「実験作。惜しい。」三谷幸喜「おい、太宰」劇場版 わかとあきらさんの映画レビュー(感想・評価)
実験作。惜しい。
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キャストの演技はすごくいい。細かい点で田中圭の演技が惜しい。長丁場とセリフを追うにいっぱいで中盤からバテバテになっている。笑わせる演技に昇華できていないように見える。
例えばスマホを自慢しておきながら回線が繋がらないシーン…で、田中は最初から浮ついてオドケていた為イマイチ笑いの沸点に届かなかった。
あの場面ならキザッたらしくカッコつけて自慢しようとしてうまく使えずズッコケる…的な演技があっていたのではないかと思う。コメディは前振りとオチの落差が必要…こういう演技は近藤芳正さんが上手い印象。
おそらく三谷サンの脚本も演技指導も推敲不足で、いつも通り例によって締め切りに間に合わなかったのではないかと。急ごしらえでストーリーとギャグが噛み合っていない点が散見される。
意味ありげに伏線のように置かれたものが生かされていない…箇条書きにすると
・梶原善の漁師の話は本筋と関わりがない
・カラの祝儀袋はギャグになっていない
・洞窟で梶原善に取り上げられる防災グッズのライトは特別意味がない
・宮澤エマの海にメガネを投げ捨てたのにあっさり見つける
…など特にネタとしてこれから発展させる段階なのに執筆途中で止めてしまったかのような印象を受ける。
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