ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価
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キャスティングがいい。
現在のアメリカでニュースとして扱われないだけで、
実際に起きている出来事なんじゃないかと思えてくる
リアルさがあってラストまで一気に観られました。
過去の因縁から、娘が誘拐されて動揺するレオが、
とても上手くて、ストーリーが進むにつれ、
少しずつ変化していく様子も良かった。
ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロとの
初共演もとても良くて、同じシーンで登場するだけで
嬉しくなってくるほど。
ウィラ役のチェイス・インフィニティがいい味を
出していて、今後注目かな?
それぞれのキャラクターをずっと追いかけていきたくなる
そんな作品でした。
今のアメリカならではの活劇
P・T・アンダーソン脚本・監督作品として、ちゃんとしたエンタメに仕上がっていることに驚き。もちろん、敵役を筆頭に、登場人物のキャラクター造型には相当クセがあるが、全体としてストーリーが追いかけやすく、飽きさせない。クライマックスのカーチェイスなど、今まで観たことのない映像で、船酔いしてしまいそうなくらい。
移民問題がベースになっているが、「16年経っても何も変わらず」さらに右傾化している現実のアメリカに対する諦観のようなものもあるのだろうか。白人至上主義の秘密結社も含めて、今のアメリカならではの情けなくも可笑しい活劇になっている。
タッチとしてはコーエン兄弟の諸作品を思い起こした。アメリカ人には理解しやすく、笑えるだろうが、日本人にはピタッとフィットしてこない感じも似ているというか…
L・ディカプリオは近年、情けない男がすっかりハマり役になった。S・ペンの怪演ぶりはしばらく語り継がれるだろう。B・デルトロは出番は少ないが好印象。娘役の凛とした美しさも印象に残った。
各シーンを支える音楽もユニークで面白い。スティーリー・ダン(セリフにも出てくる)の「ダーティ・ワーク」は、主人公を代弁しているようで笑えた。
導入部での仲間を裏切る母親の心情が理解できなかったので、ラストは取って付けたよう。ただ、娘の行動に託して、次世代に希望をつなぎたいという作者の願いのようなものは感じられた。
私にはそれほど面白いとは思えなかった。
いつものPTA節にのせて家族の情があふれ出す
ポール・トーマス・アンダーソンがIMAX? 製作費1億3千万ドルのアクション大作? そんな前評判にいささか戸惑いながら、いざ観てみるといつものPTA節だった。
過去作を引き合いに出すと、混沌キテレツな『インヒアレント・ヴァイス』を希釈して、そこへ『パンチドランク・ラブ』のじわじわくる可笑しさをまぶして仕上げた——そんな印象だ。ただ、いつもと比べて当たりが良く、ある意味だいぶ分かりやすい。
とはいっても、過去のPTA作品とは明らかに「異なる要素」も目につく。そのひとつは冒頭にも挙げたIMAXフォーマットの採用だ。ズバリ、このタテ方向にぐんと伸びた巨大スクリーンは、クライマックスのカーチェイスで「高低差のスリル」を存分に堪能するためにこそある。その他のシーンではIMAXが映えそうな描写などを過度に期待してはならない。むしろ巨大画面でロベール・ブレッソン作品を見たりするとおそらく感じるような、一種の「ズレ/違和感」を愉しむ。そのくらいのキモチで鑑賞するのがふさわしいかも。
(ちなみに、本作の6つの異なる上映フォーマットを比較検証した本国リポートというのがあり、そこでは「フォーマットが違えば鑑賞体験も大きく異なるが、最終的にそれはあまり重要ではない」と結論づけていた。)
さて、もう一つの「異なる要素」は、莫大なギャラで主演に迎えられたレオナルド・ディカプリオの存在である。そして本作は、ハリウッドスターならではの輝きと不遜さをにじませる彼の「へっぽこぶり」をとことん愉しむ作品ともなっている。これがホアキン・フェニックスだと逆にハマリ過ぎて面白さも半減するだろう。
ただし、その役どころからすれば、『ビッグ・リボウスキ』でジェフ・ブリッジスが体現していた「いかにもアメリカンなユルさ」なども感じさせてほしかった気はする。
さらにもう一つ「異なる要素」として、この映画が、過去作では久しく取り上げてこなかった「現代もの」であることも、ここに加えておきたい。ただし、冒頭からまるで70年代にタイムスリップしたかのような革命グループの描写がしばらく続くのには、少々面食らったが…。しかしそう感じたのは、少し前にポール・シュレイダー監督作『テロリズムの夜 パティ・ハースト誘拐事件』を観たこととも関係あるかもしれない。
いずれにせよアンダーソン監督は、極左の地下革命グループ/移民税関捜査局/白人至上主義の秘密結社/不法移民たちを匿う地元集団…と三つ巴、いや四つ巴の闘争劇を、「現代の寓話」としてシンプルに描いてみせる。要所要所にユーモアも挟んで、長尺を決してダレさせない。
