WEAPONS ウェポンズのレビュー・感想・評価
全258件中、101~120件目を表示
後味はあっさり、そして考察の時間が欲しい🩸
今年度アメリカで最も観客スコアが高かったホラー映画【ウェポンズ】
確かにめちゃくちゃ面白かったけど、
昨今はアメコミ映画に出る俳優が多過ぎて
"サノスとシルバーサーファーが話してる時にアラレちゃん走りをするウォンに襲われる"
という構図にしかみえない😭笑
物語の途中で、『あっ、そう言う感じね』と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、それはそれで楽しもうぜ!
日本のホラーとアメリカのホラーでは表現の仕方が違うのでね。
やっぱりホラー映画の醍醐味は不条理に尽きる。
登場人物の背景や、犯人などの背景を説明し過ぎないホラーが良いホラー!
オススメします!
ドリフかと思った
久しぶりのアメリカンホラー。期待を込めて鑑賞した。なぜ子供達が消えたのかというのは、まあまあ納得出たけど、そもそもあの伯母さんの奇妙な呪い?はどこからきたのか。ホラーなのでそこは細かく描かなくてもいいのかもしれないけど、私はそこも少し知りたかったかな〜。
でも、けっこう楽しめたし、クライマックスはそうなるわな〜という感じで描いてくれてた。でも、子供達が伯母さんを追いかけるシーンはコント?かと思った(笑)実際に客先からも笑い声聞こえたし…そのあとは衝撃的、いやいや叔母さんからしたら因果応報でしょ。ということでまあ良しとします。
オチがわかってしまうと……
ミステリーものにありがちな、物語の一番奥にある謎や真相がわかってしまうと「なーんだ、そんな事か」と思ってしまうタイプの映画、ではある。
けれど、真相に行き着くまでの映画としての語り口は非常に好みだった。一つの事件を様々な人間達と少しズレた時間軸で見せていく、という手法は実に日本人好みなのでは、と思った。最近だと「怪物」とか。
ただ残念なのは、「通好みな構成とストーリーテリング」なのにオチは「通が嫌うベタなヤツ」というちぐはぐ感。観た人によっては「オチ以外は好き! オチ以外は!」となりそう。
大人達が自分たちの仕事や体面のせいで真相に向かう道筋を見失ってしまっている中、無視されてしまった子供が全ての真相を知っていた、というのはありがちだが見せ方が上手かった。
ホラーとしては王道で、無力な子供が出てきたり一つの街が舞台になるのはスティーブン・キングっぽさを感じた。
自分はベタも好きだし、何より物語構成も評価したい。
(恐らくR18になった理由であろう)トドメの超ゴア表現はカタルシスを感じられて良かった。
ゾンビじゃないけど
期待度◎鑑賞後の満足度○ クライマックスでコメディに豹変する珍しいホラー。というか初めからコメディだった?冒頭のナレーションから何かとぼけていたし、
①最後まで面白く観させて貰ったが、鑑賞後は「な~んだ」という感じ。魔女ものでした(でも何故か懐かしい)。
②話の語り口は面白い。ただ、不気怖さを醸し出す為か所々思わせぶりな嚇し描写があり回収されないので後で思い返しても??
③夜の場面はリアルさを出すためだろうか暗くてよく見えないシーンが多い。恐怖感を醸し出す為なんだろうけれどよく見えなくて段々イライラ感が募っていく。
④ババアが誰かに似ているとずっと思っていたら、ラストクレジットを観てビックリ。エイミー・まマディガンだったとは。『フィールド・オブ・ドリームズ』の気丈な奥さん役がとても印象的で、そうかと思うと『プレイス・イン・ザ・ハート』では不倫妻も演じ分けて若手演技派として好きな女優さんだったけれども。
ベティ・ディビスの後継者たらんとしているのかしら。
令和版『妖婆の家』でした。
謎解きを楽しむ映画.....
