ダンサー・イン・ザ・ダークのレビュー・感想・評価
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思ったほど胸糞ではなかった
有名な胸糞映画のようですが、思ったほどの胸糞ではなく、もっと胸糞に振り切ってもらえば、評価は高くできたように思います。
胸糞映画でも「縞模様のパジャマの少年」のようないい作品もありますが、
この作品は、中途半端な感があり、胸糞要素以外のいいシーンも少なかったし薄かったです。
あとは個人的にミュージカル映画はあまり好きではないというのもあります。死人が歌い出す演出は興醒めでした。
見ると暗くなるが再鑑賞
最初の公開時に劇場で見て、CATV で2度目の鑑賞。
強烈だった記憶がそのまま流れこんできた。
記憶違いでなければ、オープニングは「関心領域」とほぼ同じように真っ暗画面で音楽が流れていたのだが、4K版ではカラーの模様画像になっていた。
なんでそうなっちゃうかなという、どーんと重い暗い話に、ミュージカル。。
病気の進行と、周りに言えない頼れない、彼女の叫びのパフォーマンス。
息子を何故産んだ?の問いに「赤ちゃんを抱きたかった」 彼女の人生で一番の愛、一筋の希望の光。ミュージカルは不快なラストで幕を閉じる。
当時珍しく4~5人で見に行ったんだけど、何故この作品をチョイスしたのか😳
同時期、この直前に見た「グリーンマイル」で看守役を好演してたデヴィッド・モースが、悪役なのが当時も印象的だった。
人間のエゴの物語?
登場人物全員が、「良かれと思って」勝手に行動していて、結局それは相手のためなの?自分のためじゃない?って思ってしまった。
セルマは息子のために一生懸命、手術代を貯めてあげるけど、なぜか学校に行きたがらない息子に、理由を聞いてあげることもしない。
息子が自転車を欲しがってたことを知っていたのは隣人で、息子は母親に自転車が欲しいことも伝えてなかった(遠慮していたのかもだけど)。
セルマなりに息子を大事にしていたのかもしれないけど、失明が遺伝することを知ってて産んだのは、やっぱり結局彼女のエゴでしかなく、自分のためなのかなと。
借金を奥さんに隠してた隣人のビルも、奥さんのことを想ってやってるといいつつも、結局自分が良く見られたいだけだなと。
セルマが必死に隠していた息子の手術の件を、勝手に明かしてしまうジェフも、手術よりも母親が大事と自己判断で話を進めてしまうキャシーも、なんだかんだ自分のエゴで行動してしまっている。
鬱映画と聞いてはいたもものの、やっぱりズーンときました。だけど、こうやって鑑賞後に色々考えさせられたり、セルマの死に涙したりと、心を揺さぶらるものがあったので、いい映画だなと思いました。
大人の定義を考えた。
10年ほど前に、DVDをレンタルして、TVで観たときは、消化することができない大きな何かを飲み込んだような気分になった。
私は生まれて初めて「憂鬱」を体感した。
今回、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の上映を知って、ほったらかしにして見ないようにしてきた宿題に取り組む気分で、観に行った。
6割以上の入りで、意外だった。
主人公セルマの言動は、私にとっては?だらけだ。
先天的な、必ず遺伝する目の病気を持っているのに、ジーンを産んだこと。
眼科医の検査で、カンニングしてまで自身の失明を隠すこと。
勤務中に空想の世界に入り込み、職場内で事故を起こすこと。
貯金を現金で家の中に置いていることを隣人に言うこと。
隣人に請われて、彼を殺すこと。
警察の取り締まりや裁判の時に嘘の供述をすること。
物事の優先順位が分からず、結局一番大切なジーンを傷つけること。
人が生活に行き詰まるって、こういう連鎖が起こるからなのだろうか。
大人のセルマは、無知だからでは許されない。
結局、彼女は、刑の執行により命を落とすことになる。
それは、あらかじめ決まっている彼女の運命のようで、涙が止まらなかった。
年を取れば、大人になるのではない。
物事にきちんと対処し、円満な人間関係を築き、仕事をし、社会や自分と調和して
生きてこそ、大人だ。
移民で失明間近なセルマに、それを求めるのは酷なのだろうか。
この映画は、決して好きな作品ではない。
できれば避けたいくらいだ。
でも、これはないことにはできない、世界で、日本で存在する現実だと感じる。
また、是非映画館で鑑賞したいと思った。
つらい、、
全体的に悲しくて辛い話。
笑いどころは一切無し。
歌声がとても良い。
絞首刑って見届けることが出来るんだ、とびっくり。
主人公がかわいそすぎる。
主人公が再審請求が出来るとなって希望がでたが、弁護士を雇ったお金はセルマの手術のために貯めてたお金。なぜ周りの友人たちは一銭もお金を出さないのか。あんなに必死に助けようとしていたのに、少しくらい工面できたのでは?
