ひみつきちのつくりかたのレビュー・感想・評価
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おっさんたちの悲哀
このおっさん4人のキャラそれぞれの群像劇になっていて
実にリアルで共感できた。
なんとノンフィクションらしい(エンドロールで確認)。
なるほど、だからリアルに感じたのか。
ただ、それだけではなく、演者の巧みな演技及び監督の手腕によるところが大きい。
ひみつきちをつくろう!という少年時代に戻ったような
おっさんたちの楽しそうなシーンとか、
TV番組に取り上げられてからのコンフリクトとか、
その後に訪れるそれぞれの悲哀とか、
あぁ、と共感できてしまう。
それは自分の実体験や知人の状況などに思いを馳せることができるからだろう。
(年齢もほぼ同じだし)
おっさんたちの会話の独特の間も良い。
空白を感じる場面が多いのだが、
それが本作全体をゆるっとした雰囲気にしていると思う。
4人の関係が修復される仕舞い方も秀逸。
50代のおっさんのみなさんに是非観ていただきたい作品だ。
それなりに頑張ってた映画
自主映画ですが、面白かったです。
大人の男性が、子供の時に目指していた秘密基地を作ろうとする話。
結局、テレビで紹介したら悪ガキにバレて壊されてしまうのですが。
何となく爽やかに終わってました。
出逢った頃のように
おっさんの青春を感じられそうで、予告すら見ずに鑑賞。
「“大人の事情”が立ちはだかる」とあったので、行政や近隣住民とモメるのかと思いきや内々の話でした。
コメディとは理解しつつも、葬儀に遅刻したり半袖やボタンダウンシャツ、果てはジャージを着てきたり…
会話もブラックというより不謹慎。
基地づくりを通して童心に還る流れを想像してたので、はじめから子供オヤジなのは少し残念。
ただ中盤はそのノリのわちゃわちゃが楽しい。
子供の頃にも出来た方法だけで、という縛りもあるが、思い出話をしながら作業する様はまさに青春。
(園芸用スコップで70cm掘るのは無理ゲーだが)
しかし豊永の態度は引っ掛かり、御手洗にケガをさせても謝りもしない。
更には工藤が勝手にTVの取材を受け、挙句に許可もなくみんなの顔まで晒すという有り得なさ。
何故かひと晩で場所が特定され秘密基地は破壊。
この流れでの離散となるが、豊永にも工藤にも言い分に正当性がゼロなので「そりゃそうだ」としかならん。
その後は地元組と都会組とでそれぞれの人生を肯定するような会話が展開するが、やや間延び気味。
そして冬になって再集合からのなし崩しの和解エンド。
この辺もうちょいなんとかならなかったかな。
それぞれの家族のことも上手く絡んでおらず、豊永に家族がないことが一番活きてたような…
山上が元妻相手に一歩踏み出すのも、本筋との繋がりがビミョーだし。
亡くなった佐藤が秘密基地に何か想いがあったとかでもなく、作品として纏まりが不足してた。
シュレッダー越しなど面白いカットはある。
虫やメダカといった生き物のインサートも印象的だったが、“止まれ”の標識を出すタイミングは早すぎでは。
題材や雰囲気はよかった分、勿体なかった印象。
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