ひとつの机、ふたつの制服のレビュー・感想・評価
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人生の原点を思い出させてくれる
「青春コンプレックス・エンターテイメント」と評される作品を、遠の昔に学生時代を過ごしたいい大人が見て、晴れやかな気持ちになるのは、なぜだろう。
それはきっと、主人公たちが見せる、妬みや憧れ、恋のときめきや親との諍い、それら青春時代の様々な思いが、今も「生きる」ことのベースになっているからではないだろうか。大人になるにつれて、コンプレックスも人付き合いも、親との関係も、心が乱されないようにうまくこなせるようにはなったと思う。けれどもそれは、そんないろいろな感情がなくなったわけではなくて、きっとごまかす術を覚えただけなのだろう。
『ひとつの机、ふたりの制服』では、本当に純粋に、生きるうえでの心の動きが描かれている。なるほど「台湾最大の脚本賞」を受賞したというのも頷ける。
図らずも、ぐんぐん彼女たちの世界に引き込まれて、一緒に泣いたり笑ったりすることができた。それがなんとも気持ち良い。
主人公の小愛(シャオアイ)がようやく勉強に打ち込むようになるのは、同級生との対抗心でも、好きになった人のためでも、ましてや親からの説教のせいでもなく、いろいろなトラブルを経て「自分が今、何をすべきか」ということにたどり着いたからなのだろう。
仕事で成果を出したり、プライベートを充実させたりするのも、やはり「自分」をしっかり見つめることなのだろうな、なんてことまで考えてしまいました。
人生の原点を思い出させてくれる作品です。
それから、キービジュアルの期待どおり、2人の女性は魅力的だったのですけど、貧乏ながら2人の子どもを育てる母親の生き様がかっこ良かったです!
キラキラ 青春の輝き
超進学女子校の全日制、全日制に入れなかつた子が通う夜間、二人の女の子の物語。
同じ机を使うことから知り合い意気投合、制服交換、同じ男の子を好きになり、気まずくなるが・・・。ありきたりの展開ではありますが、1990年代の台北、その頃の風情など、丁寧に描かれています。夜間に通わざるを得なかった少女のコンプレックス、背伸びをするためにつく嘘。それがバレた時のやるせなさ、等身大の少女の姿を二人の少女が演じ、その可愛いらしさがとても光っています。「今、どこにいるか」でなく「つぎどこにいくか」、この前向きな言葉が、夜間、全日制の枠を破ってくれましたね。台湾映画は久々ですが「1秒先の彼女」的なユーモアもあり、楽しめる作品です。
タイムスリップもしないし、不治の病にもかからず、何十年先も描かれない、ストレートなキラキラ青春映画です。
ずっと観たかったのですが、三周目に突入、大阪単館で、一日一回上映、もっと長く多くの人にみてもらいたい作品です。
台湾の90年代
他にもこの年代の映画は多くあり、スラムダンクがいつも出てくる。それだけで親近感が湧く。そして、当時の台湾文化がわかるのもいい。台湾好きには心地よい。携帯はなく、ネットも普及初めの時代には、純愛がよく似合う。主演の女性は25歳という事ですが、とても可愛らしく役柄にとても合っていました。
いいなぁ、10代の胸騒ぎ。
焼き増し感
ポスターに「ギデンズ・コー」と大きく黄色い文字で書かれており、「あの頃、君を追いかけた」監督の新作か〜と思って鑑賞。
冒頭から最後まで、またあの時代を同じようなラインでなぞってちょっと淡い恋で終わりか〜、全然変わってないな〜、位に思っていた。
エンドロールで、あれ?監督ギデンズ・コーじゃなくない?と気づく。
終わってポスター再見したら「ギデンズ・コー大絶賛」とあった。それにしても、ストーリーにあまり新鮮味を感じなかったのは私だけ?それとも「あの頃、君を追いかけた」から14年の月日が流れ、私の感性が鈍ってしまっているのか?
ノスタルジーではなく、今を切り取った作品がみたい。そう思った。
とはいえ、作品自体嫌いではない。違う自分、等身大ではない、誇張した自分を演出したくなる心持ちはよく分かるし、実際にしたことある人はいるだろう。私もそうだった。それによって多少苦い経験もした。礼節を保ち、他者に誠実に接しているなら、他はありのままの自分であればいい。そういう境地に立てるようになるまで、時間はかかるもの。そして、ありのままの自分を日々少しずつ成長させて、育てて、そんな自分を好きになれれば。誰かは気づいてくれるんじゃないかな。
あの時代から四半世紀以上経過して、主人公たちは今何をして、何を思っているだろうか?
ニコール・キッドマンとは渋いねぇ🤭
最初は低評価ながらも気にはなっていたので、1回、ネット予約でチケット買ったものの、別の用事ができたため、その日はチケットをドブに捨ててしまい、本日、別の用事があったので帰りがけにリベンジのチケット購入して、臨みました😏
いやいや、全然、面白かったじゃん😆
主役ではなかなかいないタイプの愛らしい女の子に感情移入してしまい、なぜか応援しまくっている自分がいました😅
普通なら、昼の部の女の子と彼氏の取り合いで仲違いして、最後はドロドロの殴り合いして、ようやく分かりあえるお決まりのパターンかと思いきや、いいお話やんけでした😂
まあ、昼の部の女の子も彼氏もいい人過ぎるぜって横槍入れたくなる人もいるかもしれませんが、最後は清々しく幸せな気持ちになれた事に文句を言ったら、バチが当たりますよ😌
期待していなかった事もあり、いい意味でそれを裏切ってくれた事で、4.0付けました🥳
爽やか台湾青春映画
若いということは、
それだけで素晴らしい!
