「英勉の技が光る超傑作」ロマンティック・キラー Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
英勉の技が光る超傑作
冷静に考えたらダメダメな作品なの。
荒唐無稽すぎるしね。
上白石萌歌はうますぎて、他のイケメンと演技のレベルが合わないし。
「英監督をもってしても外すことあるんだ」と観始めたときは思ったからね。
「《センセイ君主》は浜辺美波オンステージだったけど観られたなあ。でもあれは竹内涼真か。あ、浜辺美波主演ならこの作品も観られるかも」とか思ったの。
でも、観ちゃうんだよね。これが不思議。
それでだんだん面白くなってくるの。
でも、上白石萌歌はやっぱりこの作品に合ってないんじゃないか、まだ広瀬すずの方がとか思いながら観てるんだけど、観ちゃう。
これが英勉監督の技だね。すごいよ。
ストーリーは恋愛もののベタ展開をおちょくることしかやってないから。
それでもだんだん引き込まれる。
文化祭で竹取物語やるって決まって、求婚者役にイケメンあててくと女生徒がいっせいに『いいね!』するあたりは、完全に面白くなってた。
咲姫ちゃんがかぐや姫役に決まると男子生徒の『いいね!』が入るのも面白かった。
文化祭当日に攻め込まれると竹林が戦うんだけど、咲姫ちゃんも戦うのがいいね。
そこから『明日、俺は……』『明日、俺は……』『明日、俺は……』のベタ展開で、「おお、いよいよ誰かを選ぶのか。どうすんだ?」と完全にのめり込んだね。
高橋ひかるが『誰かに決めてくれないと、私たちの世界が……』ってシリアス展開に入っているのも効いてる。
パラレルワールドの上白石萌歌が出てきて『誰かに決めなきゃ』ってシーンは面白くていいね。
あのイケメンたち無駄に出てきたんだろうけど、どこかのパラレルワールドでは選ばれてるんだ。
たくさん出てきた上白石萌歌はAI加工で顔を揃えてるんだけど、端の方はサボってて、背格好と髪型だけそろえた女優さんそのままなのも、なんか良かった。
「さあ、誰なんだ」の展開は、騙された。「えー!」と思ったもん。
一番最初に香月司が登場してるし、ストーリーとしては上白石萌歌と香月司の話だったから、結局、そこいって終わると思ってたんだよね。
まとめようのない話をアガペーでまとめるとは。
この作品、端役までイケメンがいっぱい出てくるんだよね。
ファンの人たちは、出演機会をもらえて嬉しかっただろうな。
役者はなんか高橋ひかるが良かった。
うまくないんだけど、段々うまくなってる感じもしたし。
空港まで飛ぶところで矢本悠馬が出てきたのは笑った。
キャスト観てたら工藤新一役が高杉真宙だったのは「豪華すぎる!」と思った。
《賭ケグルイ》からのキャストだね。
冷静に考えて、絶対に面白くない作品のはずなのに、面白く観ることができて、傑作を超えてくる超傑作だと思ったよ。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
