「リアルさが感じられず乗り切れなかった」殺人配信 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルさが感じられず乗り切れなかった
動画配信を題材にした映画はいくつか観てきたが、現実と配信映像を切り替えることで、自分たちが観ている映像は切り取られたものであることを意識できるものが多かった気がする。制作側の意図とは別かもしれないが。
本作は、WAGという動画配信サービスの映像を観ている体のまま進む。配信者がカメラマンに話すことも入っていたりするからある意味リアルとも言えるが、どうにもリアルさを感じない。ウサンが流す殺害現場の写真や別の配信者の飛び降り自殺シーンを見せられてもどこまでが本当に起きたことなんだろうと思ってしまう。警察が捜査していたり、マスコミが報道したニュースが流れるシーンがないからかもしれない。
ウサンがマチルダという配信者とコラボした動画をきっかけに、ランキングを抜かれたり、マチルダが誘拐されるといった事件が起きるが、どうにも気持ちがついていかなかった。ウサンはプロファイリングで犯人を追いつめる!と豪語した割に、思い込みに似た推理をするだけに見えてしまったことも乗り切れなかった要因。結局なんの映画なんだよ!?と愚痴も言いたくなる。観終わった今でも最後の格闘はフェイクなんてしょ?とどこかで思っている自分がいる。
あと、やらせの動画を配信することがそんなに問題なんだろうか。それで配信業を引退したとしても、とりあえず15億ウォンも投げ銭をもらえているなら大成功と言えるんじゃないか。
ちなみにWAGに挟まれる広告動画に、クォン・サンウ主演の「ヒットマン」シリーズの漫画「暗殺要員ジュン」が流れたのは面白かった。同じ世界線ということか。今後、「ヒットマン」シリーズにウサンが登場する可能性もある。そんなに楽しみにはならないが覚えておこう。
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