「高額料金で味わうスピンオフの虚無感」特別編集版 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント 小さな挑戦者の軌跡 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5 高額料金で味わうスピンオフの虚無感

2025年11月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

驚く

■ 作品情報
監督は長井龍雪。特別編集版構成・脚本は土屋理敬。原作は矢立肇、富野由悠季。主要キャストは、ウィスタリオ・アファム役が生駒里奈、デムナー・キタコ・ジュニア役が堀内賢雄、コルナル・コーサ役が上田麗奈、レンジー・ダブリスコ役が木内太郎、カチュア・イノーシー役が田中美海、598役が三瓶由布子、タマミ・ラコウ役が伊藤静、ローム・ザン役が稲田徹、アイコー・ザン役が山根雅史、シクラーゼ・マイアー役が野島健児。

■ ストーリー
P.D.323、ギャラルホルンによるアーブラウ中央議会への政治介入事件が鉄華団の活躍により終結した後、物語は金星を舞台に展開される。金星のラドニッツァ・コロニーで育った少年、ウィスタリオ・アファムは、火星との開拓競争に敗れ、罪人の流刑地と化した故郷の現状を変えたいと願っていた。そんな彼の前に、「ウルズハント」の水先案内人を名乗る少女が現れる。少女はウィスタリオに「ウルズハント」への参加資格が与えられたことを告げ、彼をそのレースへと誘う。ウルズハントとは、コロニーすら買えるほどの莫大な賞金が懸けられたレースであり、ウィスタリオは故郷の金星の未来を懸けてこの壮大な挑戦に身を投じることになる。

■ 感想
事前に情報を確認しなかった自分にも非があるのですが、本作はテレビアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のスピンオフ作品を特別編集したものだったことに、まず驚きました。てっきり本編に関連する新作だとばかり思っていたため、初めから戸惑ってしまいました。

物語は、三日月たち鉄華団ではなく、ウィスタリオという少年を主軸に展開されます。さらに、とある少女が日記を基に当時を振り返るという構成で、彼女のナレーションによってひたすらバトルシーンが繋がれていく形式でした。残念ながら、キャラクターもストーリーも予備知識のない私には、感情移入できる要素が皆無で、終始ストーリーの概要を追うことしかできず、非常に退屈な時間となってしまいました。

映像面に関しても、決して悪いわけではありませんが、劇場版ならではの圧倒的なクオリティを感じるには至らず、これといって特筆すべき点も見当たりません。本編終了後の短編には三日月やオルガが登場しましたが、すでに睡魔に襲われていたこともあり、内容はほとんど頭に入ってきませんでした。キャスティングに関しても、生駒里奈さんには荷が重かったように思います。そして何より、この内容で特別興行という強気な料金設定には正直、驚きを通り越して呆れてしまいます。

熱心なアニヲタからならいくらでも搾取できると考えているのかもしれませんが、劇場公開作品としての水準に達しているとは到底思えません。内容、映像、キャスト、料金設定、その全てにおいて、とても容認できない体験でした。こんなにぼやきながらも、毎回特別興行料金を払ってしまう自分は、まさにお金を落とす「いいカモ」だと痛感しています。

おじゃる
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。