....ではありません。
「小さな町の小学校の同じクラスの17名の子供たちが全く同じ時刻に一斉に突然家から飛び出し行方不明になるという謎から始まる物語」という本作の謳い文句を聞かされると大抵の映画好きはこの映画を見たくなるだろう。
では「少年アレックスの家にある日引き取られた大叔母が実は魔女であり、黒魔術により子供たちを操り、ほかの大人たちをも操って秘かに街を恐怖に陥れる物語」と聞かされてどれだけの人がこの映画を見たいと思うだろうか。
本作は種明かしをすればそういうありふれたオーソドックスなスリラー映画だ。そういう使い古されたストーリーを例えば時間軸をバラバラにして構成を工夫したり、複数の登場人物の視点で各章立てにして見せることでミステリー色を強めたりする手法は今までも多く作られてきた。有名どころではタランティーノの「パルプフィクション」や最近では「ストレンジダーリン」、古典的名作「羅生門」などなど。
一つの出来事を時間軸を変えたり、神の視点を排除して各人物の視点で見せることで観客も当事者とシンクロして一体何が起きてるのかわからずそのミステリーに否応なくひきこまれる。本作もそういう手法でとても食指が動かないような内容の作品を斬新なミステリーに仕上げたかのような作品。
正直鑑賞までが一番楽しめた。確かに異常な事態が街で起きていてそれを当事者目線で見せられるわけだから当事者たちともども何が起きてるのかまるで分らない。伏線があちこちに張りめぐらされてるわけでもないから謎解きを楽しんだり、またそれによりミスリードされて真相が判明するときのどんでん返しを楽しむこともできない。
途中でそういう映画ではないのだと気づいてからは思考を巡らせながら鑑賞するのも止めてしまった。そして真相までがとにかく引っ張りすぎで果たしてこの登場人物目線で各章立てで見せたこの手法が本作でそこまで効果的だったのかさえ疑問に感じるほど。
本作のうたい文句を聞けば誰でも何者かによる洗脳やらマインドコントロールが行われているのだと容易に想像がつく。その首謀者は何者なのか、動機は何なのか、というのが本作で注目される謎なんだろうが、タイトルの「ウェポンズ」から軍による秘密実験はたまた悪魔崇拝者たちによる怪しげな儀式により人々が操られてるのか。軍事利用のための洗脳実験みたいな感じという予想は裏切られた。それ以上にベタなオチ。
本作はまさに後者のパターン。それもまさか魔女による黒魔術というあまりにもベタなアイデア。
このあまりにありふれた真相と真相が判明してからが長くて正直クライマックスは追っかけっことゴア描写以外特に見るものもない映画だった。前作の「バーバリアン」が意外に面白かったので期待しての鑑賞だったけどかなりの期待外れだった。
本作はそのうたい文句で多くの観客を劇場まで引き寄せた、そのマインドコントロールの巧みさがお見事な作品だった。
ホラーと少々のブラックユーモア
観る人によっては「高評価されすぎ」と言われるような映画。ただ、私は高く評価しています。今まであるようで誰も手を出してなく、「ハーメルンの笛吹き男」と似たようで全く違うストーリ展開。米国ではIMAX上映もあったようですが、配給会社は「この手の映画では日本ではIMAXでの客入りは少ない」と判断したようで、上映館数もやや限定的なのが非常に残念。撮影技術、音響デザイン、各俳優の演技で独特のトーンを保ち恐怖を掻き立てているのに成功してると思います。
…余談ですが、ふっと思いました。ディズニーとMCUへの当てつけかと思えるような主要なキャスティング…WBスタジオ映画だけど、MCUで活躍した俳優さんが(ある意味)ライバルスタジオの映画にメインで出てるのはいいですね。
ジョシュ・ブローリン→サノス(インフィニティ・ウォー)ケーブル(デッドプール2)
ジュリア・ガーナー→シルバーサーファー(ファンタスティック4 ファースト・ステップ)
ベネディクト・ウォン→ウォン(Dr・ストレンジ)
ホラー版マグノリア
外の世界のことを一切忘れられるぐらいに、没入感のある映画でした。
特に最初のナレーションの下りが、ポールトーマスアンダーソンのマグノリアにスティーブンキングの要素をひと振りしたような、絶妙な塩梅。
予告編では「クラスの全員が消えた」としておきながら、実は「ひとりを除いて」とナレーションが被り、さらに期待を高める構成で、これも見事でした。
キャラクターもひとりひとり濃口の性格が与えられていて、キャスティングも見事です。