まぁ、鬱映画なのか?
鬱映画としての期待を持って鑑賞。
個人的にはそこまでの鬱感は感じなかったかな。
とりあえずビル!!ビルー!!
とはなった。
息子のために自分の全てを犠牲にした母親で、それに対してのマイノリティへの偏見や自分と異なる主義主張への排斥みたいなものは強く感じた。
ラストの絞首刑のシーンは、グッと訴えかけてくるものがあった。
個人的鬱映画のトップはやっぱりミストかな、、、
80/100
最初の劇場公開時3回鑑賞。「鬼畜」と書いて「トリアー」と読む。
ビョークも鬼畜(トリアー)も当時は全然知らなくて、予告を見て観に行っただけ。本当にただそれだけだったはずなのに。何この観賞後の呪われた感は。あの最低最悪なエンディングに向かって一直線に進んでいく物語を、首に縄つけられて引きずりまわされ見せつけられる感じ。心が捻じ切られすり潰されれ、苦悶のあまりに血の涙を流す。その自罰的な考え方絶対おかしいのに、そうしてしまわずにいられないというのが、感覚的にわかってしまうのがホントにやだやだやだやだ。
友人たちがどんなに頑張ってセルマを助けようとしても、セルマ自身を含め全てがセルマを殺すようにできている物語に蹂躙されるだけ。鬼畜(トリアー)がその鬼畜ぶりを遺憾なく発揮した、最凶ミュージカル。
アルバム全部とサントラとMVDVD買って(まんまとユニバーサルの策略にハマる)、ドキュメンタリーと『ネズの木』観に行って、と一時期ビョーク漬けになるくらいハマった。ミッシェル・ゴンドリーやトム・ヨークの名前も知ったし白鳥ドレスは流石にアレだったが。宣材とか見てもわかるけど、時々幼い子供みたいに見える時があって、劇中で見せる色々な表情にしばしば見入ってしまう。
ドヌーブだけでなくデビッド・モース、ピーター・ストーメア、ちょい役だけどステラン・スカラスゲルドとかウド・キアとか結構な脇役陣なのに、その圧倒的な歌声で堂々と渡り合うビョークにもう言葉もない。
通常パートとミュージカルパートの相互の移行の仕方(特に環境音から曲への繋ぎ)や、撮り方(当時まだあまりなかったデジタルビデオと通常のフィルム撮り)と映像の質感を違えることで、ミュージカルシーン=妄想にすんなり入り込めるようにしてるとか、そういうのホント大好き。
本作は厳密には該当しないものの鬼畜(トリアー)監督が中心的だったという「ドグマ95」に興味が湧いて『キング・イズ・アライブ』観に行ったりした若気の至り。
4Kリマスター観逃す。絶対許さんコロナ。またあのどんよりどよどよな気分になる気まんまんだったのに。
The Northman を楽しみに待つ。劇場公開するよね?→2023/1/20
心が疲れる映画。
最初のミュージカルシーンで、いやこれ絶対事故る!と思いながら観ました。
人が貯めたお金を盗む→嫁に嘘をついてセルマ(主人公)を悪者にする→問い詰めたセルマが、「嫁には何も言ってない、沈黙の約束だから」と言ったのにもかかわらず、お金を取り戻して帰ろうとすると銃を向ける→嫁に嘘をついてセルマを悪者にする→揉め合った末セルマに撃たれると「よくも撃ったな、いや撃ってくれた。金がほしいなら撃て!」と言ってのける
何このムーブ…ビルひどすぎる。
このシーンが辛すぎて、思わず違うことをしながら観ることに。これ劇場とかで観ていたら耐えられないわ…。
裁判での嫁が嘘つきすぎてちょっと…。
お金のこと訊いてた?銃のありかを話したのではあなたでは?
