白の花実のレビュー・感想・評価
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過日の思路
意味深なタイトル、アンニュイな3人の女の子、強いコピーのポスターに惹かれて。
なんというか、すべてが曖昧な作品だった。
転校を繰り返してたらしい主人公が、「ここが最後」と言われて見学に行く様子から始まる。
どの学校でも上手くやれなかったらしい。
しかし、一年経つとルームメイトの莉花とだけは何やら親しげな様子。
ここに至るまでの変遷は一切描かれない。
そして人気者であった莉花の突然の自殺となるが、小説などではありがちなフックだったりする。
遺された日記がキーなのだが、わざとなのかあまりちゃんと読めない。
杏菜の前に現れた光る球体が本当に莉花かどうかも、こちらには判然とせず。
父親を恐がってたのは事実なのだろうが、その実態も描かれない。
莉花の栞への想いがどの程度かも不明。
動画に関してもハッキリとは見せず、担任の「撮った人を知ってる」の台詞も未回収。
莉花の死を、モブは誰も引き摺ってなさそうだし。
杏菜の言葉からも、莉花の気持ちを描かないことはむしろ大事なことだと理解できる。
でも、ここまでボカされて何を感じればいいのか。
日記を読んで杏菜に不信感を持った栞が、わざわざ親友の遺品を杏菜に返すのは解せない。
学校側の説明会や面談が今さら過ぎて不自然。
台詞回しやコンテンポラリーダンスの多用、折り重なるモブ女子のカットなど、どこか舞台的。
そういった様々な要素が睡魔を誘って辛かった。
門脇麦や河井青葉も出演しており、舞台も女子校、監督も女性なので、女性の方が受け取りやすいのか?
少なくとも110分必要な話ではない気がする。
テーマと雰囲気は良いがやや散漫。
自殺した優等生の謎を追うのか、少女の繊細な心情を描きたいのか、はたまたサスペリア(ダンスと女子寄宿舎)的ホラーにしたいのか、色々盛り込みすぎて背骨が入っていない。思春期女子の痛々しさと、モラハラ男の嫌らしさの描写だけが解像度が高いが、それが面白さに繋がっているかというとむしろ逆効果だろう。ダンス着姿で身を寄せ合う少女たちを群体のようにして撮ったシーンだけは美しくも変態的で良い。全体的に絵面は良いだけに、あの安っぽい人魂(?)描写だけは感覚を疑う。主人公だけが見えてる風に撮るのではダメだったのか?
あたしはあなたを、あなたはあたしに。
周囲へ馴染めず何度も転校を繰り返し全寮制の女子高に辿り着く次原杏奈に起こる話。
転校してから1年後、クラスの人気者・莉花の突然の自殺、なぜ莉花は?と学校で問題になり…、残された日記に書かれる“学校生活、プライベート、同クラス栞とのこと”、ある時から幽霊が見える様になった杏奈は、青白く浮く莉花の魂と会話し、その魂が杏奈へと乗り移り…。
コミュ障の杏奈が心を許し始めた莉花、そんな莉花の突然の死、その死は何故?と、学校での説明会、残される日記を見て死の真相へと近づいていくんだけど、ずっとず~っと静か過ぎて眠くなる。
序盤での“幽霊”と話し出しす描写から、これは思ってた作風と違ったな~って感じだった。で、結局死の原因はオヤジだったのかな?何か全てウヤムヤで。
池端杏慈さんが可愛いから観てられた♡
あいみょんの歌を思い出した人がいるかなあと思ってしまった
2025.12.26 アップリンク京都
2025年の日本映画(100分、G)
完璧に見えるルームメイトの死に遭遇する幽霊が見える転校生を描いた青春映画
監督&脚本は坂本悠花里
物語の舞台は、関東圏の山奥にあるキリスト教系寄宿学校(ロケ地は群馬県前橋市)
何度も転校を繰り返してきた次原杏菜(美絽)は、母・麻衣子(河井青葉)の決めた学校に転校することになった
そこはキリスト系の寄宿学校で、「ここがダメなら他はない」と圧を掛けられてしまう
学校には20人ほどの女生徒がいて、校長先生(山村崇子)と担任の澤井(門脇麦)たちが世話をしていた
澤井は「年に1度、ダンスを披露する」という学内行事の説明をし、そのために2年生から指導を行なっているという
そして、代表として大野莉花(蒼戸虹子)がダンスを披露することになったのだが、杏菜はそこで体育館の隅にある何かに反応し、「あなたも踊りたいの?」と声を掛けてしまうのである
