ロマンティック・キラーのレビュー・感想・評価
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それぞれの推しが違うように、イケメン判定も個々のものだと思うのだけれど、果たして
2025.12.12 イオンシネマ久御山
2025年の日本映画(106分、G)
原作は百世渡の同名漫画
恋愛に興味ないJKが魔法界の騒動に巻き込まれる様子を描いたラブコメ映画
監督は英勉
脚本は山岡潤平
物語の舞台は、日本のとある地方都市
ゲームとネコとお菓子にハマっている女子高生の杏子(上白石萌歌)は、学校では抜け殻のようになっていて、唯一の友人・咲姫(上坂樹里)の誘いも断って、一目散に自宅に帰ってゲームばかりしていた
そんな折、彼女の前に魔法使いのリリ(声:伊藤俊介)が現れ、恋愛パワーが薄れていることで魔法界が大変なことになっていると言い出す
リリの話に興味を持てなかった杏子だったが、彼の魔法によって愛猫はクマムシに変えられ、お菓子も◯◯に変えられてしまう
そこで杏子は「私が恋愛をしなかったら、変身させたものを元に戻してもらう」と言い、リリもその申し出に乗ることになった
期限は1ヶ月、その間にリリは様々な恋愛トラップを仕掛け、杏子はそれを一身に受けながら、恋愛をしないことを貫くことになったのである
映画は、そんな杏子の前に、イケメンクール男子の香月司(高橋恭平)、イケメンになった天然幼馴染の速水純太(木村柾哉)、イケメンの大金持ちの小金井聖(中島颯太)が現れると言う展開になっている
そして、それぞれとの劇的な出会いを描きつつ、香月と聖は転入生となり、別のクラスの純太も強引に巻き込まれていく
様々な恋愛に落ちるエピソードというものを盛り込んできていて、最近のものからアラフォーじゃないとわからないんじゃないの?というものまで登場していた
主演クラスのファンの人向けの作品で、ヒロインが絶対に恋をしないという設定なので妙な嫉妬心が湧くこともないのだろう
映画は、ある意味、ルッキズム最重要視という価値観になっていて、心は清いけどイケメンではないという人物は現れない
画面に映るのはほぼイケメンで、一部はネタ扱いになっているが、それはそれでどうなのかと思ってしまう
とは言うものの、そこまで深く考えるものではなく、あらゆる恋愛エピソード&トラップにどこまで耐えられるかと言う展開になっていた
恋愛感情の芽生え、告白などの通過儀礼のある恋愛脳に支配された世界なので、いきなり行為から入る(キス&セックス)と言うものはなかったりする
あくまでも「第一印象」「ギャップ」などを重視していて、心理的な恋愛展開を主軸に置いていた
ボディタッチはほとんどなく、壁ドン&お姫様抱っこがあるぐらいで、どのイケメンも抜け駆けをするような感じにもなっていないし、ライバルに嫉妬心を抱くのも純太が瞬間的にある、と言うぐらいのものだった
実際に恋愛に落ちると言うものは、瞬間的なDNA同士の結びつきのようなものから、相手を異性として見てしまうエピソードなどを通じて起こるもので、その差異というものはそこまで描かれていない
また、恋愛における障壁というものは杏子の価値観だけで、相手側にそれが伝わることはなかった
誰もが杏子の自主性を尊重し、自分の思いを一方的に押し付けたりはしない
リリ(高橋ひかる:人間界の姿)は「相手の気持ちは本物だ」というのだが、彼らは杏子を自分のものにしようと積極的には動かず、むしろ舞台は整えるけど受け身という感じになっていた
聖は「好きになってもいいぞ」スタンスだし、純太は「想いを告げられたら満足」スタンスだし、香月に至っては「好意を持っているのかすら出さない」というスタンスだった
この3人以外には積極的なアプローチがあるのだが、それも単なるエピソードつなぎになっていて、核心的な3人が受け身では意味がないと思う
リリは彼らをセッティングはできるけど行動を支配はできないのだが、それにしても魔法界の存亡が掛かっているのに、選ぶ相手が間違っているように感じる
受け身男子の寵愛を受けるのが杏子というキャラクターだとしても、彼女が肉食系でないとダメなのだし、結果的にはアガペーを落とし所にしているのは微妙だろう
もし、成就という展開を迎えるなら、アガペーの後に「実はオンラインゲームで一緒に戦っていた人が3人の中にいた」みたいな展開があるとか、ゲーム内チャットで相談していた相手が現実に現れるなどの展開があっても良かったと思う
その辺りが原作にないから入れないのかはわからないが、期限後になんらかの恋愛が始めるという方が、映画的には良かったように思えた
いずれにせよ、イケメンを堪能する映画なので、細かいことを考えて観てはダメなんだと思う
それでも、男性目線だと気になることは多いので、その辺はスルー耐性が問われているということなのだろう
誰しもがイケメンに恋をするわけでもないし、イケメン判定は個人個人で違うものなので、そう言った側面の深掘りもしないのはなんだかなあと思ってしまった
超くだらない
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