裁判のシーンでいらいらしてしまいました。
そしてここまでして沈黙を守るのはどうなんですかね、普通言うよね…。
自分だけでなく息子の未来にも問題が起きるのに。
そして裁判中にもミュージカルするとは思わなかったw
セルマにキレて一旦関係が悪化するも、夜勤を手伝いに来る女友達が素敵。
ただ、セルマからその友達へのきちんとした感謝のシーンが作中ではないので…と思ったら、手術費代を弁護士費用にするのはどうなんですかね……。
アメリカの弁護士費用とか金融会社とか知らないけど、2000ドルなら20万くらい?借りられないのかなぁ…。
相互片想いのジェフに対しても都合の良い男のように扱っているように見えて、セルマが少し嫌な感じにも見えましたね。
セルマ、自分勝手描写が多いのでそちらにもイライラしていました。
看守の女性が素敵な人でしたね。
自分も母親ということもあったのでしょうけど、僅かな登場シーンで印象ばっちり。
最期、歩き出せないセルマに「(セルマは)自分で立てる、私に考えがある」と言って足音に意識させるの素敵でしたし、
目隠しにパニックになる様子に「規則が何、彼女は盲目なの!」ってカッコよすぎる。
最期、やってきた女友達の言葉で安心し歌い出すセルマでしたが、切り裂くように床が落ちる→歌が止まり静寂に響くガコンという音、に心が乱されました。
あれはちょっと…脳裏に焼き付くなぁ。
感情が揺さぶられ続ける凄い映画だなと☆4つけましたが、ストーリー的にも観ている最中の気持ち的にも、もう観たくないですね。
心がざわつき続ける疲れる映画でした。
端的感想
・本当に盲目の人が演じてる?と思えるくらい、セルマ役の女優の演技が凄い
・嫌なシーンがリアルに嫌なシーン
・ミュージカルのシーンが長すぎる!
・カメラワークが独特
・疲れた
悲しみの
片田舎で暮らす女性とその息子がいた。
その女性には、秘密があった。いずれ目が見えなくてしまうという病気だった。
それは、遺伝性のものでもあり息子にもいずれ同じ事が起きてしまう。
友人の助けもあり、なんとか暮らしていけていた。
物語の前半の自転車には、そういう意味があったのかと後半にかけて納得した。
息子の為に目が見えなくなってきているというハンデを乗り越えながら、仕事でお金を稼ぎ手術費用を貯めていた。
そのお金を友人の1人が自分の為に盗もうとしている事によって奪い合い、そして殺してしまった。
まさかこんな展開になっていくとは、想像もしていなかった。
途中途中のミュージカルシーンは、けっこう見れるなと思った。
「ララランド」の様なポップな感じとは、また違うけど、とても心に響くものがあった。
悲しみが残る展開幕の終わり方だった。
コンディション悪い時には観てはいけない
ホームビデオで撮ったかのような映像がよりリアリティを増す。
映画を観たというよりドキュメンタリー映像を見ているようだった。
セルマの怖さが自分が体験したぐらいの臨場感で伝わってくる。かなりしんどい。
死刑執行人、この世でこんなにしんどい仕事ある?
