知ってる俳優がいないから。でもベルギーのアカデミー賞で複数部門とった話題作ということで観に行った。
最近はインド映画も人気だけど、あまり馴染みのない国のコンテンツに触れることは、何かしらの発見がありとても楽しい。今作もブラック・ライヴズ・マターのデモシーンがあり、あのアクションがアメリカだけじゃないと気付かされた。
映画は24時間ひとりで鍵の紛失などのトラブルに対応する鍵屋の黒人青年の話。いつもは、トラブルを解決して感謝される仕事なのに、とんでもないトラブルに巻き込まれる。
さりげないセリフで、彼の普段の生活や周囲の人々との関係性を伝える語り口がうまい。このことが彼がどう考えてトラブルを切り抜けるのか観客に想像させ、物語に引き込まれる。
ラストの着地もエンタメ映画のように終わりよければ全て良しということではなく、きっちり主人公の人間性の発露に落とし込むところが素晴らしい。
配給は、スターキャット。東京在住のボクは知らなかったけど、名古屋の会社で元々プロバイダーから創業し、今はケーブルテレビや映画館運営など幅広く手がけ、年に何本か配給や配信も行ってる様子。
今年は「愛を耕す人」なども配給されたとのことで、こういう派手さはないがいい映画を観ることができて感謝しかない。今後も楽しみにしております。
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