映画は、その1年後に杏菜と莉花がルームメイトになっている様子を描き、そこで莉花が杏菜に対して「私のなってみない?」という奇妙な問いをかける様子を描いていく
杏菜はそれを拒むものの、それが今後起きる事件に関するものとは思わなかった
翌朝、騒がしい構内にて、誰かが飛び降り自殺をしたという話が舞い込んでくる
そして、それが誰からも好かれ、完璧に見える莉花だったことから、学内には動揺が走った
学校は第三者による調査委員会を設立し、調査員がヒアリングを行うと発表する
そして、それと同時に定期帰宅の日が訪れることになった
帰宅の用意をしていた杏菜は、自分の机から莉花の日記を見つけてしまう
そこには、寄宿学校に来た時からの日々が綴られていた
莉花の親友の栞(池端杏慈)にも話せないまま、杏菜はそれを自宅に持ち帰ることになった
その後杏菜は、自宅でフラワーアレンジメントの教室を開いている母に悪態をつき、栞は、姉・朱美(山本藍)の婚約に動揺を隠せない日々を送っていく
その後に行われた調査に対しても、彼女たちは心当たりなど浮かぶこともなかったが、杏菜は頑なに日記のことを誰にも口外することはなかったのである
映画は、杏菜が莉花の日記を読み始めた途端に光の玉が彼女に現れる様子を描いていく
それは莉花の魂のようで、霊的な感覚がある杏菜に何かを訴えかけているようにも思える
だが、莉花の代わりにダンスをしようとしても拒否され、「私になってみたい?」という問いの答えはわからないままだった
そこで杏菜は栞にだけ日記の存在を告げるものの、莉花の魂が自分の中に入ったなどという意味不明な説明は理解されない
そして、学校は第三者委員会における報告会へと突入してしまうのである
映画では、莉花らしき人物がベランダで喫煙している動画が出回ったりするものの、それが何の意図でばら撒かれたのかはわからない
杏菜のリボンに対するいじめのようなものも示唆されるものの、その犯人探しも行わない
これらは映画の主題と直結していて、「誰かの死の謎解きは興味本位で好奇心を埋めるためのものに過ぎない」という莉花の言葉にも集約されている
莉花がどうして死んだのかを深堀りする一方で、一緒に過ごしてきた生徒のケアは行わない
杏菜の言う「生きている人に対するもの」と言うのは誰しもが持ち合わせるもので、莉花の死に対して誰かを結びつけても、それは憶測でしかない
彼女は「誰にも何も言わずに飛び降りる決意をした」と言い、それ以上に語るものはないとも言えるのだろう
莉花がどのような状況にあって、おそらく死因はこうだろうと言うのもは映画からも汲み取ることはできる
だが、それらは過去にあったものを当てはめているだけに過ぎず、それが正解かどうかはわからない
期待されることへのプレッシャー、父(吉原光夫)との何らかの関係があったとしても、澤井の言う「それは暴力だ」と言う言葉も正解ではないのだろう
そう言った的外れを「これは試練なんだ」と言ってしまう澤井に対するアンチテーゼにもなっていて、これが若者の死を取り巻く大人たちの思考回路であると訴えているようにも思えた
いずれにせよ、感覚的に捉える作品であるものの、人の気持ちは語られてもわからないと言うのが本当のところなんだと思う
それぞれが「あの時のあの言葉が」と思い起こしても、それが正解かどうかは確かめようがない
自分自身で心当たりを探っても意味はなく、教訓として残るとするならば、もし自分がそのような時に陥った時に「どう発信するか」と言うことなのだろう
誰かに助けを求めるとしても、「近くにいる大人」では意味がなく、かと言って近くにいる同世代も遠いところにいるし、家族だから話せないこともある
そんな中で、「自分の心」を杏菜が母親に曝け出すシーンは意味があり、その答えとしての「大人になれば自然と折り合いがついてしまった」と言うものが救いになるのか圧になるのかはわからない
だが、本音をぶつけることで見えてくるものがあると思うので、そういった関係になることが一番大切なのではないか、と感じた
主人公の成長の物語でもある。
ルームメイトの自殺が中心に据えられるストーリーだが、主人公の成長という意味では、ポジティヴな物語でもある。リカのお父さんは変なヒトだったなあ。
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