※ロクでもない感想です※
4K・映画館で鑑賞。鑑賞前に夕飯を食べて挑みましたが、ブレまくる手持ちカメラの影響か、滅茶苦茶に気持ち悪くなりました。カメラ酔いしやすい人は要注意かも
以下からTwitterに投げた乱文のまとめ
後味最悪だって聞いてましたけど、マジで悪いな……セルマ、眼以外にも知的障害あるんじゃないか?って感じの無垢(悪く言えば子供っぽい)具合でしたけど、1964年っていう時代・貧乏な移民…っていう諸々の背景を考えるとそこまで周囲の理解が及んでいなかったんだろうなと暗い気持ちになってしまう……
手持ちカメラでブレッブレにしながら顔をどアップで撮影するの、ドキュメンタリー映画っぽいんですよね何処となく……(マジで死ぬほど酔っ払いました)(わざとだろうけど瞳の描写が圧倒的に多い)
セルマの妄想世界で画面の解像度が物理的に低くなるのは面白かったです 妄想だから荒いんだよね多分
セルマ、どちらかと言えば妄想の合間に実世界を生きてるタイプなんだろうなぁ……最後から2番目の歌は妄想の世界じゃなくて実世界で歌ってるのは、《妄想の殻を破って抜け出せた》とも《セルマの中で妄想と現実が入り混じった》とも取れるのが、いい感じに気持ち悪くて最悪ですね
「息子には眼が必要」っていうのは、最初に眼が見えていた人ならではの思いなんだよなぁ……
映画全体の感想は個人的に「やるせない」なんですよね 「後味悪い」もあるんですけど、それよりも「やるせない」がこの映画を表現するには最適解な気がする
最後の死刑執行で、「来れたら」とセルマに言われたジェフが結局来なくて「どうかな」とジェフに言われていたキャシーが来たの、両者ともキャラクターの行動として“わかる”し、“それらしい”んだよな
ジェフは最期を見たくなくて来なかったんだろうし、キャシーはメッセージを伝えるために&親友として最期を見届けるために来たんだろうし……ジェフが薄情とかいうわけではないんだよなぁ決して
ミュージカル映画という括りにしては、ミュージカルパートが出てくるのが遅いので、個人的にはもう少し早く出てきてほしいですね……あと冒頭の謎のイメージの連続がマジで何なんだか分かんなくて気持ち悪かったですね、何アレ???
全体的に面白かったけど、二度と見たくねぇな……やるせなさすぎるので……
公開当時にサブカル界隈で話題になった理由は何となくわかるな……小劇場で見たい内容の映画だし……
ミュージカルパートでさえも、大きいスクリーンではなく小さなスクリーンで見たいと思わせてくる、不思議な映画です
真っ黒で真っ白な、美しすぎる名作
ストーリー、台詞、演技(特に主人公の)、映像、音楽、そしてミュージカルの立ち位置、どれをとっても、この映画の美しさを校正するために全て必要であったと思えるほど、非の打ち所がない完璧な作品だった。
セルマのあらゆる感情が顔の筋肉、指の動き、背筋や足並みに一つ一つ呈されていて、素晴らしかった。
「息子には母が必要」という意見を押し切って、母親としての人生で醸成されたであろう「息子には目が必要」という確信を貫いたセルマの強さ、そして、ジムとの面会での台詞「赤ちゃんを抱きたかったの、この腕で」という、この映画でこの1度だけ呈されたセルマ自身1人だけの欲望、人間らしい弱さ、私たちがそうさせない限り、終わりではない」という物語の芯、全てが美しすぎて、涙が止まらなかった。
99の悲しさ・虚しさの中でも絶対に揺らめくことのないセルマの美しさ、真っ黒で真っ白な映画だった。
主人公に感情移入ができなかった。
セルマは仕事中に空想にふけりミスをするも飄々としているし、差し伸べられた手も取ることはなく何でも一人でやろうとする。終いには長年貯めてきたお金を盗んだ相手を最後まで庇う。
これらの行動はもしかしたら息子に病気のことを悟らせないため明るく振る舞っていたのかもしれないが、不器用すぎて見ていられなかった。
映画を見る前は目が見えないことを良いことに周囲の人達に利用されたり虐げられるような映画だと思っていました。
しかし、この結末は病気だけでなくセルマ自身の行動にも原因はあるなと感じられる内容でした。
彼女がもう少し賢く立ち回れていたら、こういう終わり方にはなっていなかったのではないかと思わずにいられませんでした。
最後にセルマがジーンのために死刑を選択する光景は一見して子供思いの良い母親とも取れるが、ジーン自身の意思は全く考慮されていないため押し付けがましい自分勝手な判断にも見えました。
もしかしたらジーンは自分の目が治ることよりも母親と一緒に過ごすことを望んだかもしれませんからね。