限りない可能性を秘めていると思います。
台湾の教育制度について知識がありませんが、名門大学の入試をパスすることは大変なことでしょう!悩みが無いように見えていて、それぞれに悩みや劣等感を持ちながらも頑張っている.主要な4人はみんな良い子で、みんなを応援したくなります。
その後の4人の人生の続編も観てみたいです。
Accent
お互い劣等感と優越感
はじめは全日制と夜間部で机を共にする机友が、制服を交換して遊ぶ些細な嘘だった。
ちょっと悪いことを共有して、ちょっと背伸びして、なんだか優秀な学生になれた気がして。
ただそれだけなら、映画になんかなるはずもなく。
まぁ女子高校生だから、同じ男子を好きになるなんて、王道な恋が絡むと厄介だねぇ。
最初に会った時から正直に話していれば、こんなことにはならなかったのに。小愛は、後に引けないくらい嘘を重ねすぎた。
卓球の事も隠すことはなかったのに、全てで負けてる気がする敏敏に、優越感を感じたかったのかな。
しかし身から出たサビとはいえ、何も知らずに話を振った路克が悪者みたいじゃないか。
大団円とはいかない、ちょっとほろ苦い青春映画の良作。
やっぱり台湾映画は、ノスタルジックな雰囲気がよく似合う。
小愛とお母さんの歩み寄りは他にも出来たと思うし、地震エピソードはなくてもよかったんじゃないかなぁ。
冷戦のきっかけになった時の、お母さんが感情ぶちまけるシーンは良かったし、あの2人ならどうにか出来たはず。
青春だなぁ
とても懐かしい青春の甘酸っぱいような感じのする映画。
時代も25,6年前で、舞台も台湾なのでもっと昔のようにも感じる。
高校生なので思春期真っ只中よりは少し上だけど、幼さが残り素直になれずコンプレックスでいっぱいな女の子。
三角関係になって、めっちゃカッコいい男の子がさえない方を選ぶというところがありふれた少女漫画っぽいけど、演じてる女の子達が全然嫌味がなく可愛かった。
お母さんの気持ちが年を重ねると痛いほどわかる。
いいなぁ女子校!共学しか知らないから憧れる。
昔ってどこの大学に受かったかなんていう個人情報が新聞にフルネームで掲載されていたとは…
日本語タイトルはもっと考えてくれー
舞台や時代はもちろん、テイストも香港映画とも中国映画とも異なっている台湾映画。本作もシリアスな背景に昔の少女漫画的な要素も交えて楽しませてもらいました。主役級の男女が皆可愛らしいのも大切な要素。展開も正しく楽しく、109分間退屈せずに楽しめました。
しかしなんだよこの日本タイトルは。口コミに期待すべきサイズの映画なのに覚えられないよ。パンフレットの表紙にすら書かれていない、こんなのは初めて見た。原題と全く関係ない日本語タイトルでも別に良いんだけどこのタイトルはなかったかな。「デスクメイト」でどうかな。
一つ気づいたこと。ニュース画面で「北市」の表記。台北市は北市と略されるのか。
もう一つ、万国旗に大陸の旗は無かった様な。ちなみに大陸の万国旗には民国(とたまに日本も)無かったりします。
おかっぱメガネのアイ「アイの青春」
1997年の台湾の高校制度、学歴競争の時代背景があり、夜間部と昼間部で同じ机を共有するペアが交流する机バディという設定が面白かったです。友情、恋愛、大学受験、母娘の喧嘩など、高校生の青春が詰まった成長物語で教養映画の趣がありました。主人公のアイ、机バディのミンは可愛らしく、ルークは好青年。キャストは好感でした。映画館ではときおり笑いや、アイの成長シーンで涙しているかたもいらっしゃいました。
劣等感を乗り越え自分を変えようとする姿は尊い
本作を観て思うのは台湾も学歴を求めてかなりの努力が必要だということ。日本よりも韓国の学歴社会にイメージが近い。有名な進学校に入学するため高校浪人するってのは日本ではあまり聞いたことがないし、ましてや日本の有名進学校に夜間部なんてないし。
全日制と夜間部が同じ教室を使うため、同じ机を使う生徒たちが机友(実際は違う呼び方をするようだが)になるという慣習から生まれた物語。90年代後半の台湾の姿がリアルに描かれている気がした。知らなかったが、Mayday(五月天)というバンドも台湾の有名なバンド。彼らがデビューする前のライブを観に行くエピソードは、台湾の人にしたらものすごく身近に感じられるんだろう。「花道と流川のどっちか好き?」って質問で、日本の文化が台湾に浸透していることも伝わる。いろいろとリアルなんだよな。この脚本は自伝なのか?と思うくらい。
夜間部に入学した小愛が、机友である敏敏と仲良くなるのだが、全日制の生徒への劣等感と敏敏への憧れが入り混じる中、同じ男の子を好きになってしまうという流れ。小愛がいろんな場面で自らの状況を、そして自らの気持ちを偽るという話。嘘をついてしまった小愛の気持ちも理解できるが、そんな嘘はどんどん自分を追いつめるだけと理解している今の私(そして大多数の観客)は切ない気持ちになってしまう構図。でも、自己評価の低い小愛が劣等感を乗り越え、自分を変えていく姿は尊い。
正直、終わり方に少しだけ不満もある。恋の行方は?とか、どの大学に合格したの?とか。自伝的な映画だとその後の彼らの姿にも触れたりするのに。いや、でも高校時代の彼らを描くということが目的だったならこれでいいのかもしれない。彼らの高校時代を疑似体験し、切なくなったり、希望を胸に前に進もうと思えただけで満足すべきなんだろう。いい映画だった。
青春映画、泣けた
お母さんの節約はやり過ぎ
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