「正直とても悲しいです。」WIND BREAKER ウィンドブレイカー あさんの映画レビュー(感想・評価)
正直とても悲しいです。
原作を読んでいる立場からすると、
物語の核となる部分がかなり違った形になってしまっている印象を受けました。
まず、舞台の雰囲気が“沖縄”として強く前に出すぎており、
WIND BREAKERが持つはずの、少し影のある街の空気や温度が
大きく変わってしまっていたように思います。
背景の主張が強く、キャラクターや物語より
ロケ地の印象が先に立ってしまうのは、
作品の世界観としてやや噛み合っていないように感じました。
また、原作で非常に大切な
「喧嘩=対話」 というテーマがほとんど活かされておらず、
獅子頭連の行動が破壊行為として描かれてしまうことで、
彼らの持つ“力の信念”や“矜持”が別物のように見えてしまう点は残念でした。
その結果、原作では丁寧に築かれていた
理解や和解の流れにも説得力が生まれにくくなっていた印象です。
さらに、時系列の大きな改変が入ったことで、
キャラクター同士の関係が積み上がる前に
印象的なシーンだけが次々に展開されていき、
物語の流れに十分な深みが生まれにくくなっていたように思います。
原作で大切に描かれていた
「相手を知っていく過程」が薄れてしまったのが惜しいところでした。
また、アクションや演出面でも、
原作のトーンとは少し違う方向性が強く、
シリアスな場面のはずがコメディ寄りに見えてしまったり、
キャラクターの行動が浮いて見えたりする箇所もありました。
全体として、
原作の持つテーマ性やキャラクターの心の動きが
十分に反映されていないまま、
象徴的な場面だけを抜き出してつないだような印象があり、
“WIND BREAKERらしさ”が薄れてしまっていたように感じます。
とはいえ、原作が好きだからこそ気づく部分でもあるので、
そういう意味では「体験として見ておく価値」はあったのかもしれません。
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