様々な見解がある映画だと思いますが自分はこのように見えてしまいました。
色々と書きましたが、ジーンの手術が成功したことだけはセルマにとって最後の救いとなったのでしょう。
観た後どっと疲れる
ミュージカル映画は大好きだが”鬱映画”といわれる本作はなんとなく観るのを避けていたのですが4K版が上映されると知り鑑賞。
途中からほとんど泣きっぱなしでラストの衝撃は異常。鑑賞者の感情を上げては下げるラース・フォン・トリアーの監督性が見える。観た後どっと疲れた。
母と息子の極限の不器用な愛と主人公セルマのピュアさや約束を守る信念の強さに、心揺さぶられながらも生死が左右されるだけにとてももどかしさを感じたが、世の中のどうしようもない、抜けられない負のスパイラルの最悪なパターンをまざまざと観ている感覚になりとても怖くなった。
人生のどん底を味わった日に信じていた人に盗みに入られ、濡れ衣を着せられ、救いようがない。。
警察が盗むわけない。家主が盗むわけないという潜入感から世の中の不条理さもみえる。貧乏人な正直者は救われないこの構図にただただやるせない気持ちになった。
作中優しい人が出てこないいないわけではないし、特にカトリーヌ・ドヌーヴ演じるキャシーとの友情やジェフ、看守の優しさには救われる。ただその優しさにも、セルマを救うか息子を救うかで限界が生まれてしまう流れが非常に悲しすぎる。
セルマの死刑執行までのシーンは観るのが本当につらかった。
「最後までミュージカルは観ない。最後から二番目の曲で観るのをやめる」と言っていたセルマが死刑台に立ってから歌う、最後から二番目のミュージカルをテーマにした歌。
大きな悲しさがありながらも、最後の最後にキャシーにメガネを渡され、息子の手術が成功したことを知れたのは最大の喜びを感じながら最期をむかえたと信じたい。
映画に何を求めるか
最後まで現実と向き合わなかった主人公、生まれから不幸な弱者を庇えば考えが深いと勘違いしている視聴者、どちらも自分に酔っているようにしか見えなくてイライラ
私自身、身体に障がいのある人たちと交流することがあるのですが、
「自分の障がいを認め、他人に助けを求める事」ができる人が謙虚で優しい人だと思うんですよね
セルマはまるで手助けの手を払いのける老人の様です。
彼女は気が弱いと思われているが、寧ろ凄く傲慢なのだと思う
ニヤついた顔でこの映画をおススメしてくるような人とは仲良くなれないですね
悲劇のヒロインをみて手軽に感傷に浸りたい人におススメです。
鬱映画ですが、
鬱映画の最高峰と誉高い作品ですが、初めて鑑賞しました。
確かに途中からラストシーンまで気が滅入る展開ですが、最後にキャシーから告げられた言葉で少し救いが感じられました。この言葉が真実かどうかは分かりませんが。。
カトリーヌ・ドヌーブは流石の存在感ですし、看守の女性も救いです。
個人的に過去一番気が滅入った映画はミリオンダラーベイビーです。
音楽やミュージカルが現実逃避になって生き続けられている人間はこの世に自分を含めてたくさんいる。それをわかっていながら、こんな残酷な映画を作る監督が私は大キライだ
1960年代のアメリカの田舎町が舞台のデンマーク映画。
2056ドルは1960年代だと、まだ1ドル360円として、72万円ぐらい。当時の消費者物価指数を勘案すると、4倍として、現在の価値は300万円近く。医療費は全額自己負担のアメリカ。日本みたいに特定難病指定疾患で行政が全額負担してくれるわけでもない。難しい眼の手術費としてはまずまず妥当な額なのかなと。弁護士費用はよくわからないけどやはり妥当な気がする。
大家で警察官のビルは嫁さんの浪費癖が原因で家を担保に銀行から借金している設定。セルマにそれをこぼすシーンがあったけど、ジーンの眼の手術費用のために節約して、低下した視力で危険な工場で働いていることに比べると【秘密の重さ】が全然釣り合わない。そんな約束をしてしまい、裏切られても、頑なに秘密にする約束を守ろうとするセルマの人に言われたことをそのまま受け取ってしまう馬鹿正直さはある種の発達障害があるように思える。それにつけこむ輩も彼女の半生のなかでたくさんいたに違いない。セルマの人生は苦行の連続。だから、セルマは妄想の世界で明るい夢を見る。音楽とタップダンスが唯一の拠り所。
警官のくせにセルマの大事なお金を奪っておいて、セルマから関係を迫られたとか、セルマがお金を盗ったとか、行き当たりばったりに嘘をつき、セルマをおとしいれ、挙げ句の果ては死にたいから拳銃でオレを撃ってくれといいながらも、お金はしっかり抱いて離さない。目が見えないセルマが発砲しても当たらないと思って、甘くみたんだろう。猿芝居。あまりにもメンへラ。
