「予想外に“キライになれない”映画」ワン・バトル・アフター・アナザー おひさまマジックさんの映画レビュー(感想・評価)
予想外に“キライになれない”映画
話題だし。素直にみたい気持ちもあるけども、きっと見たらキライな映画になるのではないかとアンチな気持ちで見たんですよ。「おっ、今日映画見れそうじゃん!何やってんのかなぁ、あーこれ公開日かよ!」ってなもんで、前情報ゼロでして。
でね、これは僕はキライになれない。むしろ良い。
何かと風刺になりがちな現代アメリカが下敷きで「シビル・ウォー」よろしく、分断を描いてとかでしょう?と、張った予測は裏切られた。この作品は、言うなればサスペンス+人間ドラマでしたよ。
物語のはじまりは、アメリカ社会の風刺だし、主人公たちを「テロリスト」と見るか「レジスタンス」と見るかで既に、意識の分断が始まってしまうわけで、確かに人間社会は未だ何も完成していないことを思い知らされてしまう…そんな感覚になるっちゃあなる。
起→承のくだりからは、おっとっと、みるみるブラックユーモア化してきて、ロックジョー警視(軍隊のようなコヤツ、POLICEだぞ…ww)の執着モチベーションは100%私情だけと来たもんだよ。
娘を追って、追われるボブは親父としてダメさも良さも100%の本領発揮っぷりが「キライになれない」。
タイトルのそれも、エンディングの一幕で巻き取って、でもこの娘きっとデモ参加とかなのかなあ、という、どこか長閑な?表現。レノンじゃないがPower to the People!な感じだよね。
物語を通して、なに描いたの?って問うと、意外とシンプルに親子愛だったり、社会に黙ってる必要は無いんだぜ、でもやり方は考えろよってくらいのメッセージと感じた。
だからエンタメ映画として、まあまあギリとどまってて普通~に面白く、睡魔負けすることもなかったかな。
ものすんごい起伏のあるローリングロード(どこやねんここ)を使った追いかけっこは、ヒッチコックばりの名シーンじゃなかろうか??インパクトあったなあ。映画も手法やり尽くしたように見えて、まだこんなシーンって撮れるんだなと感心。
こちらこそ、共感とコメント有難うございました!
伏せ字について。もったいぶるほどじゃないですけど、「移民」です!不法移民のメキシコの人々は皆、ボブに協力的だったり裏切らなかったり皆良い人だったと思います!娘の友達のメキシコ人?も電話番号もらさなかったし。
「アンチな気持ちで見たのにキライになれない」という出だしから、作品の持つ意外性とレビューの誠実さが一気に伝わってきて惹き込まれました。単なる社会風刺に収まらず、サスペンスと人間ドラマへと展開する構造を的確に言語化されていて、読みながら映画そのものを追体験しているような感覚になりました。
また、ブラックユーモアと親子愛、さらには社会との関わり方というメッセージを自然につなげる視点は、映画が持つ多層性をとても鮮やかに浮かび上がらせています。「まだこんなシーンが撮れるんだ」と感心された追走劇のくだりも、映画表現の新鮮さを共有できてワクワクしました。
率直な感情と鋭い洞察が絶妙に混じり合った素晴らしいレビューだと思います。読後、こちらも「これは自分も見て確かめたい」と強く思わせてくれる力がありました。
追伸:
複数の共感&コメントありがとうございました。
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