「まさかAAで考察しろとか無粋なことは言わないですよね」WEAPONS ウェポンズ Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかAAで考察しろとか無粋なことは言わないですよね
2025.12.8 字幕 MOVIX京都
2025年のアメリカ映画(128分、R18+)
とある田舎町の小学校で起きた児童失踪事件を描いたホラー&コメディ
監督&脚本はザック・クレッカー
物語の舞台は、アメリカ・ペンシルバニア州メイブロック
ある少女(スカーレット・シャー)は、その町で起きた「小学生失踪事件」について語り始めていく
「これは2日前に起きた出来事だ」と言われるその事件は、新しく赴任してきた教師・ジャスティン・ギャンディ(ジュリア・ガーナー)が受け持つクラスで起きたものだった
ある日のこと、ジャスティンが教室に向かうと、そこにはアレックス・リリー(ケイト・クリストファー)しかおらず、他の17人の生徒は姿を見せなかった
マーカス校長(ベネディクト・ウォン)の指示により休校となったが、警察が介入して色々調べても、失踪の手がかりは掴めないままだった
映画は、「JUSTIN」から始まる章立てになっていて、「ARCHER(失踪生徒の親)」「PAUL(警察官)」「JAMES(ホームレス)」「MARCUS(校長)」と続き、ラストに「ALEX」の章が続いていう流れになっていた
それぞれの視点で「事件」を描き出し、実際に何が起こったのかを紐解く流れとなっている
アラレちゃん(若い人にはナルトかな)のキーン走りを彷彿とさせる動きが登場し、子どもたちは夜中の「2時17分」に同時に家を飛び出していた
どこに向かうのかはわからないものの、誰もが同じ走り方でとある場所を目指していた
この状態が後半になって意味がわかるという展開になっていて、ここからはガッツリとしたネタバレとなってくる
実際に、この映画が怖いかどうかは「悪魔崇拝の身近さ」に依るところが多く、日本だと怖さは半減という感じになっている
象徴的な◯と△が重なるシンボルが出てくるのだが、あれは一般的には「アルコホーリクス・アノニマス」のシンボルのことだろう
一応は、ポール(オールデン・エアエンライク)が断酒会に参加しているとか、ジャスティンがお酒を昼間から飲みまくるというシーンもあったりする
このAAが関係しているとして無理な解釈をするならば、お酒を飲むと現れる幻覚とか、それによって子どもは家庭から逃げ出してしまう、みたいな意味づけになるのだろう
実際にはほぼ無関係で、何となくシンボリックなものを出して、不気味さを演出しているだけのように思える
映画は、6つの視点から黒幕の正体と目的を紐解いていく流れになっているのだが、最終的には黒幕の正体も行動原理も明かされないまま終わってしまう
それっぽい感じだと、黒幕とその本体のために栄養素が必要というもので、少年たちはそれを得るためのタンクのように思える
また、その体を維持するためにスープを飲ませるのがアレックスの役割で、彼は黒幕によって行動を制限されている
彼に狙いをつけた理由はわからないが、親戚だと言われてよく知りもしない人物を家に招き入れるお人好し両親とか、訪問者の嘘を見抜けない人も象徴的に登場している
そういったところに狙いをつけるうまさがあるので、黒幕が本当の親戚かどうかはわからない
そのあたりを「考察する意味はないと思う」のだが、全体的なメッセージとしては「何らかの要素によって付け入る隙を与える人間は危ない」という言ったところのように思えた
いずれにせよ、親切心とか愛護精神、包容力、酒、薬などが登場し、それぞれは瞬間的な高揚感をもたらすものの、付き合い方を間違えると厄介なものになる典型的なもののように思える
生きていく上での最低限の警戒心というものは必要だと思うが、だからと言って防御一辺倒でも困りものなのだろう
それでも、事象や相手を見抜く目というものは必要になってくると思うので、相手から発せられているものを注意深く観ていく必要はあるように思えた
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