担任のジャスティン役には「オザークへようこそ」の跳ねっ返り娘だったジュリアガーナー。最初はしおらしかった彼女がストレスに耐えかねて甲高い声を張り上げる場面では、オザーク節が残っており懐かしくなりました。
被害生徒の父であるアーチャー役は「ノーカントリー」のネコババオヤジ、ジョシュブローリン。本作では、行動力がある上に頭の切れるガテン系という、もう実生活がそれでも不思議じゃないぐらいのはまり役でした。
校長先生のマーカス役は「ブラックミラー」の殺意の追跡で役人タイプの警察官を演じていたベネディクトウォン。殺意の追跡のネタバレになるので何も書けませんが、常に同じ体格で同じ表情をしているのに、この人は何をさせても上手いです。
こんな達者なキャストが、一貫した映像美の中フルパワーでキャラクターを演じるわけで、その熱量はすさまじいものがありました。
奇抜なストーリーも、この監督だからこそ。
キャラクターごとに章が分かれており、そのカメラの寄り方は一人称的です。
違う視点だと行動が異なるのも面白いです。例えばジャスティンとポールがバーで落ち合う場面では、ジャスティン目線だとポールがカウンターに座る彼女の前に来るのが、ポール視点だとジャスティンが立ち上がって迎え入れていたり、それぞれの視点でお互いの行動が微妙に違います。
そんな中、時折カメラが三人称目線に切り替わるときがあり、私の目にはこれが不気味に映りました。例えば、ジャスティンが眠っている間に髪を切られる場面は、ジャスティン本人は意識がないので、一人称では描写できないはずです。
各々の主観すら捉えている上位の存在がいるとすれば、それはナレーション役の少女ぐらいです。クレジットでは「Narrator」と書かれていましたが、ナレーションに被るサントラはタイトルが「Maddie」となっているので、これが本名な感じがします。
そんな彼女は、消えた子供のことを語るときにはっきりと「They never came back.」と言っています。
しかし最後には、子供は親の元へ返ってきます。本来の人格を取り戻せなかったという意味の「戻ってこなかった」の可能性もありますが、ここは最初と最後で矛盾しているようにも思えました。
他にも、なんとなく設定がぶれている場面があります。
例えば、アレックスがキメた呪い返しでは、子供たちがナルト走りではなく両手を振って全力疾走していますし、同じ呪いを食らったマーカスは、まず真っ黒なおゲボを吐き散らかすというギミックつきでした。
設定が雑なのかというと全てがそうではなく、悪役MVPグラディスおばさんはどんどん地毛が増えていって、最後はウィッグが要らなくなっているので、生気吸い取りによるアンチエイジング効果の描写は、なかなかの細かさです。
こういうディテールの濃淡というか一貫性のなさには、どことなく子供っぽさを感じました。ナレーターの少女が思いつきで辻褄を合わせながら話すのを聞かされているようで、一人称の揺らぎも相まって、観た映像の何が本当なのか分からなくなってきます。
ただ、この町では2年前に『何か』があって、クラスの子供たちが二度と口を聞けないぐらいの傷を心に負った。それは確かなのだと思います。
そして、本編全てがそのトラウマを封じるために子供が考えた『お話』で、大人である私たちがお金を払って観ている。そう考えても、あまり違和感がない気がしました。
そういう前提で思い返すと、子供の想像力で描かれる劇中の大人たちは身勝手で、かなりグロテスクに描写されています。
結構、冷静な目で見られているんだなと。
必見の快作
鑑賞料金がお得な日とはいえ、新宿ピカデリーの小劇場は平日なのに満席。
みんな物好きだなあ、って俺もか。
しかし、大勢の子ども達が行方不明になったストーリーで何故「WEAPONS 」?
それは見進めるうちに分かってくる。
いやもう、超絶スリリングな作品だった。
始めから終わりまでドキドキが止まらん!
これから見る方は最大限、事前情報を廃して鑑賞することをおすすめするが、許される範囲で1点だけお伝えしたい。本作はミステリーでも心理サスペンスでもなく「ホラー映画」だということ。この認識は重要だと思う。
ジャンルはなんであれ、今年最も惹き込まれた作品。
ラストのカタルシスも素晴らしい!
【追記】
ジョシュ・ブローリン、相変わらずの安定感。
ジュリア・ガーナー、FF4でもそうだったが「困り顔」では業界随一ではないか。内面の複雑さを人間的に演じながら、堂々たるメジャー感もある。今後の新作も楽しみだ。
楽しみましたけど、ちょっと惜しい
頭の中で「キーン!!」がこだまする
平日夕方の鑑賞でしたが、まさかの満席!!
