劇場公開日 2025年10月10日

「韓国の団地って…」層間騒音 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 韓国の団地って…

2025年10月12日
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鑑賞方法:映画館

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■ 作品情報
集合住宅で発生する生活音を題材にした韓国のホラー映画。監督: キム・スジン。主要キャスト: イ・ソンビン、キム・ミンソク、ハン・スア、リュ・ギョンス、チョン・イクリョン。脚本: キム・スジン、イ・ジェヒ、キム・ヨンファン。製作国: 韓国。

■ ストーリー
聴覚障がいを持つソ・ジュヨンは、疎遠になっていた妹ジュヒが失踪したことを知り、妹が暮らしていた古い団地の部屋を訪れる。ジュヨンが足を踏み入れた妹の部屋は、天井に防音シートがびっしりと貼られた異様な状態だった。そこへ、下の階に住む男が騒音に対する苦情を言いに来るが、部屋にはジュヨンしかいないため、不可解な状況にジュヨンは困惑する。妹の行方を追うジュヨンは、補聴器を通して聞こえる、人ではないような得体のしれない不気味な音に悩まされ始める。ジュヨンは、妹の失踪と、団地で頻発する原因不明の騒音、そして怪しい隣人の存在に隠された恐怖の真実と対峙していくことになる。

■ 感想
普段は避けているホラー映画ですが、最近マイルドなものやコミカルなものを通して少しずつ耐性がついてきたこともあり、ちょっとハードルを上げて思い切って本作に挑戦してみました。公開2日目の鑑賞でしたが、客入りはまずまずで、ホラー作品への需要の高さに改めて驚かされました。

率直な感想としては「怖かったけれど、なんとか耐えられた」というのが正直なところです。妹の失踪をきっかけに、その原因と深く関わっているらしい奇妙な異音の謎を追う展開は、じわじわと作品世界に引き込みます。団地の住人たちが少しずつ事件に絡んでいき、真相へと迫っていく過程は、なかなか興味深く感じます。

終盤で事件の真相が明らかになったかに見えても、なお多くの謎を残し、不穏な空気を漂わせたまま幕を閉じるラストも、悪くなかったです。全体を通しては、予想していたほどの強烈な恐怖ではありませんでしたが、やはり「いちばん怖いのは人間」ということを再認識させられる内容でした。

それにしても、韓国の団地が舞台の映画には、常に何かが起こるという印象があります。自らの要求を声高に主張する国民性ゆえか、団地という閉鎖された空間は、人間の本性が剥き出しになりやすい格好の舞台なのかもしれません。この作品でも、そうした人間模様が恐怖を際立たせていたように思います。

おじゃる
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