劇場公開日 2025年9月5日

「セクシュアリティや愛の形はいろいろあるけど、皆お互いへの優しさを競い合いましょうという制作者の思い」SEX sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 セクシュアリティや愛の形はいろいろあるけど、皆お互いへの優しさを競い合いましょうという制作者の思い

2025年9月22日
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鑑賞方法:映画館

男が抵抗なく泣き、男(の子)が裁縫して衣装を作る、ジェンダー平等が進んでいるノルウェー。
そんなノルウェーでも重いものを運ぶのは男で、手を痛めるまで手伝ってもお礼の言葉もない。一部でよく云われる「男だって辛いんだ」というバックラッシュの主張を、敢えて入れていますね。

ベテランの女医さんは、「生理は女神とは思わないけど、生命を体感できる生理のあった頃が懐かしい」みたいな台詞を口にしていました。女はしんどいけど、男には得られない痺れるような感覚もあると言うことでしょうか。

茶髪氏は、妻を裏切ってないと考えるからこそ男とのSEXの話を妻にしました。
でも妻の方は到底受け入れられません。茶髪氏も行為の一挙手一投足を説明せよと言われたらさすがに嫌になってきた。素晴らしい体験だったはずなのに。だったらコソコソやった方が良かったのでしょうか。

価値観や倫理観はいろいろあって当たり前で、それを理解した上で、お互いに優しさを競い合いましょうという制作者の意図が感じられました。勿論そう出来れば素晴らしいし、積極的に実践したいのですが、実際はなかなか上手くいかないのも事実。人間は感情の生きものなので。

全編圧倒的な会話劇で、フランク・ロイド・ライトの入れ墨のくだりと最後の聖歌隊発表会以外は映画的広がりが少なかったので(長回しやズームなど工夫はあるが)、個人的には少し残念。
清潔で整然としたオスロの街並みとフュージョン風の音楽はとてもよかったです。
あとレンジの上に置いてあった煙突掃除人のフィギュア(たぶん)がかわいかった。

sugar bread
talismanさんのコメント
2025年9月22日

コメントありがとうございます。息子、本当にしっかり者でした!金髪男は友達の茶髪男だけでなく息子にも支えられていると思いました

talisman