「どんよりしたシリーズの雰囲気の中では珍しく太陽の光が眩しいほどの映像」特捜部Q 吊るされた少女 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 どんよりしたシリーズの雰囲気の中では珍しく太陽の光が眩しいほどの映像

2025年9月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 7年前のアルバーテ・シュナイダー事件。21歳の女性が交通事故で亡くなった。事件に没頭していたボーンホルム島の警官クレスチャン・ハーバーザートが送別会の最中に拳銃自殺を図る。カールとは警察学校で同期、バク本部長とも同期だったが、おかしなことにクレスチャンの手のひらにはカールの名前が書かれていた。ローセからの連絡を受け、島にかけつけたカールだったが、クレスチャンの家に赴くと、そこで薬物中毒の一人息子ビャーゲが死ぬ現場に遭遇する。クレスチャンの事件に対する執着はすさまじいもので、アルバーテが死んだまま木の枝の上に寝かされていた映像も流れていた・・・猟奇的。

 元妻のジユンを訪ねると、ビャーゲはカールの息子だと言う。カールにとっては因縁深い島だったのだ。そのジユンの義妹マリーにも面会したが、その直後にマリーが謎の男に舌を切られる事件が起きた。アルバーテ事件の秘密を知る者の犯行か?SVKとは?などと捜査を進めようとした矢先に地元警察から疎まれ、ローセだけを残してカールとアサドはコペンハーゲン警察に帰ることになった。

 教祖アトゥ主催のカルト集団。妹のピルヨが空手を教えている。太陽の光を称え、オシリスを神とする宗教。ローセはこのカルト教に潜入して捜査を続けると言う。大丈夫か?ローセ。一方で、SVKがアルバーテ事件の鍵を握るとにらんだカールは、やがてアルバーテを教えていた美術教師に辿り着く・・・

 意外な犯人像。ローセの大ピンチ。映像だけは明るいが、犯人や人間関係の闇の深さは特捜部Qらしいままでした。まるで『ミッドサマー』を彷彿させるカルト集団。殺人事件を引き起こすのは全てこのセックス教団が原因であるかのようだったが、カール自身も妊娠させた負い目があったんですよね。しかも犯人は意外な人物だったし・・・アサドの俳優がまた変わっていたけど、前作よりは良かった。

kossy