幼稚園かお前は❗
だから、必死なセルマに貸金庫の重たい鉄製のケースで顔をぐしゃぐしゃにされるんだよ。
貸金庫のケースは普通は家に持って帰らないものだけど。
ビルは警官でパトカーを公私混同して使う奴で、いけすかなかった。嫌な予感がもろに的中。
しかし一番腹が立つのは、こんなアラの目立つシーンを作る一方で、絞首刑の場面は実に細かい、いい仕事をしてくる監督。
怖ぇーよ。お前が一番ダークなんたよ。ふざけんな❗と腹が立つのだ。
牛乳瓶の底のようなメガネをかけたセルマはイノセントそのもの。
ほかの共演者(子供を除く)と比べて、ビヨークは東洋人のようで、低身長で、幼児体型で、童顔。小学生の息子の母親役だが、周りの大人からは子供扱いされているような感じをどうしても受けてしまう。セルマは当て書か。ずるいよなぁ。チェコからの移民の設定。チェコでは息子の眼の手術ができないという理由で、アメリカにきた。彼女のチェコでの過去は推察するしかない。
なぜ、尊敬するチェコのタップダンサーのオールドリッチノヴィの名前でジーンの手術代金を病院にお金を預けたのか?実の父親の名前は完全に抹消したいような辛い過去があったのか?
ジーンが失明しない明るい未来にとってセルマが選んだ名前がノヴィならば、ジーンが手術によって生まれ変わることを何よりも望んでいたことを彼女が希求していたのだろう。彼女の妄想と簡単に片付けてしまいたくはない。
節約してお金を貯めている理由はチェコにいる父親に仕送りをしているからだと周りには説明し、真実を隠している。遺伝病であることをまだ子供のジーンには隠したい気持ちはよくわかる。キャシー(カトリーヌ・ドヌーブ)は眼科受診に付き合っているので、セルマの目が相当悪いのは知っている。セルマの唯一の楽しみは地域の劇団でのミュージカル劇の練習。しばしば仕事中にミュージカルの妄想に耽ってしまう。様々な工程の機械が出すリズミカルな音に触発されるように。工場の同僚たちはみなセルマに親切で、なかでもトラックで通って来ているジェフはトラックで送ってあげると熱心に誘ってくる。セルマに気があることがバレバレ😅「結婚するなら相手はジョンだけど私は結婚しないの」と、きっぱりと断るセルマ。実際、恋をしている暇もなく、息子が一番大事なセルマに隙はない。セルマを気遣い、いつもサポートしてくれるキャシー。劇団のメンバー(看板女優)でもある。キャシーはジョンに「セルマはあんたに絶対ホの字だ」とフォローする。ナイス👍アシスト。みんなに守られて暮らしているセルマ。
ジェフとの鉄橋の幻想シーンで歌われる「見たいものはみんな見たから、悔いはないの。」
セルマの無垢な純粋な心。欲を出したら限りがない。
セルマは闇の中で踊っているのではない。とっても明るい場所で輝きながら踊っているのだよ。それが妄想のなかであっても。
遺伝する病気と知りながら、それでも私は産んでみたかった。赤ちゃんをこの手に抱きたかったから。
ピュアーマインド。
これほど、純真無垢でイノセントなセルマを責めることは私には到底できない。
誰でも自分の子供には財産を少しでも多く残してやりたいと思って働いている。そして、迷惑かけたくないと思って悪徳老人ホームに入ったり、アホらしい保険に入ったりする。
当たり前。
セルマが自分の心に耳を澄ませて決めたことは精一杯の選択。
ジーンへの無言のメッセージ。ジーンがどう受け取ろうがセルマの思いは真っ直ぐなのだ。わかってくれなくてもいい。無償の愛。
音楽やミュージカルが現実逃避になって生き続けられている人間はこの世に自分を含めてたくさんいる。それをわかっていながら、こんな残酷な映画を作る監督が私は大キライだ。
2000年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️✨
ダンサー・イン・ザ・ダーク…
ダンサー・イン・ザ・ダーク…
ダンサー・イン・ザ・ダーク…
嗚呼、ダンサー・イン・ザ・ダーク…
嗚咽をこらえ、目を真っ赤に腫らしながら出て来る言葉は、こんな馬鹿な感想だけ…
それぐらいの衝撃度というか、心を揺さぶられました…。
この作品が発する、あるいは、この作品から感じ取れるメッセージは様々だろうけど、そのどれもが胸に響いた…(もうラストは、絶句でした)。
そして…
セルマの遺伝すると分かっていながら子を産んだその気持ち…「自分の手で赤ん坊を抱きたかったから」…もうここからラストまで涙腺崩壊でした(笑)
この作品を今の今まで見逃してましたが、今回劇場で観ることが出来て、本当に良かった!
