「じゃじゃ馬に首ったけ」ワン・バトル・アフター・アナザー Li'l Titanさんの映画レビュー(感想・評価)
じゃじゃ馬に首ったけ
公開週ですし「国宝」「鬼滅」並みのお薦め作なので、ネタバレなしの雑感です。
⚔️
1. 喜劇版「コマンドー」?「96時間」?
 大まかなプロットは極めてシンプル。拐われた娘を父が救おうとする活劇....。これだけ言うと、A. Schwarzenegger の「Commando」(1985)や、L. Neeson の「Taken(96時間)」(2008)等のマッチョな父が浮かびますが、本作で L. Dicaprio が演じる Bob は大違い。本人はいたって真剣ですが、レジスタンスとしてブランクがありすぎて、バトル手前の基本的な処で躓きまくります。Bobは主人公ながら、ヒーローではなく、コメディリリーフ? McGuffinを維持する為の狂言回し? にすら見えます。それでも、本人が心底娘を愛して いて、彼女を救う必死さが伝わるので、強すぎる父以上に応援できます。
🪖
2. 狂い過ぎな仇役
 この手の映画は勧善懲悪な程スッキリしますが、S. Penn が演じる旧敵はそんな定石を遥かに上回ります。Lockjaw大佐は、行動原理自体がアブノーマル。娘を拐った理由に至っては、何重にも許しがたいです。ストーカー以上のしつこさも、倒しがいに拍車をかけます。にしても、1960年生まれで今年65歳の S. Penn の体作りは凄い。未だに「I am Sam」(2001)や「Milk」(2008)の印象が強い自分は、Lockjaw大佐の太すぎる二の腕に、圧倒されました。
🔫
3. 本作の魅力は、母娘のじゃじゃ馬ぶり
 序盤にだけ登場する母のじゃじゃ馬さが、全ての発端になるのですが、彼女は序盤で退場してしまいます。代わりに、中盤以降観客を虜にするのが、C. Infiniti演じるteenageの娘 Willa。インスタを観ても元々お美しい方のなのですが、本作で魅せる凛々しさが堪りません。マッチョ男には敵わないか弱さもあるが、簡単には言いなりにはならない、鼻っ柱の強さが凛々しいです。序盤でじゃじゃ馬ぶりを見せつけたあの母から生まれた娘だと、納得させてくれます。主人公の Bob が頼りにならない分、終盤の主役はほぼ娘のWillaになります。それには Bob が教え込んだレジスタンスとしての基礎が役に立っているのですが、一見意味不明な単語の羅列が、彼女を救う展開も圧巻です。
🎥
4. 全米でヒット、批評家も映画ファンも高評価
 RottenTomatoesでも、IMDbでも高評価、BoxOffice Mojoでも初週は鬼滅を抜いて全米1位。好みは様々なので、全ての人が手放しで評価するとは断言しませんが、かなり万人受けする仕上がりです。変な予備知識が入る前に劇場で確かめてください。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
