「性の複雑さ」SEX ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
性の複雑さ
今月、ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督作品、2作目鑑賞。
今作は登場人物の名前がわからない煙突掃除人の男2人が主役。
男とSEXをしたことを同僚と妻に告白する男。
この男としては浮気でもなんでもないらしい。
浮気と認めるのだったら、バイセクシュアルと自認しているはずだし、
そうでないということは、自認していない。
そして悪びれた風でもない。
が、しかし、妻が怒っていることで、しまった!とは思っている。
この妻との対話を続け、完全に修復はしないものの、一緒にいる。
もうひとりはデビッド・ボウイに女性として見られた(視線を向けられた)夢を
見て滅入っている様子。
妻からはいろいろ的確な質問をされ自己認識の掘り下げを試みるも、
どうも自己認識はないらしい。
ただ、ラストで踊っていたダンスは女性的なふりつけもなされていて、
着ている衣装も若干女性的でもあり、この男の心の根底には女性になりたい気持ちが
隠されているのかもしれない。それこそ本人も気づいていないような。
とまあ、こんな具合だが、会話だけで観客に考えさせるようなつくりは、
ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督ならではだろう。
本作は夜のシーンはほとんどなく、昼間のノルウェーの街が中心の物語であった。
もう1作、『DREAMS』も鑑賞予定。
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