正直、今年公開された新作映画が全て吹っ飛ぶぐらいの作品でした…(あくまで個人の意見…笑)
日本で劇場公開されるのは今回が最後との事…もし未見でしたら、ぜひ劇場で!
超オススメ!!!笑
*ちなみに、復刻パンフレットは1200円とちょっとお高めですが、LPレコードサイズで情報量は多めです。
好きか嫌いか分からない作品。でもすごい。
(作品全体)
奇人トリアー監督の作品としては2作目の鑑賞。最初にみた「ドッグヴィル」よりは覚悟ができていたため衝撃が薄かったが、普通の映画として軽い気持ちでみてはいけない。レビューは賛否両論あるけど、そもそも万人受けを狙っている作品ではないのでそこも含めて監督の狙い通りという感じがしたした。むしろ、監督は「胸くそな鬱映画だ!」という反応を喜んでいそう。ビョークはこの作品で監督にセクハラを受けていたと告白している。それも含めてこの監督は、撮る過程でも作品の中でも人の感情を弄んでいるようで好きになれない。ただこの映画は間違いなく類稀な才能の産物。みて良かったような悪かったような…間違いなく印象には残る作品。
(映画の中身について)
機材を置かずに撮る独特の手法が生み出すドキュメント感によって、自分もそこにいるかのよう気持ちになった。ミュージカルの演出は、観客をハラハラさせ、登場人物をどんどん追い詰めるため生かされている。ストーリーの構成や次第に追い詰められる登場人物の表現、盲目になっていく主人公を演じるビョークの超人的な演技や歌声が素晴らしかった。特に、終盤で主人公が「赤ちゃんを抱いてみたかった」と言う場面が妙に印象に残っている。母親の自己犠牲的な堅実な生き方を終始見せつつ、結局子どもは親のエゴで生まれるのだという皮肉を見せられて、感情をどう処理していいか分からなくなる。最後のカウントダウンと最後から2番目の曲は思わず涙した。
望みがないっ!
こんなにも望みが絶たれるラストシーンは
あまり観たことがありません。
切なすぎます。
セルマの気持ち、分かるけど…
残されたジーンは自分の為に、って一生辛い思いしそう
とても印象に残ったのは
「最後から2番目の曲」です。
私もその気持ち凄く分かります!
毎日を暮らしていく中で、辛いことを忘れさせてくれるひと時が終わってしまう。。。
好きなミュージカルだからこそ最後を知ってて、ハッピーエンドだろうと、やっぱり終わってしまうのが寂しい。。。
最後のシーンにその言葉が重く重く胸に突き刺さりました。(本気泣きです)
本当に悲しいお話しで、好きになりたくない作品です。
でも観てからまだ3日しか経ってないのに
Björkの演じるセルマに会いたくなってしまってます。
とても複雑な気持ち。
セルマのように不器用に生きたくはありません。
けど、セルマのように夢に忠実な生き方は素晴らしいと思います。
全52件中、1~20件目を表示