「設定描写がお粗末過ぎないか?」ロマンティック・キラー 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
設定描写がお粗末過ぎないか?
上白石萌歌には興味が薄い俺なので、観るか観まいか若干の迷いを感じつつ、お正月作品公開前の狭間のような今週はめぼしい公開作品が少なかったので、笑わせてくれるのかな? と観賞してみた。
【物語】
ゲームとチョコ菓子と愛ネコがあれば他にはなにもいらないインドア女子高生・星野杏子(上白石萌歌)は学校が終われば即帰宅して自室にこもる毎日。そんな杏子の前に突然魔法使い・リリが現れる。
魔法界の住人は人間の恋愛エネルギーを糧にして生きているが、近頃人間の恋愛エネルギーが減少の一途を辿り、魔法会の死活問題になっているとリリは勝手なことを言う。リリは杏子に恋をさせることが自分の使命だと語り、彼女からゲームとチョコと猫を取り上げてしまう。激怒する杏子は1か月恋をしなければ、それらを返すことをリリに約束させ、杏子とリリの1か月のバトルが始まる。
それ以来、杏子の前にリリが仕向けるイケメンたちが次々と現れる。自分の日常を取り戻すため、リリが繰り出す恋愛トラップを杏子は振り払い続けるのだが、その中の3人の男子とは距離が徐々に縮まって行く。
【感想】
駆け出しアイドルではなく、一定のポジションを既に築いている上白石萌歌を主演に立てているのだから、もう少しまともな作品かと思っていた。 特に序盤に描かれるリリという架空の設定がひど過ぎる。 映画の世界では、この手のファンタジー架空キャラは時々見かけるが、その中でも唐突感が際立っていた。過去の架空キャラ作品を思い返すと、可愛がっているぬいぐるみ等、これに命が有ったらいいなという願望も含まれた擬人化パターンが多いのではないか。しかし、本作の場合は何の前触れも無く、杏子も観たことも聞いたことも無いキャラが突如現れる。その割には杏子も最初は多少驚きはするものの、その存在自体はあっという間に受け入れてしまう。冒頭の設定描写があまりに乱暴で幼稚。
その後の展開も褒められたものではなかった。中盤まではあたかもラブコメ映画のダイジェスト版かのようなドタバタ劇早回し。終盤はそこそこの展開が見られるが、胸キュンさせる展開はほとんどない。 コメディーとして笑わせてくれたかと言うと、その期待も裏切られる。
この手の若年層向けラブコメ作品の場合、普通は俺にとっての主目的はヒロイン観賞で、その目的が果たされれば、作品の出来はお粗末でも満足するのだが・・・
上白石萌歌の場合演技力は認めるが俺がヒロインに求める「そこにいるだけでスクリーンに引き込まれる」輝きには乏しい。本作唯一の救いは、杏子の親友役で出ていた上坂樹里。朝ドラヒロインも控えておりネクストブレイク有力候補となっている彼女、上白石と並ぶと明らかに勝るルックスを楽しむことができたこと。 1年前くらいに注目し始めた俺だが、出会った作品はまだまだ少ないので、色々未知数だが「いるだけで引き込まれるヒロインとして輝くかも」という期待を持てた。
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