「興奮と多幸感に包まれる」劇場版「JAZZ NOT ONLY JAZZ」 たもさんの映画レビュー(感想・評価)
興奮と多幸感に包まれる
昨年現地参加したライブでの興奮が忘れられず、映画化すると聞いて丸の内ピカデリーで鑑賞してきました。
石若駿セプテットをホストバンドに、Jpopの名手たちと上原ひろみをゲストに迎えた、ジャズとポップスの境界超えをテーマにしたライブ。
演奏・アレンジの上質さで全編楽しめた中で、白眉はアイナジエンド、上原ひろみ、そして全員参加のアンコールでした。
アイナの「私の真心」は、曲自体が持つ熱量が、アイナの情念あふれる歌・踊りとバックの演奏によって高まり続けていき、興奮の渦の中で気づけば涙が流れていました。(現地鑑賞時も同じ体験をしました。)アイナの退場の仕方も愛嬌があり印象的。
興奮と涙で半ば茫然とする中で、それを冷ますような大橋トリオのリラックスしたトークと演奏も上質で素敵でしたが、最高潮はやはり上原ひろみ。
キラーチューン「XYZ」を石若駿の音色感のあるドラムで聴ける幸せ。しかしそれ以上に上原ひろみが圧倒的で、複雑・高速な変拍子の中で繰り出される力強いタッチと見事な構成のソロにただただ釘付けに。
かと思えば、続く「Return of Kung-Fu World Champion」ではギター西田修大が上原ひろみとのソロバトルで互角以上に渡り合い、会場をこの日一番の興奮の渦に。曲の終わりでは映画の中の観客と一緒にスタンディングオベーションがしたい気持ちでした。
そして全員参加のアンコールでは、誰もが知る名曲のイントロが流れた瞬間に会場からわく拍手。ひたすら多幸感のあふれる素晴らしい時間となりました。
エンドロールで流れたリハーサルや舞台裏の様子も興味深く、カメラワークも迫力のあるもので、単にライブを追体験できただけではない、とても価値のある時間となりました。
※1点だけ、、
ドルビーシネマとのことで期待が高まりましたが、上映前に流れたドルビーシネマのサンプル映像が洗練されすぎていて、本編は映像・音響ともそれよりかなり解像度が下がっていた点だけ惜しく感じました。5分で慣れましたが。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。