「淡いポップ感で進む普遍的な文化愛のブルース」テレビの中に入りたい 石岡将さんの映画レビュー(感想・評価)
淡いポップ感で進む普遍的な文化愛のブルース
思春期にとあるTV番組にのみ夢中になった男と女の人生模様。
この映画はワンシーンでも自分の感覚とシンクロして共感が出来れば、たぶん作品全体が何とも言えない愛おしさに包まれるんじゃないかな。
まず暗さの中に漂うカラフルな色彩が良いし、架空の番組「ピンク・オペーク」がVHSの質感を含めて絶妙に素晴らしい(ミスター憂鬱メチャ格好いい)。台詞の適度な細かさも面白くて素敵。
そしてクライマックスの痛みと、ラストシーンの寂寥感。
あまり期待せずに観たら思いの外良くて嬉しくなった。主人公の心の叫びはまるで自分を見ている様でした。
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