「ホラーが苦手の方もついつい笑ってしまう「やりすぎ系」」WEAPONS ウェポンズ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラーが苦手の方もついつい笑ってしまう「やりすぎ系」
劇場でのみならず配信でも映画をよく観る私にとって、特定のジャンルに対する“NG”はありませんが、勿論、いろいろな理由で“敬遠しがち”なものはあります。その中で、ホラーは単純に「金払ってまで怖いというネガティブな思いするのはちょっと」という、如何にも“貧乏くさい”理由で劇場鑑賞を見送り配信にまわすこともしばしば。ところが、本作を米国映画レビューサイトを確認してみると評価が相当に高い。確かにザック・クレッガー監督については、以前に配信で観た『バーバリアン』も面白かった記憶があり、「よし!今週はこれだ」と公開初日に久しぶりのTOHOシネマズ錦糸町にて鑑賞です。
それは何の前触れもなく、そして何の手掛かりも残さずに突如起こった「謎の失踪事件」。ある晩、午前2時17分に同じクラスの生徒17人が一斉に自宅から消え、残されたのはそのクラスの担任教師・ジャスティン(ジュリア・ガーナー)と唯一の生徒・アレックス(ケイリー・クリストファー)の2人だけ。その後、警察による捜査も一向に進展を見せず、学校説明会ではアレックスに対して何らかの説明や謝罪を求め、今も行方不明である子供達の保護者から怒号が止まりません。
ストーリーはまずジャスティンに始まり、その後次々と“関係者”ごとの目線で事件に対する真相に近づいていく“群像劇スタイル”の構成で語られます。何も解らない前半は全ての可能性に対して「ビビらせる」演出にハラハラし、その後、複数の視点により見え始めてきた「怪しげ」に推理心がそそられ、いよいよ得体の知れなかったものの得体が知れた途端、そこからは一気に怒涛の展開。
ホラーには徹底した恐怖で土壇場まで追い詰められ、最後の最後に起死回生の逆転でホッとする、或いはスッキリするような展開も多いですが、一方で、あまりに行き過ぎた演出に対しそれが段々面白くなってくるものもあり、本作は紛れもなく後者。真相に近づこうとする人間に対し、口封じの虐殺が始まるとなるほどWeapons(兵器)の意味が解るのですが、その様子がシンプル且つ直線的な上に、呆れるほど度を越えていて最早笑ってしまう。特に終盤におけるマルチ局面の“対決”は見物ですが、スクリーンでは極限状態のスリルにもかかわらず劇場の所々で笑い声が止まらず、とうとう全てが解決し映画が終わって思うのは「何だこれ?でもめっちゃ面白かった」と満足度は間違いなく高い。
と言うことで、本作を観て改めてザック・クレッガー監督の力量の高さに感服。今後、この監督のホラーは見逃せないな。ズバリ“当たり”の一本でした。
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