轍を越えてゆけのレビュー・感想・評価
全2件を表示
かもめ
オリジナルアニメを劇場公開ですと聞いたら即座に劇場に足が向かってしまう人間でございます。
東京に越してきてから様々な作品が観れてありがたいです。
入場特典はイラストカードでグロースでした。
30分に詰め込んだオリジナリティ溢れる世界観、魅力的なキャラクターたち、作りとしてはプロトタイプであるのでやはり尺が足りないな、もっと見たいなとはなりましたが、クオリティもめちゃくちゃ高くて面白かったです。
世界大戦が終戦した後の雪国が舞台になっており、放置された生物兵器を掃討する戦争大罪人であるライヒトが想いを寄せるエススや同僚のグロースとの任務の中、雪山に姿を消したエススを探しにいくライヒトの心情を描いた作品でした。
ストーリーに関してはほんのりとした語られないので、あらすじを読んでないとスッとは掴めない気もしますが、じわじわとストーリーが入ってくる安心仕様ではありました。
体の一部を武器に変化できるっていうのは最高の設定で、腕がギュンギュン変形して銃や剣に変わるのがワクワクさせられました。
やっぱ人間はみんな武器人間が好きなんだと思います。
雪国なのに童貞を殺すセーター×ハイレグの組み合わせは寒くないか?と思い、質問コーナーの時もこれを質問しようか迷いましたが、さすがに大人数がいる場でこんなセリフ言おうもんなら劇場がとんでもない空気になりそうだったのでソッと胸に留めておきました笑
自主製作の作品だと製作の癖なんかが出てしまい、それが悪い方向にいってしまうことも多々あるんですが、今作はハイレグと胸の形が丸ドンってなっていたことぐらいで控えめだったのが作品に余計な情報が入ってこなくて良かったなと思いました。
モンスターとのバトルやモンスターの造形がこれまた素晴らしく、スピード感のあるバトルに禍々しいデザインのモンスターがとても良かったです。
モンスターバトルが膨らんで1本の作品になっても面白いだろうなと思いました。
過去の喪失と進んでいくための未来、終盤は少しだけフワっとしていましたが、荒廃した世界で笑っていける世界ならば良いなと思わせてくれました。
舞台挨拶では声優陣大集合で和気藹々としていてほのぼのしました。
プロデューサーが緊張しまくっててこれまた微笑ましかったです。
最初の劇場公開でいきなりハイクオリティな作品が出てきたので、監督や会社の今後の作品がとても楽しみです。
鑑賞日 10/12
鑑賞時間 20:50〜21:20
将来が楽しみ
学生インディーズ作品で、ノリは『運び屋マキちゃん』や『DAICONフィルム』を思い出す。
予想以上に、楽しめました。
上映後のトークショーつきで、監督いわく「キャラクター依存ではなく、動きや話の流れで引き込める『ルックバック』みたいな作品を目指した」そうで。
監督もスタッフもプロではないから、技術的には未熟な部分はあったものの、そんな意欲がしっかりフィルムに出ていたように思えました。
将来が楽しみな若手が出てきたな、という印象です。
好みの話ではあると承知しているんですが、「2人で割り切って腹の底から笑いあう」ラストではなく、「エススは躊躇の上の泣き笑い」「ライヒトの笑顔を見たから」みたいなニュアンスで演出・演技させた方が個人的にはしっくりきたはず。
そこができなかったのが、人生経験の少なさと言う意味での「若さ」が出たのか、コスト&時間&技術的にカットしたのかもしれずその判断も「若さ」なのかもなと……
監督・プロデューサー・スタッフは、もう少し(邦画洋画問わず)実写名作を見たほうがいいだろうし、アニメから学ぶだけじゃ足りないとも思いました。
と、若干の老害ムーブを醸し出しつつ。
監督、スタッフがSNSのハンドルのままの名前表記しかなく、なんて読むのかがわからず、覚えられないのに困った(エンドロールに本名があったのは幸い)。
将来、皆がもしアニメーションを仕事にしたときに、この作品が記念碑的になればいいな、と温かい気持ちにもなれました。
全2件を表示