それだけ口コミ等で話題が広がっている証拠でしょう。
鑑賞前には予告を観て「なぜ子供たちの失踪事件なのにタイトルが『ウェポンズ』なのか?」と疑問に思っていましたが、途中であっさり理由が判明します笑 ネタバレになるので書きませんが、この映画はやはり予備知識を一切入れずに鑑賞するほうが良いと思いますね。
話の流れや悪役の存在も予想とは違っていたし、個人的には恐怖よりも驚きや笑いのほうが上回った気がします。
直接関係はないですが、上映中何度も拝ませられるあの走りには世代的にアラレちゃんの「キーン!!」が何度も何度も頭の中を駆け巡りました。最後には失踪事件じゃなくて実は疾走事件なのか?!と思ったほどです。
児童式ホーミングミサイル
本国アメリカで大ヒットの映画が日本上陸! よくもこんな脚本を書くな...
本国アメリカで大ヒットの映画が日本上陸!
よくもこんな脚本を書くなぁ。
と、感心。
よく映像化したなぁ。
と、感心。
福岡では珍しく満席に近い状態で両隣の席まで埋まっている。最前列なのに。
夜空に浮かぶアサルトライフルなんか、中々シュールな演出もありつつ、笑えるくらいに先が読めない。観てて「おっ!どうなる?」といいタイミングで他者の視点に変わる。最後まで面白い演出。
『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984)のマッコイ役のエイミー・マディガンが出てると事前に分かっていたが、観終わるまで忘れていた。
思わず…
様々な視点から17人の子供が同時に消えた事件を描くミステリーホラー映画。
グイグイ引き込まれだんだんと明らかになる真相。
ホラー映画なら子供が悲惨な目に遭うのは禁じ手だけど逆なら大丈夫か。
ジャンプスケアが何回も仕込まれなかなか題名の意味がわからずにいたけど、なるほどなと。
黒沢清みたいな描き方もあり、最後にはとりあえず解決?もありと珍しい作品。
クライマックスの疾走感には笑ってしまった。
もう二度とホラー観たいなんて言いません(反省)
予告とポスターで観てみたいと思ったから珍しく自発的に挑んだホラー映画。……しかし結果は敢え無く撃沈。怖かったぁぁぁぁぁ
物語の起承転結の『起』にあたる部分がポスターでほぼ示されてるから一気に不穏な空気にダイブイン!あたしみたいなホラー初心者には助走タイムが必要なのにそれがなくとにかくずっとハラハラドキドキしてて。そこにジャンプスケアも噛ませてくるから心臓が壊れるかと思った。
途中、防衛本能が働くことともしばしば。しかし、ストーリーの展開は気になるため事前に同行者に“寝てたら起こして”と頼んでおいたおかげで強制終了と再起動を繰り返し、いろんなものが飽和状態に。途中で恐怖の時間があまりに長く続くからスリープモードに意図的に入ろうとも思ったけど、やはり展開が気になる。
そんなあたしでも最後は爆笑の連続に見舞われるような展開もあり、恐怖体験としてはなんとか無事に終了したけど、やっぱりもう自発的にドキハラするホラーはやめとこ……
(余談)
一番好きなのはマーカス校長💜
丑三つ時のナルト走りで鮮烈なスタートダッシュから、爆笑のラストへ
ワーナー ブラザース ジャパン最後の洋画配給作品と銘打たれた作品。しかし出来としては「まあまあ」の本作が掉尾を飾るというのは、いささか寂しい気がしないでもない。一足先に劇場公開された『ファイナル・デッドブラッド』の方が、ホラーという内容はさておき、同社の人気シリーズだったという点でその任にふさわしかったようにも思える。いや、いっそのこと、昨年配信スルーされたイーストウッド監督の『陪審員2番』こそ、限定公開でいいからマトモな劇場スクリーンで観せてほしかった。今さら罪滅ぼしみたいに都内/都下の地域おこしイベントなんかでひっそり上映してないで…。
そんなイチ映画ファンの戯言はさておき、本作は冒頭からいきなり、丑三つ時の「ナルト走り」で鮮烈なスタートダッシュを切る。で、そのあとは『パルプ・フィクション』のような非線形構造の章立てをとって観客の興味を引っ張る。登場人物や時制など複数の切り口によって謎のヴェールが一枚一枚剥がされ、やがて全編を貫く一つの真相が見えてくる、といった趣向だ。今年の劇場公開作でいうと、『ストレンジ・ダーリン』なんかがテイスト的にやや近いだろうか。
