「【ピンクの混沌】今作品は居場所がTVのみだった少年が、成長する中でも閉塞感を脱せないまま、年齢を重ね、精神に異常を来すメランコリックスリラーである。」テレビの中に入りたい NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ピンクの混沌】今作品は居場所がTVのみだった少年が、成長する中でも閉塞感を脱せないまま、年齢を重ね、精神に異常を来すメランコリックスリラーである。
ー 1990年代のアメリカ郊外を舞台に、自分のアイデンティティにもがく若者たちが深夜番組の登場人物に自らを重ねる姿を、不穏かつ幻想的に描いたメランコリックスリラー映画。ー
■冴えない毎日を過ごすティーンエイジャーのオーウェン(ジャスティス・スミス)にとって、毎週土曜日の22時30分から放送される謎めいたテレビ番組「ピンク・オペーク」は、生きづらい現実を忘れさせてくれる唯一の居場所だった。
オーウェンは同じくこの番組に夢中なマディ(ジャック・ヘブン)とともに、番組の登場人物と自分たちを重ね合わせるようになっていく。
しかしある日、マディはオーウェンの前から姿を消してしまう。
残されたオーウェンは、自分はいったい何者なのか、知りたい気持ちとそれを知ることの怖さとの間で身動きが取れないまま、時間だけが過ぎていくのであった。
◆感想
・今作品はA24本来の、若手映画製作者に思った通りに作品作りをさせるスタイルを貫いている。
・故に、アーティスティック過ぎるシーンも多数あるが、私はこれで良いと思う。
・今作品では、劇中に流れる曲も格好が良い。特にゴシックパンクの曲を演奏するシーンかな。
◼️劇中で、歳を重ねたオーウェンが昔、夢中になって観た"ピンク・オベータ"を観て、”全然面白くない"と呟くシーンがあるが、それはオーウェンが成長した事を意味しているのだが、彼は自分の成長を受け入れられず、精神を病んでいくのである。
そして、それは、失踪したマディも同じなのである。
<今作品は、青春期の閉塞感から抜けられずに、年齢のみを重ねた男女の姿を、シニカルに描いたメランコリックスリラーなのである。>
<2025年9月28日 日本最古の営業映画館長野相生座・ロキシーの相生座にて鑑賞>
<2025年9月29日 追記>
◼️さあ、今から宴会じゃなかった、歓迎会だあ。お仕事、お仕事。呑み過ぎ注意だね!と昨晩書いたけれども、飲み過ぎた・・。
