「R-18指定のコメディ」WEAPONS ウェポンズ クラさんの映画レビュー(感想・評価)
R-18指定のコメディ
1クラスがインフルじゃ無いのに1人の男の子、アレックスを除いて丸ごと誰も来ず、その理由は夜の2時17分に皆が家を抜け出して失踪をしてしまい…という冒頭でメインの事件が描かれ、そこから時系列などを遡ってそれに関わる人物らにスポットを当てていくという展開である。
「ドクター・ストレンジ」でお馴染みのベネディクト・ウォンがロケット走りで、しかも血だらけで主人公を追いかけるという恐怖のその先を見れたかの様なシーンなど、アメリカで良くある音で驚かせる様なありがちな演出は控えめで、斜め上から来る演出が見事である。
必ず1人ずつのパートが前のパートとリンクする為、理解しにくい事もなく、久しぶりにどんな展開になるのかワクワクしながら画面を観ていた。
何故ロケット走りなのかもきちんと理由があり、後半に行くにつれてテンションが上がりきった暴力とコメディで、恐怖するよりも周りに迷惑にならない様にニヤニヤで留めておく事に注力しなくてはならなくなっていた。サスペンス、ホラーとしても十分だが、宣伝こそしないが間違いなくコメディでもある。後半は新喜劇かと言う程笑わせに来る為、ちらほらと劇場でも笑い声が上がっていた。
全米では4週連続1位のスマッシュヒットとなったが、日本公開は大々的にはせず、東京都内を中心に神奈川や埼玉県内は2館程での上映である。だからなのか土曜の朝9時台の回ですらほとんど満席に近く、その為にわざわざ1時間半かけてTOHOシネマズ錦糸町まで足を運んだのである。だがしっかりとその甲斐はあったし、前述の通り近年ホラー慣れしてしまったのだが久しぶりにワクワクドキドキ出来た。
1つ気になったのだが、失踪した男の子、マーシュの父親役がジョシュ・ブローリンなのだが、彼を含め警察官のポールも、主人公もまぁまぁクソまでは言い過ぎだが鼻につく人間が多く、唯一まともだったのはベネディクト・ウォンが演じてた校長位だろうか。彼も説明は無かったがペアルックの男性と暮らしていた為、校長という立場上あっちの国じゃアウトなんだろう。その、あえて感情移入させなくしてる様な演出など、独特の世界観がまた盛り上げてくれるのである。
個人的にはジョーダン・ピール監督の「ゲット・アウト」や「US/アス」の方が怖さも物語の衝撃さもあったが、細かな演出や、あの目がイってるビジュアル、何といってもストーリー展開が巧妙であり、128分大満足だ。劇場を後にする時はロケット走りをしたくなる事必至の作品だ。
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