「田中圭が映画の中でも不倫しそうになるコメディー作品。三谷幸喜のじわじわくる笑いが本領発揮した良作。」三谷幸喜「おい、太宰」劇場版 おつろくさんの映画レビュー(感想・評価)
田中圭が映画の中でも不倫しそうになるコメディー作品。三谷幸喜のじわじわくる笑いが本領発揮した良作。
上映開始後すぐにアバンもなく画面いっぱいのタイトルがドーンと出てくる昭和の匂いがプンプンするオープニングで軽いジャブを打ってくる三谷監督。こういうの嫌いじゃないです。
舞台は鎌倉付近の漁村っぽい海岸という設定。ワンカット・ワンシーンで製作という事だったので細かく注視していましたが、ドローン空撮から地上目線に変わった部分で微妙な揺れを感じました。これをカメラチェンジととる人もいるかも知れませんが、最近のムービーカメラが小型化されたとはいえ、手持ちのブレ補正装置も付いている機器を一人のカメラマンが100分以上も持って走り回る撮影手法なので、ここは仕方がない部分だと思います。
ここから漁師の梶原善と田中圭・宮澤エマ夫婦を巻き込んでのタイムスリップ・コメディーへ突入していくのですが、ロケハンをしたスタッフの感性が良いのか、このロケ地がこの映画のために存在しているような超優良物件なんです。広すぎずにコンパクトで、砂浜を均したり小屋のセットを作るのに丁度良い大きさだし、近隣住民の生活道路ではないので見切りはないし、タイムスリップのキーになる絶妙なトンネルが松山ケンイチと小池栄子が待つ昭和5年の海岸とつながっているし、一人三役をこなして早着替えをする梶原善の熱と相まって観客を飽きさせません。前作の「スオミの話をしよう」では、長澤まさみ様の演技力に頼り過ぎて滑ってしまい、良い結果を残せなかったので観るのに勇気が必要でしたが、素直に笑える部分が多くてこの作品は成功だと思います。
エンドロールを観ずに帰ってしまう人が結構いますが、この作品、エンドロールの後に小池栄子が令和にタイムスリップする別バージョンのエンディングがあるので、見逃さないようにご注意ください。
【オマケ】
2026年製作開始、2027年中に公開の予定で、「コンフィデンスマンjp」四作目の計画が進んでいるようです。三浦春馬・竹内結子と大切なキャストを亡くしてしまい、東出昌大・広末涼子はアレな状態だし、この欠けたピースに松山ケンイチ・梶原善・小池栄子・宮澤エマをはめ込めば、今までの作品以上の良作に仕上がると思います。
コメントありがとうございます。
今作は、私にはギリでしたね。劇場もお客さんが3人でしたし笑いなし。同じシチュエーションの「大空港」みたいな作品を観たいモノです。では。
おつろくさん、共感とコメントまで戴き有難うございます。
思い出したのですが、以前「カメラを止めるな」も観た事がありました。「おい、太宰」は背景がほぼ変わらないと言う事もあってか、映画って感じがしなかったんですよね。シュールにも感じられました。素人の感想ですが😓