「おおらかな気持ちで楽しむといいかも」ドライブ・クレイジー タイペイ・ミッション おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
おおらかな気持ちで楽しむといいかも
■ 作品情報
監督: ジョージ・ホアン。脚本: ジョージ・ホアン、リュック・ベッソン。製作: リュック・ベッソン、ヴィルジニー・ベッソン=シラ。主要キャスト: ルーク・エヴァンス、グイ・ルンメイ、サン・カン、ワイアット・ヤン、パーネル・ウォーカー。製作国: フランス、台湾、アメリカ合作。英題: Weekend in Taipei。
■ ストーリー
麻薬取締局(DEA)捜査官ジョンが、億万長者の麻薬密売人クワンへの潜入捜査に失敗する。ジョンは、クワンの帳簿データを持つという匿名のメールを受け取るが、上司から休暇を命じられる。しかし、ジョンは休暇を装い台北へ向かい、メールの送り主であるクワンの養子レイモンドと接触を試みる。ジョンがレイモンドとの接触を図る際、事態を察知したクワンの部下たちとの銃撃戦に発展し、ジョンは窮地に立たされる。ジョーイは、息子レイモンドを守るため、そしてかつて愛したジョンとの再会という予期せぬ展開の中で、危険な追跡から逃れ身を隠すこととなる。
■ 感想
率直な感想としては、わかりやすくておもしろかったです。開幕早々、ジョーイが駆るフェラーリの圧倒的な疾走感に度肝を抜かれ、一瞬で作品の世界に引き込まれます。かと思えば、ジョンの潜入捜査が露見する場面では、狭い厨房での巧みなアクションと、そこかしこに仕込まれたユーモラスな演出のおかげで、こちらも見応え十分でした。この緩急のつけ方が絶妙で、この先の展開を期待させます。
ストーリーは偶然の連続でジョンとジョーイが再会し、共闘する流れになるのですが、これが不思議とそれほど気になりません。クワンの犯罪の証拠を巡る攻防ももちろんあるのですが、それ以上に、愛する女性を取り合う男たちの物語に見えたためかもしれません。そういう意味では、息子レイモンドと新たな命の誕生も絡み、壮大な家族の物語としてちょっと心に響きました。
一方で、悪役であるはずのクワンが、どこか哀れに見えてしまったのも印象的です。「これまでの13年間はいったい何だったんだ」という彼の恨み言には、思わず共感したくなります。でも、金にものを言わせた一方的な愛は、やはり報われないのでしょうね。
細かい粗は散見されますが、おおらかな気持ちでジョンたち家族の物語として見守れば、わりと楽しめるのではないかと思います。
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