「アメリカ人の心の奥底を静かに流れる川のような物語」トレイン・ドリームズ sasさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ人の心の奥底を静かに流れる川のような物語
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デニス・ジョンソンの小説を丹念に映画化した作品。
小説同様、森林伐採と鉄道敷設現場で働く一人の男の生き様が淡々としたナレーションで描かれていく。孤児としてうまれ育ち、働き、恋をして結婚して子供を授かり、失い老いていく。ただそれだけを描写していく。
ただその様には全ての人の人生の喜びと悲しみとその残酷さ、またそれら全てに対する諦観が詰まっているように感じた。
余談ですが、私の好きな邦題「バスターのバラード」というこれもNetflixのドラマ風の映画があり、アメリカの西部開拓時代を舞台にした厭世観の詰まったペシミスティックな物語を軽いノリで描いているのですが、デニスさんの「ジーザス・サン」などと同様、移動し続け、根無草の様な人生に流されながらもある種の諦観を持ち、強かに生きる移民の国アメリカの個の強さを感じました。
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