そして、本作は一種の寓話としての闘争劇である一方、ぎくしゃくした父娘が良好な関係に至るまでの物語だともいえる。そこにはウェス・アンダーソン監督最新作の『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』にも通じるモノが感じ取れる。両作品とも、直線的な話の運び方や同一俳優の起用(ベニチオ・デル・トロ)にとどまらず、いつにもまして家族の情が満ち溢れていると見たのは、うがち過ぎだろうか。ポール・トーマス・アンダーソン(1970年生まれ)とウェス・アンダーソン(1969年生まれ)——この対照的な作風のふたりが最新作でみせた偶然かつ奇妙な符合ではある。
と、ここで、ジョニー・グリーンウッドによる映画音楽が本作に絶大な効果を及ぼしていることも、ぜひ強調しておきたい。ときにはモタつく映像を音楽がぐいぐい牽引してゆくほどだ。グリーンウッドにとってもこれは代表作の一本となるだろう。またもや引き合いに出すと、『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ではアレクサンドル・デスプラの緻密な音楽設計が圧巻だったので、その点でも本作とは相似形を成しているといえるだろう。
映画は、幼子を棄てて国外逃亡した母親がヒロイックに再登板することもなく、母から子へ宛てた手紙の朗読とともにシンプルに終わってゆく。その手紙の行間からは、共に経験してきた「戦場」の硝煙の匂いが立ち昇るかのようだ。そう、ココには親子というよりむしろ同志のような親愛の情がにじむ。ともかく困った母と父だが、それもこれも呑み込んで余情ただよう見事な幕切れだった。
テロリストとして追われる恐怖が、よくわかる作品
最近のハリウッド映画は、安心して観ていられる作品が増えたように思います。
この作品も上映時間は2時間を超えますが、まったく飽きることなく、
ストーリーにぐいぐい引き込まれました。
予告編も事前情報もなく、ただ一枚の「銃を持った写真」を見て、
「面白そうだな」と思い鑑賞しました。
途中でふと気づきます。
「あれ? この冴えない中年男性の俳優、どこかで見たことがある…?」
しばらくして思い出しました。
「もしかして、レオナルド・ディカプリオ?」
顔立ちは少しふっくらしていますが、間違いありません。
驚きました。「レオ様」と呼ばれたあのディカプリオが、
見事に“冴えない中年男性”を演じているのです。
そのギャップに、観ている側も思わず唸ってしまいます。さすがの演技力です。
また、観ていて印象に残った点が二つあります。
一つは、脇役として登場する俳優陣が、意外に有名な顔ぶれだということ。
昔のマフィア映画で見かけたような俳優がいたり、
過去の名作を思わせる配役がいくつか見受けられました。
もう一つは、映画の一部で「マッドマックス」を思わせる車のシーンが
あったことです。
おそらく、あの名作へのオマージュ(リスペクト)として意図的に
似せているのだと思います。
ストーリーは予想がつかず、最後まで目が離せませんでした。
細部の演出にも工夫があり、映画好きなら気づいてニヤリとする場面も多いです。
総じて、とても楽しめる作品でした。ぜひおすすめしたい一本です。
面白かった
スピルバーグ監督が3回観て大絶賛という広告を見て、恐らく過剰反応だろうなと思いつつ近年のディカプリオが好きなので鑑賞。
ポール・トーマス・アンダーソン監督作品はマグノリアしか観たことが無かったので、どういう特徴があるのか等事前知識の無い俄者の感想。
全体的を通して退屈せずに観られて自分は満足。一方で低評価・酷評している方々の意見も何故か納得してしまったりと、まさしく賛否ある不思議な作品だと思った。
成果があるのか無いのか分からないビ◯チな革命家、うだつの上がらない革命の英雄(とされているが実態はうだつの上がらない中年)、母親の記憶は無いのに母親似な娘、移民コミュニティに顔が利く空手の先生、正義など微塵も無い狂気の警察官という癖の強いキャラクターが織りなす群像劇。
ディカプリオはドント・ルック・アップ以来の冴えない中年を演じており、これが実に良い味を出していた。あのディカプリオなのに画面に映っていないと映画の主役を忘れてしまいそうな存在感。ひたすら悪辣でサイコなショーン・ペン、出番が少ない分強烈な印象を残すベニチオ・デル・トロ。
無駄とも思える会話のシーンも多く、移民問題や暴力革命、人種差別を描き、筋立てはシリアスなものにしたいけどうっかりコメディになってしまったような流れは、確かに好き嫌い激しいと思う。
流石に大絶賛して3回も観る気にはならないが、そもそも上演時間に対して長いと感じなかったのでまたいつか観る機会があれば観たいなとは思う。
最後のカーチェイスシーンは本当に締めとして良かった。なんとなく観ながら三者の顔を3コマで並べたら更に良さそうだなと巨匠に対して失礼な考えが思い浮かんだ。
ただしラストはどうも納得がいかないというか辻褄が合わなかったので星ひとつマイナス。
何故かは分からないがオモロイ!
