「魔女」WEAPONS ウェポンズ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
魔女
なんか怖い物がいっぱい詰まってた。
老婆(だいぶイカれてる)
子供の失踪
黒魔術?
半狂乱の人々
というか、理不尽な事に塗れてた。
冒頭、子供の1人語りから始まる。どうやら過去に起こった事件を追体験していくような構成っぽい。
その事件の全貌を観ていく事になる。
登場人物達の視点が章のようになっていて、時間軸を前後させながら多角的に事件を捉える事になる。
起点は叔母さん。
身寄りがなくアレックスの家で引き取る事になった人。
こいつが元凶で両親を傀儡にし、更に人質にしてアレックスをこき使うわとやりたい放題。
なんか体調が悪いらしいのだが、おそらくなら老衰とかで黒魔術による延命を試みてるようにも思う。
たった一つの異分子で平穏な時間が崩れていく恐怖。
日常が悪い方向に変化していく恐怖は世界共通かもと思う。
パラレルワールドと言う訳ではないが、章ごとに視点が分かれているから、多次元的な視点をもつ事にもなる。
流れている時間は1つだけども、世界は人の数だけ存在してるかのようで、楽しくはあった。
章ごとの主人公が体験してきたエピソードの答え合わせをしつつ物語は展開されるのだけれど、大元が不可解極まりない。
どうやら老婆が持ってた木がマジックアイテムのようだ。
が、その由来も出自も語られはしない。
まぁ、ホラーなので、怖げればそこそこ問題ない。
で、しっかりとホラーしてた。
逃げ惑う老婆と半狂乱になり追いかけ回す子供の絵面はコメディっぽくもあるのだけれど、内容を考えると身の毛もよ立つ。そして老婆は子供達の手によって引き千切られるる事となる。
考えてみれば怖い物もたくさん詰まってたけど嫌な物もたくさん詰まってた。
自分の子供だけを抱えて現場から離れる父親とか
槍玉に挙げられる女教師とか
酒屋の前で金をせびるジャンキーとか
嘘をついて母親に金の無心をするジャンキーとか
こいつはホームレスでもあって、車上荒らしとか空き巣とかもしてる。薬買う金欲しさに。
非日常だけじゃなく、日常に起こる嫌な描写も多かった。
…アメリカの片田舎に旅行したとして、コンビニに行くたびに金をせびりに来るジャンキーと蜂合わすとか勘弁して欲しい。またそれを驚きもせずあしらえてる事が怖いわ。もう日常に組み込まれてる状態だ。
銃社会が背景にある夜道とか、夜の帷とか…疑心暗鬼を盛大に煽られもする。
表題であるWEAPOSは人間爆弾って和訳がついてて…嫌まぁその通りな働きをするのだけれど、芯は食ってない感じの作品ではあった。
対象に向かい死ぬまで突進していく。
何十キロと走る事もあって、人間の身体機能のブレーキさえ壊せてしまう。痛覚すら無視出来る。
ゾンビさながらなスペックなんだけど、どっこいこっちは生きている。超強力な催眠状態な感じだから希望を抱けてしまう。そんなアレックスが不憫でならない。
なんせブラックボックスの多い作品ではあったけど、ホラーとしては優良なんだと思われる。
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