「登場人物たちが⋯」WEAPONS ウェポンズ u-naさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物たちが⋯
とにかく登場人物たちがクセあり過ぎです。
女性教師は自分の責任でもないのに、保護者たちから責められて可哀想だな、と思っていたら、なんてことはない、単なるアル中の不倫女、その相手もアル中で、職場の上司でもある義父と、多分嫁にも頭が上がらない、自分のやらかしを隠蔽しようとする情けない男。自分の子供が行方不明になり真相を追いかけるお父さんも、どうやら仕事中毒(あくまでも私自身の想像)で家庭を顧みなかった(奥さんは出て行った?)、子供に愛情を注いでいなかった人。そのせいか子供もいじめっ子でやんちゃなク◯ガキ。婆さんはもう言わずもがな。
やはり一番可哀想だったのは1人だけ残った男の子かな。あんな幼くしてすごく重いものを背負わされてしまう、精神的にも肉体的(大量のスープ缶の買い出しとみんなにスープを飲ませる)にも。それでいて健気で黙して語らず(語れず、かな)。よくもあんな大人でもまいってしまいそうな多大なプレッシャーに耐えられたな、とその精神力に脱帽。とっさの機転で(よく婆さんの行動を冷静に見てたね、偉い!)いちおうの解決に導いたもののパパ、ママとは一緒に暮らせなくなってしまった⋯、なんて哀しくて切ない⋯。
謎が謎を呼ぶ先の読めないストーリー展開で引き込まれましたが、それも登場人物たちの訳ありな個性があってこそだったと思いました。あそこをしっかり描いていなかったら単なる不気味な謎解きホラーに成り下がっていたことでしょう。
この監督さん、ホラーではなく普通に人間ドラマを撮らせても恐らく優秀だろうな。
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