そういえば、本作でエイミー・マディガン(撮影当時73歳)がグラディス叔母さんの役を演じていることも、『ストレンジ・ダーリン』にキャスティングされていたバーバラ・ハーシー(撮影当時74歳)を思い出させる。やはり両作品には相通ずるものがありそうだ。
そのエイミー・マディガンだが、本作では時折『IT/イット』のペニーワイズみたいな表情ものぞかせたりして、なかなかの怪演である。といっても、彼女の実生活での夫であり、『愛はステロイド』ではカブトムシを生きたまま食べていたエド・ハリスに比べたら、まだまだ控えめで大人しいが(笑)。
そのほか出演者関連で気になったエピソードは、ジュリア・ガーナーとジョシュ・ブローリンがそれぞれ見る悪夢。あれは一体何なのか。いずれも「ココから夢ですよ」と分かるように描かれるから、ジャンプスケアのオチにも驚きがない。ことにジュリア・ガーナーのそれは「何を今さら」といった感じだ。『ボーはおそれている』での浴室の天井貼り付きオジサンを見ていれば、もはやアレを超える衝撃(というか笑撃?)などないだろうに。
そのかたわら、彼女は本作でピーラーの「新しい使い方」も披露してくれるが、しかしそんなチマチマした反撃では埒が明かないだろ、と突っ込みたくもなる。
かたやジョシュ・ブローリンは、さすがサノスだけに易々と人を投げ飛ばして頼もしさをアピールするが、その彼がマッチ棒みたいなガーナー嬢をポキリとへし折れないのはなぜだ。また、彼がやおら地図に書き込む赤線の理屈もよく理解できない。でも最後までジュリア・ガーナーや他人の子どもたちの安否など微塵も顧みず、我が子の無事だけを乞い願うあたりはなかなかよい。
そんなこんなの本作ではあるが、人間がもつ善悪どっちつかずの曖昧さや日常生活に潜む匿名的な悪意を描いた前半は、どこか黒沢清監督のJホラーに似てなくもない。ただし同監督の『Cloud クラウド』ほどの凄味はなく、冗長に感じられるシーンも多い。また、怪奇現象の種明かしをしてみせる後半も、ジョーダン・ピール作品のような予想の斜め上をいく展開や深い社会性が用意されているわけではない。「なぁんだ」といった類いのオチが明かされるだけだ。
それでも、ジュリア・ガーナーが自家用車で逃走すると、それを追って人が「ナルト走り」で車道を爆走するあたりから、恐怖より可笑しみの方がじりじりせり上がってくる。監督の意図したところかどうかは定かでないが。しかしこうなると、キャンベルスープ缶で「生育」しているシーンまでいちいち可笑しい。
そしてクライマックス。住宅の窓ガラスやドア、垣根などを豪快に突き破ってみせるデッドヒートは、半ばキートンのサイレント・コメディと化す。自宅の芝刈りをしていた住人が怒涛のチェイスを茫然と見送るシーンなど、『デス・プルーフ in グラインドハウス』の一場面——画面奥で展開されるカーチェイスを差し置いて、画面手前では牛がのどかに草をはんでいるショット——を彷彿とさせる。これはもう笑うしかない。突き破ったドアのすき間から覗く母親の形相も『シャイニング』を通り越してジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』になっちゃってるし。
ただ惜しむらくは、本作の象徴的な「ナルト走り」をラストまで貫き通さなかったこと。なにか事情があったのだろうとは察するが、それでも詰めの甘さは拭い切れない。ここが「出来としてまあまあ」の印象につながったイチバンの理由だ。
Dr.スランプ+黒魔術
=人気あるように見せかけた普通作品。
走っていく方向を直線で結んだ線が、
アレックスの家なのにも関わらず、
17人が道路を曲がりながら集まってくる時点で
底がしれた気がする。
前半1/3の導入と、ラストの犯人がXXXXされる所はまぁまぁかな。
映画の日でなければ2.5かなと思う。
全258件中、101~120件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。









