劇場公開日 2025年9月12日

「遠くの身内より近くの友」最後のピクニック ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 遠くの身内より近くの友

2025年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主要な人物3人の「死」について想いを馳せ、その3人を取り巻く「家族」との関りについても考える、そう遠くない未来、実際に我が身へと降りかかる問題を見せつけられた気がした。
しかし、スクリーンからは行く末を案じた悲壮感は伝わらず、かえって清々しさを覚えてしまう。
それは女性二人の歯に衣着せぬ言葉のぶつけ合いや、「初恋の人よ!」と明るく言い続けられる男性の偽らざる言葉の発露がそうさせているのだろうと感じながら、時にクスりと笑いながら最後まで観ることができた。
家族だからここそ慮って言葉や態度を濁してしまう場合もあるだろう、それこそ遠い(現実の距離であったり、心が離れていたり、それは様々な意味で乃【遠い】ということ)身内よりも近くの(これは距離ではなく、同じ時を歩んできた者同士の記憶や感情の【近さ】)友が勝ることは有るよなぁとしみじみ思った。
そういった意味では満点に近い星を付けたくなるのだが、ラストのシーンは、これから先を暗示させるもので、それを考えると手放しでは喜べなくなってしまうので、このような評価になってしまったが、どの国でも共通の親子あるあるを見事に描いた素敵な作品だと思いました。

ニコラス