主要な出演者さんたちのキャラが凄い!
なのにストーリーはよくわからん……
まるで作家の山本甲士さんのかつての作品が「巻き込まれ型」と呼ばれていたように「いやいやいや、それはないって!」と思うほどあり得ない方向に展開して行くのを感じていたのを思い出してしまった。
他の観客の方はどう感じていたのか知る由も無いが、ワタシは終始キャッキャッ笑い声をあげながら観終えてしまった。うーん、実にオモロイ。
少しだけ真面目に考察してみると、時代に取り残された思想や団体が、自らの衰え行く肉体に抗いながら奮闘するさまが悲哀を誘うのだろうか。そして周囲の変質的な志向を持つ者や現実的・退廃的な思想、行動を行う者に関わることで様々なズレを生ずることが面白さに繋がったのかもしれない。
それにしても出演者の中で引っかかったのは母親であるペルフィディア、彼女はハナからパートナー(レオ様)への愛情は持たず、自らの保身優先で警視(ショーン・ペン)を掌で転がし、自己弁護の為に娘への手紙をしたためたのではないのだろうか。
笑って許せる登場人物たちの中、ワタシの中では唯一、モヤっとする存在だった。
上映時間は長いけれど、とっても長いジェットコースターにのっているような感覚で飽きずに観られた作品でした。
物語性以外に見どころがあるのかも
極左シンパおじさん向けの同人誌のよう
アメリカにはリベラルはもちろんいるが、左翼が居なくて、極左はいるということがよく分かった。日本には共産党がいて、多くの議会で5%〜10%程度の議席も持っている。党員も25万人いる。日本では共産党=左翼でそこを起点に位置づければ大体は合っている。日本の左翼では異人種間が推奨されてないけれど、アメリカではそうらしい。自由絶対主義というのがやはりリベラルなのかもしれない。移民受け入れも完全に賛同らしい。何よりこの極左集団はどこに投票するのが気になる。この映画を貫くキモいけど可愛いオジサンで活動家崩れの僕という自意識が気持ち悪いし、日本にもよくいる。ラストの僕らはダメだったけど、君ら若者は頑張ってねというメッセージのつまらなさ。これは政治に限らないけど、これを言うとなんとなく締まったように思うおっさんは多い。そんなオジサンには、私は既に頑張ってる。おじさんもまだまだ一兵卒として頑張ってねと返しましょう。この映画を観たあとだと、桐島ですがとても誠実な映画に思える。単なる人生あがったセレブのアクセサリーみたいに思えてくる。極左冒険主義はカッコよく映ってしまうことが多いのでアクセサリーになりやすい。文字通り、活動家にインスパイアされたファッションとかパロディとしての政治活動あるもんね。アクションの楽しさとかはもちろんあるけど、タランティーノとかと同じネタとしてのKKK,ネタとしての過激派、全てを面白おかしくネタにするのがアメリカ流なのかな。被差別者に対して被虐願望を抱くのはそんなに珍しくないような気もする。
日々、是、闘争
「ゼア ウィル ビィ ブラッド」もそうですけど、この映画は、地球を舞台にした映画なのかと、疑いたくなります。殊に、この映画のショーン・ペンですが、まだプレデターの方が話が通じるのではないのかと、思える程のイカれっぷり。何処に出しても、恥ずかしくないレベルのエイリアンです。彼を観ているだけで、お腹いっぱいになれます。そして、何かが、弾けそう。
おそらく、ポール・トーマス・アンダーソン監督は、ヒトを描くのが好きなのでしょう。ただ、彼がフォーカスしたがるヒトとは、私、友だちになれそうもありません。キャラが濃すぎるから。だが、それがいい。何とも観ていて落ち着かない、あの不安定感こそ、監督さんの持ち味だと思います。マーティン・スコセッシ監督が、好きな方なら分かると思います。張り詰め過ぎて、今にも断裂しそうな弦に触れる感覚。他の何にも、替えがたいあの感覚。是非、皆様もチャレンジして下さい。闘争、あるいは、逃走の日々のスタートです。みんな、観てね。
キャラがみんな濃い!
期待しずぎた感はある
ショーンペンやばす!
最高!
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